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オフィスでのCO2削減の取り組み事例は?取り組むメリットについても解説
目次
地球温暖化対策として、企業活動におけるCO2削減の重要性が高まっています。中でもオフィスでの取り組みは手軽に始められるものが多く、コスト削減や環境対策の第一歩として注目されています。
この記事では、オフィスでできる具体的な取り組みや事例などについて解説します。オフィスでのCO2の削減を検討している人は、参考にしてください。
CO2の削減が世界中で求められている
地球温暖化が深刻化するなか、CO2を含む温室効果ガスの削減が世界共通の課題となっています。その代表的な事柄が、2015年に採択されたパリ協定です。パリ協定では、先進国と途上国を区別することなく、合計195か国が温室効果ガス排出量削減のための目標を掲げました。
CO2削減目標とは
CO2削減目標とは、地球温暖化を防ぐために各国が具体的に設定した数値のことです。各国の目標は、2015年に採択されたパリ協定に基づいて定められています。全体の目標は、産業革命以前と比較して平均気温の上昇を2℃未満に抑えつつ、1.5℃以下を目指す努力を続けることです。
国内でもCO2削減への取り組みが進んでいる
日本でも、地球温暖化防止に向けたCO2削減の取り組みが進んでいます。日本政府は、2050年までにCO2排出実質ゼロを達成することを目標に掲げました。達成に向けて、2030年までに2013年度比で46%削減を達成し、さらに可能な限り50%の削減を目指す方針を打ち出しています。
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略
CO2削減に向けた取り組みの柱となるのが、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」です。この戦略は、経済と環境の好循環を目指した政策であり、CO2削減に取り組みたい企業の挑戦を後押ししています。
同戦略は、エネルギー関連産業や輸送・製造関連産業など14の分野を対象としています。対象分野は、以下のとおりです。
【エネルギー関連産業】
・洋上風力、太陽光、地熱
・水素・燃料アンモニア
・次世代熱エネルギー
・原子力
【輸送・製造関連産業】
・自動車、蓄電池
・半導体、情報通信
・船舶
・物流、人流、土木インフラ
・食料・農林水産業
・航空機
・カーボンリサイクル・マテリアル
【家庭・オフィス関連産業】
・住宅、建築物、次世代電力マネジメント
・資源循環関連
・ライフスタイル関連
CO2削減にかかわる用語
ここでは、CO2削減にかかわる用語について解説します。
脱炭素
脱炭素とは、CO2の排出を実質ゼロにする取り組みのことです。CO2排出量が実質的にゼロになった社会を、「脱炭素社会」と呼びます。環境省は、2050年までに国内の温室効果ガス排出量を12億トンからゼロにすることを目標に、再生可能エネルギーの導入促進や車の脱炭素化など、さまざまな取り組みを進めています。
カーボンニュートラル
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を同じにすることで、実質的にゼロにすることを意味します。2020年、当時の総理大臣であった菅義偉が所信表明演説で「2050年までにカーボンニュートラルを目指す」と明言したことで、日本国内でもこの取り組みが注目されました。
SDGs
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2030年までに達成すべき世界共通の目標として、2015年に国連で採択されました。全部で17の目標があり、目標13「気候変動に具体的な対策を」でCO2削減の必要性について触れられています。
オフィスでCO2削減に取り組むメリット
ここでは、オフィスでCO2削減に取り組むメリットについて解説します。
コストを抑えられる
オフィスでCO2削減に取り組むと、コスト削減のメリットが得られるでしょう。具体例としては、再生可能エネルギーの活用によって電気代を抑えるといった取り組みが考えられます。
また、CO2削減の取り組みは、炭素税が導入される可能性への対応にもつながります。炭素税とは、CO2排出量に応じて課税される仕組みです。すでにフィンランドやオランダなどの国で導入されており、日本でも炭素税の制度導入が議論されています。近い将来、適用される可能性があるといえるでしょう。
CO2排出量を削減することで炭素税の負担を抑えられるため、結果的に経営コストの削減につながります。
リスクを回避できる
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地球温暖化の進行は、企業活動にもリスクをもたらします。温暖化の深刻化により、異常気象や自然災害が増加したり生態系の崩壊が進んだりすれば、原材料の調達が難しくなる恐れがあります。場合によっては、事業継続が難しくなることも考えられるでしょう。CO2削減を含む環境対策を積極的に行うことは、上記のような中長期的な事業リスクの回避につながります。
オフィスで行えるCO2削減の取り組み方法:エネルギー効率を高める
ここでは、オフィスで行えるCO2削減の取り組み方法として、エネルギー効率向上に関する事柄を解説します。
LED
LEDの導入は、多くのオフィスで採用されているCO2削減に向けた取り組みの1つです。LEDは、従来の蛍光灯に比べて消費電力が少なく、エネルギーを大幅に節約できます。また、寿命が長く交換頻度を減らせるため、廃棄物の削減にもつながります。初期コストはやや高いものの、長期的に見ればコスト削減の効果が期待できるでしょう。
空調
空調周りの見直しも、オフィスで行えるCO2削減対策です。下記のような取り組みにより、室内温度の変化を抑え、空調の稼働を減らせます。
・遮熱フィルムを窓に貼る
・ブラインドを設置する
・定期的にエアコンを清掃する など
従業員の意識を高める
従業員の環境保全に対する意識を高めることも、CO2削減につながります。使用していない電気をこまめに消す、エアコンの設定温度を適切に調整するといった日常的な行動が、少しずつであってもエネルギーの無駄を減らします。
従業員の意識を向上させるためには、トレーニングやセミナーを実施する、環境に配慮した取り組みを行った従業員を表彰する制度を設けるなどの工夫も効果的です。
オフィスで行えるCO2削減の取り組み方法:再生可能エネルギーを利用する
ここでは、オフィスで行えるCO2削減の取り組み方法として、再生可能エネルギーの利用に関する事柄を解説します。
太陽光発電システム
オフィスが自社で建物を所有している場合、太陽光発電システムの導入はCO2削減に大きな効果が期待できます。自家発電が可能になるため、電力会社から購入する電力の量を削減可能です。また、太陽光発電システムの設置により、建物の省エネ性能が向上すると、資産価値の向上にもつながります。
参考:PPAモデルの太陽光発電で企業の脱炭素への1歩を後押し|株式会社ヒナタオエナジーインタビュー | ゼロ炭素ポート
蓄電池
太陽光発電システムの導入とあわせて、蓄電池も設置するとよいでしょう。蓄電池は、電力を溜めて必要なタイミングで利用できる装置です。太陽光発電システムと組み合わせることで、昼間に発電した電力を夜間に利用でき、クリーンなエネルギーをより活用できるようになります。
また、蓄電池に溜めた電気があれば、停電を伴う災害時でも電気を安心して利用できます。
オフィスで行えるCO2削減の取り組み方法:エネルギーの管理体制を見直す
ここでは、オフィスで行えるCO2削減の取り組み方法として、エネルギー管理体制の見直しに関する事柄を解説します。
スマートビルディング技術
スマートビルディング技術とは、建物内で使用するエネルギーをリアルタイムで監視・制御する技術のことです。この技術を導入することで、エネルギーの使用状況を細かく把握し、無駄な消費を防げます。例えば、センサーを設置すれば、人がいるときにだけ照明や空調を稼働させてエネルギー供給量を調整するなど、効率的な運用が実現します。
保守管理・運転管理
設備の保守管理も、エネルギー効率を向上させるために重要な取り組みです。空調設備や照明システムなどの老朽化は、エネルギー消費を増加させる原因になります。定期的に設備の状態を点検し、基準に基づいて補修や更新を行うことが必要です。
オフィスで行えるCO2削減の取り組み方法:カーボンオフセット
カーボンオフセットとは、オフィスや企業活動によって発生したCO2排出量を補うために、他の場所での温室効果ガス削減活動に投資することを指します。この方法により、直接的な排出削減が難しい場合でも、排出量に対する埋め合わせを実現可能です。
カーボンオフセットを行う際には、企業活動によるCO2排出量を計測し、その量に見合う削減活動に資金を投じます。
オフィスでのCO2削減の取り組み事例
ここでは、オフィスでのCO2削減の取り組み事例を紹介します。
Adobe
Adobe(アドビ)は、オール電化ビルの建設をはじめ、CO2削減のためにさまざまな取り組みを行っている企業です。同社がシリコンバレーに建築中の「ノースタワー」では、すべての消費エネルギーが環境に優しい電気でまかなわれる予定です。加えて、2035年までに、自社の消費エネルギーを再生可能エネルギーのみでまかなう計画を立てています。
ジョンソン・エンド・ジョンソン
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、LED照明の使用や残業で使う部屋を決めるなどの取り組みにより、消費電力の削減を図っています。同社は、20年以上環境問題に取り組んでいます。日本国内のいくつかの拠点では、使用電力を100%再生可能エネルギーとしました。
イオン
イオンは、店舗で排出するCO2を2050年までにゼロにすることを目指しています。同社は、「イオン 脱炭素ビジョン」に基づき、省エネ・創エネに取り組んできました。自社での取り組みを進めるだけではなく、ZEHとEVをパッケージ化して提供し、顧客が脱炭素化を図るサポートも行っています。
まとめ
執筆者プロフィール
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA