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サステナビリティなブランド戦略とは?メリットや具体例・実行方法や注意点も解説
目次
サステナビリティを意識した戦略を打ち出すブランドが増えています。しかし、自社の持ち味を活かした戦略の立て方が分からない人もいるでしょう。この記事では、サステナビリティを意識したブランド戦略のメリットや、戦略立案方法などを解説します。ぜひ参考にしてください。
サステナビリティなブランドとは
サステナビリティ(Sustainability)は、持続可能性という意味で使われます。具体的には、環境への配慮・社会的責任・経済的な発展の3要素を調和させることがサステナビリティです。サステナビリティの理念に基づいて事業を展開するブランドを、サステナビリティなブランドと呼びます。
ハイブランドにも見られるサステナビリティのトレンド
ハイブランドと呼ばれるブランドにおいて、サステナビリティを重視する動きが加速しています。例えば、リアルファーからエコファーへの素材転換が進行中です。サステナビリティを重視するトレンドの背景には、動物愛護団体の積極的な活動や、代替素材開発における技術革新があります。
現在では、サステナビリティに反する事業活動は、企業やブランドの社会的評価の低下を招きかねない状況となっています。
サステナビリティなブランド戦略がもたらすメリット
サステナビリティなブランド戦略がもたらすメリットを解説します。トレンドを意識した戦略で企業やブランドの価値を高めましょう。
ブランドの差別化
サステナビリティに配慮した商品やサービスは、他ブランドとの差別化になります。市場に多様な選択肢が存在するなかで、独自性や価格競争力だけでは、消費者の関心を獲得することは困難です。社会や環境に考慮するブランドとして印象づけられると、ブランドの存在価値が際立ち、競争優位性を確保できます。
消費者や取引先との関係性強化
企業やブランドがあり続けるには、消費者や取引先との良好な関係性構築が求められます。環境や社会に配慮したサステナビリティな取り組みは、社会全体の共通価値として認識されています。サステナビリティな取り組みを通じて、多様なステークホルダーから共感と支持を獲得しましょう。
従業員にとって好ましい環境の構築
世間に受け入れられる企業やブランドの一員であることは、従業員エンゲージメントを向上させます。また、社内環境の整備もサステナビリティにつながります。リモートワーク制度やフレックスタイム制度を導入する、健康経営に取り組むなどして、従業員にとって好ましい環境を提供しましょう。
優秀な人材の獲得と定着
サステナビリティなブランド戦略は、採用活動にも好影響をもたらします。環境や社会に配慮した取り組みが世間に認知されると、サステナビリティに高い関心を持つ人材から就職先として注目されるためです。サステナビリティを重視する人材は、社会の変化やトレンドに対する感度が高く、特にファッションやマーケティングなどのジャンルで、重要な戦力になると期待されます。
サステナビリティなファッション関連企業・ブランド4選
サステナビリティな戦略で成功を収めている、ファッション関連企業やブランドを紹介します。
Patagonia
Patagoniaは、フェアトレード認証を受けた衣類の製造を通じて、開発途上国の労働者の自立支援に取り組んでいます。また、Patagoniaは、「ブラックフライデー」に、「このジャケットを買わないで」という逆説的な広告を掲載したことでも注目されました。広告は、過剰消費を見直し、本当に必要な物だけを購入するよう消費者に促すために掲載されました。
CFCL
CFCLは、コンピュータープログラミングニットという特殊な製造手法を採用しました。糸から直接製品を作り上げることで、従来の裁断工程を省略し、廃棄物の発生を抑えることが可能です。また、糸にも環境に配慮した素材が使用されています。このような取り組みが評価され、CFCLは日本のアパレルブランドとして初めて、Benefit Corporation認証を取得しました。
MOTHERHOUSE
MOTHERHOUSEは、バングラデシュやネパール、インドネシアなどの国を拠点としてモノづくりに取り組んでいます。各地域の特性を活かした素材選定と製造方法を採用し、現地の人々に安定した雇用を提供しました。適正な給与水準の保証や昇進機会の創出、充実した社会保障制度の整備などを通じて、労働者が働きやすい環境を整備しています。
加えてMOTHERHOUSEは、被災地への支援活動も積極的に行っています。
allbirds
allbirdsは、メリノウール、ユーカリ繊維、サトウキビなど、再生可能な素材を活用した製品で注目されています。また、主力素材であるメリノウールの調達においては、再生型農業の手法を取り入れた牧草地管理を実践しました。羊の飼育環境を改善し高品質なウールの生産を可能にするだけではなく、土壌への炭素固定により温暖化対策にも貢献しています。
サステナビリティな飲食品関連企業・ブランド2選
サステナビリティな戦略で成功を収めている、飲食品関連企業やブランドを紹介します。
味の素株式会社
味の素株式会社は、独自のアミノ酸発酵生産技術を活かしたバイオサイクルの取り組みを通じて、環境負荷の削減と人々のウェルビーイング向上の両立に取り組みました。
さらに、ベトナムにおいて行政機関と協働し、日本の給食システムのノウハウを活かした「学校給食プロジェクト」を展開しています。加えて「ベトナム栄養関連制度創設プロジェクト」を通じて、栄養知識の普及と定着にも取り組んでいます。
キッコーマングループ
キッコーマングループは、2030年度までにCO2排出量を2018年度比で50%以上削減するという環境目標を掲げています。
キッコーマングループは、食品製造過程での副産物の有効活用にも取り組みました。例えば、しょうゆ製造時に発生するしょうゆ粕は、飼料として畜産農家に提供されています。また、豆乳製造時に生じるおからは、乾燥後に粉末化した状態で商品化されました。
サステナビリティな美容関連企業・ブランド2選
サステナビリティな戦略で成功を収めている、美容関連企業やブランドを紹介します。
Maison KOSÉ
Maison KOSÉは、包装資材の開発を通じて環境負荷の低減に取り組んでいます。プラスチックに紙由来の素材を配合した新素材を採用したトレイでは、従来比約50%のプラスチック削減を実現できました。さらに、一部製品の包装資材には、バイオマスPETを導入しています。また、売上の一部で沖縄のサンゴ礁保全活動や苗木の植樹プロジェクトを支援するなど、自然環境の保護にも積極的に取り組んでいます。
LUSH
LUSHは、「リジェネラティブ(再生)」という環境保全の考え方を実践しています。例えば、群馬県みなかみ町の「赤谷の森」において、里山の再生に挑戦しました。イヌワシの生息環境を整備するために伐採を行い、生じた木くずをギフトボックスのラッピングペーパーとして再利用するなど、環境保全と事業活動を上手く組み合わせています。
さらに、プラスチック包装を使用しない製品の開発に注力するなど、包装資材の環境負荷低減に関する取り組みも盛んです。
サステナビリティなブランド戦略が必要とされる理由
サステナビリティなブランド戦略が必要とされる理由を、深刻化する環境問題と社会的責任に触れつつ解説します。
環境問題が深刻化しているため
サステナビリティなブランド戦略が必要とされる背景には、地球温暖化や生態系の損失といった環境問題があります。状況の悪化を防ぐには、世界が一丸となって、日常生活や事業活動などを環境に配慮した形に転換しなくてはいけません。地球規模の環境課題に直面する現代において、企業やブランドにとって、サステナビリティは意識すべきキーワードといえます。
社会的責任を守るため
近年の企業やブランドにとって、社会的責任の遂行は事業継続のための必須要素となっています。自らの利益・成長のみを目指して活動し続けると、投資家からの信頼を失うだけではなく、消費者の気持ちも離れていってしまうでしょう。社会的責任を果たす企業やブランドとして、環境や社会に配慮したサステナビリティな戦略が求められます。
サステナビリティなブランド戦略の実行方法
具体的なサステナビリティなブランド戦略を解説します。商材の価値をメインに、サステナビリティな取り組みを自然な形で訴求しましょう。
目標から逆算して戦略を立てる
サステナビリティなブランド戦略を立案する際は、バックキャスティングという手法が適しています。バックキャスティングは、理想とする将来の姿を明確に設定し、現在に向かって逆算的に必要な施策を検討していく手法です。目指すべきゴールから現在を見つめ直すと、より実効性の高い戦略を立案できる可能性があります。
ブランドや企業にマッチする戦略を立てる
サステナビリティ戦略には、ブランドや企業独自の持ち味を活かしてください。社会的に有意義な取り組みでも、企業理念や事業との関係が薄ければ、戦略の成果がふるわない可能性があります。組織ならではの専門性やノウハウ、ブランドの世界観などを活用して戦略を立案しましょう。
サステナビリティの要素を打ち出しすぎない
サステナビリティについて不自然にアピールしすぎると、売れ行きが伸び悩む可能性があります。サステナビリティは、確かに世間に注目されるキーワードといえます。しかし、商品やサービス自体に魅力がなければ、サステナビリティを前面に押し出しても、市場での成功は見込めません。
どちらを選ぶか迷ったときにはじめて、「どうせならサステナビリティを重視したものを選びたい」と考える消費者は多いものです。商品やサービスの価値を高めながら、自然な形でサステナビリティを訴求する戦略が効果的です。
他の企業や組織と連携する
共通の目的をもつ企業や組織と協力関係を築くと、戦略の幅を広げられる可能性があります。それぞれが持つ独自の技術やノウハウ、ネットワークを組み合わせると、独力のみでは実現困難なプロジェクトを展開できるためです。実際に、異業種の企業が協力し合うことで、社会に大きなインパクトを与える事例も増えてきています。
実態のないサステナビリティなブランド戦略に注意
「サステナビリティな取り組みをしている」と公表しつつも実態がない場合は、グリーンウォッシュやSDGsウォッシュと批判される場合があります。批判によって損なわれたブランドの信頼性は、容易に回復できません。ブランド戦略に対して批判を受けた際は、指摘を真摯に受け止め、社会貢献を実現できるよう戦略の抜本的な見直しを行いましょう。
まとめ
環境問題が深刻化する近年、サステナビリティなブランド戦略が必要とされるようになりました。業界や規模を問わず、多くのブランドや企業が、環境や社会に配慮した取り組みを展開しています。独自の強みや専門性を活かしながら、持続可能な社会の実現に貢献しましょう。
ゼロ炭素ポートは、自社のサービスに加えて他社のソリューションも活用し、お客さまの脱炭素への取り組みを総合的に支援しています。サステナビリティなブランド戦略をお考えの人は、ぜひゼロ炭素ポートをご活用ください。
執筆者プロフィール
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA