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サステナビリティ経営のメリットとは?企業が取り組む必要性、実践する方法を解説
目次
近年、社会の課題に対する問題意識が強まっています。このような状況において、企業のサステナビリティ経営の重要性が増しているのが現状です。この記事では、サステナビリティ経営が求められている背景やサステナビリティ経営のメリットとともに、具体的な取り組み方について解説します。ぜひ参考にしてください。
サステナビリティとは
そもそもサステナビリティとは、どのような意味なのでしょうか。ここでは、サステナビリティの概要について解説します。
持続可能性を意味する
サステナビリティ(Sustainability)とは、社会全体を長期にわたって持続させるための考え方です。「Sustain」と「Ability」を組み合わせて作られました。サステナビリティは、社会のさまざまな課題を解決するために重要です。サステナビリティを実現するには、環境や経済などに配慮した活動を展開する必要があります。
サステナビリティで重視される観点
サステナビリティを実現するには、環境、経済、社会に対する配慮が重要です。環境に負荷をかけないようにし、自然を保全しなければなりません。労働環境の整備や貧困問題の解決なども求められています。また、社会に対する影響を考慮した活動による生活環境の向上も、求められています。
サステナビリティ・SDGsの関係性
サステナビリティには、SDGsが深く関係しています。SDGsは「Sustainable Development Goals」略称であり、日本語で表すと「持続可能な開発目標」です。17のゴールと169のターゲットで構成されています。2015年の国連サミットで採択され、世界中の国々が目標を実現するための取り組みを展開しています。
※参考:SDGsとは?|外務省
サステナビリティ・CSRの違い
サステナビリティと似ている用語として、CSRがあります。CSRは「Corporation Social Responsibility」の略称であり、企業の社会的責任を表しています。企業の活動において利益を求めるだけでなく、関係者や社会にも配慮する考え方です。対象が限定されていないサステナビリティに対し、CSRの対象は企業のみとなっています。
サステナビリティ経営が求められている背景
それでは、一体なぜサステナビリティ経営が求められているのでしょうか。ここでは、その背景について解説します。
企業の社会的責任が高まっている
企業は自社の利益だけでなく、消費者、地域社会、環境など社会全体の利益も重視しなければなりません。CSRの考え方とサステナビリティを結びつければ経営の持続可能性が高まり、社会的信用も向上させられます。
消費者ニーズが変化している
従来は大量生産や大量消費が盛んに行われていましたが、近年は環境や社会に配慮する「エシカル消費」が台頭しています。消費者の購買意識が変化しており、サステナビリティを重視している企業の商品やサービスが求められています。
SDGsの採択による影響
SDGsの目標を実現するには、企業の協力が不可欠とされています。SDGsに取り組むと、新規事業の展開や取引先の獲得といったビジネスチャンスを得られる可能性もあります。自社の専門分野とSDGsをうまく紐づけできれば、利益と社会貢献の両立が可能です。
サステナビリティ経営のメリット
サステナビリティ経営には、さまざまなメリットがあります。具体的には社会貢献につながり、企業イメージを向上させることが可能です。また、新しいビジネスチャンスにつながるケースもあります。ここでは、サステナビリティ経営のメリットについて具体的に解説します。
社会貢献につながる
サステナビリティ経営に取り組めば、社会課題の解決に貢献できます。自社の専門分野を活かした活動を通してSDGsの目標達成を目指せます。SDGsの目標を達成するには多くの企業の協力が必要であり、熱心な取り組みを展開すると評価される可能性が高いです。企業の社会貢献は、結果として以下のメリットにもつながっています。
企業イメージが向上する
サステナビリティ経営を実践すると、企業イメージを向上させられる可能性があります。近年は社会問題に関心を持つ人が増えており、環境に配慮した商品やサービスを購入したいと考える消費者も増加しています。
サステナビリティを重視した取り組みは評価されやすく、自然と企業イメージを高めることが可能です。企業イメージの向上は、人材獲得や従業員エンゲージメントの強化などにもつながります。
新たなビジネスチャンスとなる
サステナビリティ経営は、新しいビジネスチャンスのきっかけにもなります。それまでとは異なる視点を取り入れると、画期的な新事業の展開につながる可能性があります。新しい取り組みを始めれば、新しい取引先の獲得も期待できるでしょう。既存の枠組みを越えたビジネスに着手した結果、予想以上の成果を得られるパターンもあります。
サステナビリティ経営を測る指標
サステナビリティ経営を測る指標は、複数あります。ここでは、具体的にどのような指標があるか解説します。
GRIスタンダード
GRIスタンダードは、サステナビリティの概念を指標として具体的に示したものです。GRIは「Global Reporting Initiative」の略です。サステナビリティの国際基準として2016年に定められました。GRIスタンダードは、企業の情報開示の枠組みとして利用されています。
※参考: GRI|GRI Standards Japanese Translations
DJSI(ダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)
DJSI(ダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)は、1999年に開発された投資家向けの指数です。サステナビリティの観点で優れている企業をDJSI銘柄として選定しています。DJSIに選出された場合、投資家やステークホルダーに対して効果的なアピールになります。
※参考: S&P CSA/DJSI回答作成・評価結果分析支援|PwC Japanグループ
サステナビリティ経営に取り組む手順
サステナビリティ経営に取り組むには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、具体的な手順を解説します。
自社の課題とSDGsを紐付ける
サステナビリティ経営を始めるには、まずSDGsの内容を正確に把握するところから始める必要があります。そのうえで自社の事業の課題を改めて確認し、SDGsと紐づけましょう。自社が優先して取り組むべき詳細な内容を検討し、具体的に何をするかを考えます。
目標を設定し経営と統合する
自社の課題を解決するための目標を設定します。定量的な目標と定性的な目標の両方を決めることが大切です。設定した目標を自社の経営に統合させ、事業に当てはめる必要があります。この過程では、上層部や各部署の責任者などが積極的に従業員へ働きかけなければなりません。それにより、企業が一丸となってサステナビリティ経営に取り組めるようになります。
取り組みの内容を報告する
サステナビリティ経営を開始したら、取り組んだ内容を定期的にまとめましょう。ステークホルダーに対して成果を報告し、評価を受けたり意見を募ったりします。現状を客観的にチェックし、ブラッシュアップや新しいビジネスチャンスにつなげることが大切です。
サステナビリティ経営の事例
近年、さまざまな企業がサステナビリティ経営に取り組んでいます。ここでは、具体的な事例を紹介します。
大手家具メーカーの事例
ある大手家具メーカーは、サステナブルな素材を使用した家具を提供するだけでなく、消費者のサステナブルな生活も支援しています。具体的には、不要になった家具の買取サービスやフードロス対策などに取り組んでいます。循環型ビジネスの実現を目指し、さまざまな取り組みに挑戦しているのが特徴です。
大手製薬会社の事例
ある大手製薬会社は、新興国で流行している疾患の治療薬の開発に力を入れています。手に取りやすい価格で医薬品を提供し、必要とする人に行き渡るよう配慮しています。また、現地の人々に対する啓蒙活動にも取り組みました。企業イメージの向上により、海外の人材の獲得にもつながっています。
大手カフェチェーンの事例
ある大手カフェチェーンは、エシカルな調達で原料を確保しています。「エシカル」とは「倫理的」という意味です。つまり、エシカルな調達とは、適正な条件や価格による取引を表しています。コーヒーやチョコレートの原料は発展途上国で多く生産されており、特にエシカルな調達が重視されています。
手軽に実践できるサステナビリティの取り組み
サステナビリティの取り組みのなかには、手軽に実践できるものもあります。効果も期待できるので、ぜひ取り入れてみてください。
カーボンフットプリントを減少させる
カーボンフットプリントとは、原材料の調達から廃棄までの間に発生する温室効果ガスの排出量のことです。温室効果ガスの排出量を可視化したものといえます。カーボンフットプリントを意識すれば、サプライチェーンにおいて発生する温室効果ガスの削減に取り組みやすくなります。そのためには企業同士の連携が不可欠です。
環境に配慮した備品を利用する
企業同士の取引以外でもサステナビリティに取り組むことが可能です。たとえば、自社で使用する備品を環境に配慮したものにすれば、サステナビリティの推進になります。具体的には、天然素材や再利用素材を利用したものを積極的に選ぶことが大切です。また、省エネルギーで利用できる設備の導入もおすすめです。
社内のリサイクル・マイボトル持参を推奨する
サステナビリティを推進するには、社内におけるゴミの分別やリサイクルなども重要です。また、従業員にマイボトルの持参を呼びかければ、ゴミの削減にもつながります。備品を無駄にしないためには、使用済みの備品を再利用するアイデアを募って実践する取り組みも効果的です。
サステナビリティ経営のための環境整備
サステナビリティ経営を実現するには、環境の整備も必要です。以下で、詳しく解説します。
サステナブルなインテリアを導入する
社内に配置するインテリアは、サステナブルなものを選びましょう。具体的には、社会問題に配慮して作られたインテリアを選ぶ必要があります。たとえば、リサイクルアルミを使用した家具が挙げられます。また、リユース品を購入して利用する方法も、サステナビリティ経営として有効です。
環境配慮に取り組むオフィスビルに入居する
オフィスを構える場所を見直し、環境に配慮しているオフィスビルに新しく入居するという方法もあります。環境に配慮しているオフィスビルが増えており、入居によりサステナビリティの実現に貢献できます。
たとえば、ZEB(Net Zero Energy Building)化は、建物の一次エネルギーの年間の消費収支ゼロを目指す取り組みです。また、化石燃料を使用しない環境価値を証書化した非化石証書もあり、環境に配慮したオフィスビルを選ぶ際の参考になります。
まとめ
サステナビリティ経営に取り組めば社会貢献が可能であり、企業イメージの向上や新たなビジネスチャンスの獲得なども期待できます。サステナビリティ経営に取り組むうえでは、SDGsについてよく理解することが大切です。自社の課題も考慮し、具体的な取り組みについて検討しましょう。
ゼロ炭素ポートは、脱炭素を実現するために役立つさまざまな情報を発信しているWebサイトです。幅広い取り組みや事例を紹介しており、多くの企業のニーズに応えています。役立つ資料も配布しているため、ぜひご活用ください。
執筆者プロフィール
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA