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サステナビリティ補助金とは?概要や設立の背景・具体的な支援情報など解説
目次
近年、サステナビリティに配慮して事業を行う企業が増えています。しかし、新規設備導入・設備改修などの取り組みを実施する際には、まとまった費用が必要です。資金調達には、サステナビリティ関連の補助金制度を活用できる可能性があります。この記事では、知名度が高いサステナビリティ補助金を紹介します。ぜひ参考にしてください。
持続可能な社会を目指すためのサステナビリティ補助金とは
サステナビリティ補助金は、環境保護や社会課題の解決に関する取り組みを支援する制度です。サステナビリティは、環境・社会・経済の3つが、それぞれ好ましい状態で継続できることを意味します。
再生可能エネルギー発電設備の導入や、省エネ設備の導入など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを実施する際は、補助金による資金面でのバックアップを図るとよいでしょう。
SDGsとサステナビリティの関係
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)(以下「SDGs」という。)のSustainableの名詞形が、Sustainability(サステナビリティ)です。サステナビリティは持続可能性という概念で、持続可能性を達成するための目標がSDGsです。
カーボンニュートラル・脱炭素とサステナビリティの関係
カーボンニュートラルと脱炭素は、ほぼ同じ意味合いで使用されており、いずれも「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること」を指します。
大気中の過剰な温室効果ガスは、地球温暖化を深刻化させるため、持続可能な社会の実現に向け、各国が温室効果ガスの排出抑制に熱心に取り組むようになりました。サステナビリティ補助金を活用すると、カーボンニュートラルや脱炭素に取り組む予算を増やせます。
サステナビリティ補助金5選
以下では、サステナビリティ補助金として知名度が高いものを5つ紹介します。補助金は公募期間が決められており、対象者や補助額などがそれぞれ異なります。最新情報を確認して、申請できる補助金を検討しましょう。
令和6年度 宿泊施設サステナビリティ強化支援事業
「令和6年度 宿泊施設サステナビリティ強化支援事業」は、宿泊施設のサステナビリティ向上を目的とした補助金です。令和6年度の公募は終了し、2025年1月14日時点で令和7年度の公募は未定です。
令和6年度の公募の情報を基に、補助金の概要を以下にまとめました。
・実施機関:観光庁
・対象者:宿泊事業者
・補助率:1/2
・補助上限:1,000万円
※参考:令和6年度 宿泊施設サステナビリティ強化支援事業|国土交通省 観光庁
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下「ものづくり補助金」という。)」は、革新的な製品・サービスの開発や、生産プロセス改善を支援する制度です。特に、成長分野進出類型のGXでは、環境への貢献度合いが重視されます。
18次公募は終了し、2025年1月14日時点で19次公募は未定です。18次公募の成長分野進出類型 (DX・GX)で、大規模な賃上げを行わない場合の情報を基に、概要を以下にまとめました。
・実施機関:中小企業庁
・対象者:中小企業や小規模事業者
・補助率:2/3
・補助上限:1,000万〜2,500万円
※参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分)1.1版|ものづくり・商業・サービス補助金事務局
事業再構築補助金
「事業再構築補助金」のGX進出類型では、グリーン分野での事業再構築が支援されます。2025年1月14日時点で13次公募がスタートしています。
13次公募の成長分野進出枠(GX進出類型)で、大規模な賃上げを行わない場合の情報を基に、補助金の概要を以下にまとめました。
・実施機関:中小企業庁
・対象者:中小企業や中堅企業
・補助率:【中小企業】1/2、【中堅企業】1/3
・補助上限:【中小企業】3,000万~8,000万円、【中堅企業】1億円
※参考:事業再構築補助金 公募要領 (第13回)|事業再構築補助金事務局
令和6年度新規事業 サステナブルトラベラーの獲得に向けた観光促進補助金
「令和6年度新規事業 サステナブルトラベラーの獲得に向けた観光促進補助金」は、サステナブル・ツーリズムの推進を目的に導入されました。令和6年度の公募は終了し、2025年1月14日時点で令和7年度の公募は未定です。
令和6年度の公募の情報を基に、補助金の概要を以下にまとめました。
・実施機関:東京都
・対象者:都内島しょ地域の宿泊施設事業者
・補助率:1/3
・補助上限:9億円 ※年度毎の補助上限額:初年度5,000万円、2年目2億円、3年目6億5,000万円
サステナビリティ経営促進事業補助金(SLL/PIF)
「サステナビリティ経営促進事業補助金(SLL/PIF)」は、サステナビリティ・リンク・ローン(以下「SLL」という。)、ポジティブ・インパクト・ファイナンス(以下「PIF」という。)の推進を目的として設定されました。
2025年3月14日が交付申請期限で、次回の公募は未定です。
・実施機関:東京都
・対象者:中堅企業や中小企業
・補助率:1/2
・補助上限:100万円
※参考:金融機関と連携したサステナビリティ経営促進事業補助金交付要綱の概要(中堅・中小企業向け)|東京都
サステナビリティ補助金が創設された背景
以下では、サステナビリティ補助金が創設された背景を、SDGsや環境保全の観点から解説します。
SDGs推進策が必要となるため
SDGsの推進のため、日本では多くのサステナビリティ補助金が導入されています。日本政府は2020年に「SDGsアクションプラン2021」を発表し、以下の重点事項を掲げました。
・感染症対策と次なる危機への備え
・よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略
・SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出
・一人ひとりの可能性の発揮と絆の強化を通じた行動の加速
上記重点事項の達成に向けたコスト面のサポートとして、各種補助金制度が整備されています。
カーボンニュートラル・脱炭素推進策が必要となるため
政府のビジョン実現に向け、企業の環境配慮型事業や技術革新を支援する補助金制度が整備されています。当時の菅首相は、2020年10月に「2050年を目処とするカーボンニュートラルの実現」を目標に掲げました。
地球温暖化対策としてのカーボンニュートラル・脱炭素への取り組みは、環境課題への対応であると同時に、新たな経済成長の原動力としても期待されています。
サステナビリティ補助金の申請が採択されるコツ
補助金を申請しても、必ずしも採択されるとは限りません。ここでは、サステナビリティ補助金で申請が採択されるコツを解説します。
自社に合う補助金を選ぶ
補助金は、対象となる事業の内容などが異なります。何度も公募がなされている補助金でも、公募のタイミングによって内容が異なるケースも見られます。公募内容をよく調べて、自社の取り組みに合う補助金を申請しましょう。
具体的な計画を立てる
具体性に欠ける内容では、補助金の審査に落ちるリスクが高まります。事業の目的、実施内容、期待される効果などを詳しく記載し、現実的かつ実現可能性の高い事業であるとアピールしましょう。
裏付けとなるデータを用意する
事業の具体性と説得力を高めるには、適切なデータの活用が不可欠です。市場調査や過去の実績など定量的な数値に加え、アンケート結果のような定性的な情報も組み合わせて記載しましょう。
サステナブル認証を取得する
サステナブル認証は、企業や団体のサステナビリティへの取り組みを、第三者機関が客観的に評価・認証する制度です。サステナブル認証を取得すると自社の環境や社会への配慮を証明できるため、補助金申請などをはじめとする事業資金の調達で、有利になる場合があります。
ルールを遵守して申請する
提出書類に不備があると、補助金の審査に影響する恐れがあります。また、補助金の公募期間は短いうえに、予算が尽きると早期受付終了となる場合も少なくありません。必要な書類をすべて用意して余裕をもって提出できるよう、早い段階から準備を進めましょう。
サステナビリティ補助金の活用に向けて知っておきたいこと
以下では、サステナビリティ補助金を計画的に活用できるように、助成金との違いや支払われるタイミングなどを解説します。
補助金と助成金の違い
補助金も助成金も、いずれも返還不要な資金です。補助金には審査があり、予算や他の申請との競争により、条件を満たしていても必ずしも採択されるとは限りません。一方、助成金は定められた条件を満たせば受給できます。不正受給などの違反があった場合は、補助金、助成金とも返還を求められる場合があります。
補助金が支払われるタイミング
補助金は、原則として事業完了後の報告に基づいて支払われます。実際に発生した経費を報告し、内容を審査して受給額が確定される仕組みです。採択が決まった直後に補助金を受け取れるわけではないため、事業実施に必要な資金は自社であらかじめ確保しておく必要があります。
申請準備の難しさ
補助金申請の難しさを理解したうえで、自社の体制や準備状況に応じて申請を検討しましょう。
申請には事業計画書を含む複数の書類の準備が必要です。公募要領に必要書類は記載されていますが、申請経験がない場合は内容の理解や作成に時間がかかると予想されます。加えて、面接審査への対策も欠かせません。なお、入念な準備を行っても、予算や他の申請案件の状況によっては、非採択となるケースもあります。
申請の採択確率を上げるには、審査傾向や申請のポイントを熟知した専門家への相談も効果的といえます。
サステナビリティ補助金について専門家に相談するメリット
ここでは、サステナビリティ補助金について、選定や申請のタイミングで専門家に相談するメリットを解説します。
自社に合う補助金を提案してもらえる
専門家に相談することで、自社の事業内容や目的に最適な補助金を、効率的に見つけられる可能性があります。専門用語が並ぶ数多くの公募要領を比較検討し、適切な補助金制度を見つけ出すことは困難です。また、補助金検索ポータルで絞り込んでも、候補の多さから選定に苦労するケースもあります。
申請がスピーディーに進む
補助金申請の経験が豊富な専門家に依頼すると、効率的に申請手続きを進められます。自社にて手探りで申請準備を進めるのでは、公募期間内に提出できない恐れがあります。専門家の助けを借り、スムーズに申請準備を進めましょう。
採択確率が上がる
補助金採択の実績を持つ専門家は、審査のポイントを熟知しています。経験に基づくアドバイスを反映すると、説得力のある計画を提案できます。また、書類の不備や記載漏れといった初歩的なミスも防止可能です。
サステナビリティ補助金について相談先を選ぶポイント
補助金の申請について相談先を選ぶ際は、自社のニーズに適したサポートを受けられる専門家を見極めましょう。例えば、税理士や公認会計士は資金計画の専門家です。また、中小企業診断士やコンサルタントは事業計画の策定に強みを持っています。
専門性に加えて、過去の補助金採択実績や費用の妥当性、採択後のフォローを含むサポート範囲までチェックすると、満足できる相談先を選べる可能性があります。
サステナビリティ補助金の活用例
大栄不動産株式会社は、サステナビリティ経営促進事業補助金(SLL/PIF)を受給しています。
同社は、再生可能エネルギーの導入により、「2030年度までに、CO2排出量(原単位ベース)を30%削減 (2013年度比)する」という目標を掲げました。具体的な取り組みには、敷地内への太陽光発電設備の設置や、人感センサー照明制御のような省エネ機器の導入などが挙げられます。
まとめ
サステナビリティ補助金は、サステナブルな取り組みに活用できる補助金です。SDGsの推進や経済成長の原動力として、国内には数多くのサステナビリティ補助金制度が用意されています。自社に必要な補助金を選択し、環境や社会に配慮した取り組みを実践しましょう。
ゼロ炭素ポートでは、自社サービス以外にも他社のソリューションもあわせて、お客さまの脱炭素に対する取り組みを支援するサイトです。サステナビリティ補助金の申請をお考えの人は、ぜひゼロ炭素ポートをご活用ください。
執筆者プロフィール
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA