グラフで見る日本と世界の再生可能エネルギー!割合や今後の課題を解説

目次

地球温暖化の原因となる温室効果ガスを出さない、または増やさないために、再生可能エネルギーの普及は世界中で進められています。この記事では、日本と世界の再生可能エネルギーの割合や自給率をグラフで解説します。再生可能エネルギーの割合が高い世界各国の事情についても解説するため、参考にしてください。

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、石油や石炭などの限りある化石燃料とは異なり、太陽光や風力、水力といった自然界に由来するエネルギーのことです。再生可能エネルギーは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出しない、または排出量を増やさないという特徴を持っています。

再生可能エネルギーは、太陽光、風力、水力など地球上のどこにでもあるものを利用したエネルギーで、日本でも電力を作ることができます。

再生可能エネルギーの種類

日本では、2009年に施行された「エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」により、再生可能エネルギーの具体的な種類を、以下のように定めています。

・太陽光
・風力
・水力
・地熱
・太陽熱
・大気中の熱その他の自然界に存在する熱
・バイオマス(動植物に由来する有機物)

※参考:エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律施行令(平成二十一年政令第二百二十二号)|e-GOV 法令検索

グラフで見る世界の再生可能エネルギーの比率

資源エネルギー庁によると、主要国の2021年の発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率は、以下のグラフのとおりです。

主要国のうち、1位はカナダの67.2%で、日本は9か国中8位の20.3%という結果になりました。

※参考:再エネの導入|経済産業省

グラフで見る日本の再生可能エネルギーの割合

グラフのとおり、2021年度の日本の発電電力量の構成は以下のような割合です。

・天然ガス:34%
・石炭:31%
・再生可能エネルギー:12.7%
・石油その他:7.4%
・原子力:6.9%
・水力:7.5%

水力7.5%とその他の再生可能エネルギー12.7%を合わせると、再生可能エネルギーは約20%の割合です。

※参考:再生可能エネルギー FIT・FIP制度ガイド2023年度版|資源エネルギー庁

グラフで見る日本の再生可能エネルギーの設備容量

2010年から2012年にかけて、日本における再生可能エネルギー設備容量の年平均伸び率は9%でした。2012年から2017年までは、固定価格買取制度(以下「FIT制度」という。)の影響もあり、年平均伸び率が22%と大幅に伸びています。風力・中小水力・地熱・バイオマスの伸び率はさほど変わりませんが、太陽光の伸び率が増加しています。

※参考:日本のエネルギー問題をグラフで学ぼう(後編)|資源エネルギー庁

日本で再生可能エネルギーの導入が増加した理由

日本の水力を除く再生可能エネルギーの割合は、2010年度は4.3%でしたが、2017年度には7.6%にまで上昇しました。

上昇には、東日本大震災の東京電力福島第一原発の事故が大きく影響しています。CO2を排出しない原発の発電量が一時はゼロとなり、結果的に温室効果ガスを発生させる火力発電の稼働が増えてしまいました。そのため、再生可能エネルギーの普及を目指し、FIT制度が導入されました。

FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を一定期間、一定価格で電力会社が買い取ることを、国が約束する制度です。買取価格の見通しが立つようになったことで事業計画が立てやすくなり、多くの事業者が再生可能エネルギー発電事業に参入したことで、再生可能エネルギーの導入が増加しました。

※参考:日本のエネルギー問題をグラフで学ぼう(前編)|資源エネルギー庁

グラフで見る世界のエネルギー自給率

上記は、2021年の主要国の一次エネルギー自給比率です。日本は、ほかの経済協力開発機構(以下「OECD」という。)諸国に比べ、11か国中10位と自給率が低い水準となっています。自給率が低いのは、化石燃料に頼り過ぎていることが原因です。

化石燃料は、円安・戦争・紛争などの影響でコストが増えると、輸入量が低下するリスクもあります。化石燃料は有限のエネルギーでもあるため、輸入資源に頼らない発電を増やすことが日本の課題となっています。

※参考:日本のエネルギー|資源エネルギー庁

世界の再生可能エネルギーの状況

ここでは、以下のグラフのデータを参考に、世界の再生可能エネルギーの導入状況を解説します。

※参考:再エネの導入|経済産業省

ドイツ

ドイツの2021年度の主要国の発電電力量に占める再生可能エネルギー(水力を除く)の比率は36.3%で、イギリスの37.9%に続きました。

ドイツは石炭が30.4%なのに対し、水力を除く再生可能エネルギーの割合が36.3%あり、再生可能エネルギーの発電量が大きな割合を占めています。ドイツは風力発電を主要としており、太陽光発電にも積極的なので、再生可能エネルギーの割合が高くなっています。

イギリス

イギリスの再生可能エネルギー(水力を除く)の割合は37.9%で、主要国トップの結果でした。イギリスは日本と同じ島国ですが、島国の特性を活かした洋上風力に力を入れています。再生可能エネルギーの導入が急速に進んでおり、2012年からは再生可能エネルギーの発電量も大幅に増えています。

中国

中国は、水力が15.0%と大きく貢献しています。中国の再生可能エネルギー(水力を除く)の割合は12.7%と日本とさほど変わらない比率ですが、太陽光や風力などによる発電が増加中です。中国は2060年までにカーボンニュートラルを実現するという国家目標を掲げており、国を挙げて積極的な設備投資をしています。

フランス

フランスは、再生可能エネルギー(水力を除く)の割合が11.2%、水力が10.7%でした。フランスは、ヨーロッパのなかでは再生可能エネルギーの発電割合が低いものの、CO2を排出しない原子力発電が68.9%と全体の割合を大きく占めています。

火力発電の割合は再生可能エネルギーによる発電よりも低いため、すでにCO2の削減が進んでいるといえるでしょう。

アメリカ

アメリカでは風力発電が主流となっており、太陽光発電の導入も積極的に行っています。太陽光発電設備・蓄電設備の新規導入にも力を入れていて、2035年までに電力を100%カーボンフリーにする目標を掲げています。

日本における今後のエネルギー問題の課題

世界のエネルギー事情を理解したところで、日本の再生可能エネルギーにおける今後の課題について解説します。

エネルギー自給率の向上

先述したとおり、日本はほかのOECD諸国に比べ、エネルギー自給率が低い水準です。日本のエネルギーは、資源を輸入する化石燃料が大きな割合を占めており、他国の資源に頼り過ぎているという事情があります。電力供給の安定のためにも、今後は自給率を上げることが課題となっています。

再生可能エネルギーのさらなる普及

日本のエネルギー自給率を上げるためには、ほかの国よりも低い水準にある再生可能エネルギーの割合を上げていく必要があります。日本では2030年度までに、温室効果ガス46%削減(2013年比)することを目標に掲げています。エネルギー自給率の向上、温室効果ガス削減のためにも、再生可能エネルギーのさらなる普及が欠かせません。

※参考:エネルギー基本計画の概要|経済産業省

再生可能エネルギーの発電効率

発電効率とは、発電に使うエネルギーをどのくらい電気に変えられるかを数値化したものです。発電に使うエネルギーが100の場合、発電効率が50%だと、50の電気を作ることができます。再生可能エネルギーは環境に負担をかけないというメリットがありますが、以下のように発電効率が悪い発電方法もあるのがデメリットです。

・水力発電:約80%
・火力発電:約40~50%
・風力発電:約20~40%
・原子力発電:約30%
・太陽光発電:約20%
・地熱発電:約20%
・バイオマス発電:約20%

日本における各再生可能エネルギー発電の課題

以下では、日本における各再生可能エネルギー発電の課題について、解説します。

太陽光発電

日本の太陽光発電は、ほかの方法に比べて普及率が高いものの、発電効率が低い傾向にあります。さらに、導入・管理コスト、技術面などの課題が挙げられます。太陽光発電は、土地の取得、基礎や架台の設置、送電網などさまざまなコストと管理費用がかかるのがデメリットです。

発電量は天候に大きく左右されるため、安定供給のためには蓄電池の技術向上なども必要になります。

水力発電

水力発電は発電効率が良く、太陽光に続いて電源構成も高い発電方法です。しかし、ダムなどの巨大な発電装置を活用する大型水力発電は、すでに開発の余地がないという課題があります。今後は未開発の部分が多い上下水道や農業用水、一般河川を活用する小水力発電に力を入れていくことが課題です。小水力発電は、比較的短時間で設備を設置できます。

その他の発電

ヨーロッパなどに比べ、日本の風力発電は普及途上にある状況です。今後普及率の上昇を目指す必要があります。バイオマス発電は、発電コストの高さや発電効率が悪いなどの課題があるため、技術面や制度の推進が求められます。

地熱発電は、天候に左右されないことが大きなメリットです。しかし、地熱資源の開拓や発電設備の設置に時間やコストがかかるため、技術開発に大きな期待が寄せられています。

まとめ

世界と日本の再生可能エネルギーの割合や自給率をグラフで解説しました。日本は世界に比べてエネルギー自給率や再生可能エネルギーの割合が低く、多くの課題を抱えています。今後も再生可能エネルギー普及のために、技術面や制度の推進が必要です。

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執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA