CO2削減目標とは?日本や各国が定めている目標について解説 

目次

CO2削減に向けた取り組みが、世界中で進んでいます。そのような背景を受け、CO2削減目標について詳しく知りたい人もいるのではないでしょうか。 

この記事では、CO2削減目標の概要や取り組み事例を解説します。企業活動によるCO2の削減を検討している人は、参考にしてください。 

CO2削減目標とは

CO2削減目標とは、地球温暖化を防ぐために世界各国による具体的な数値目標です。この目標は、気候変動による影響を最小限に抑えることを目的としています。目標値は、2015年に採択されたパリ協定に基づいて決まりました。 

世界各国のCO2削減目標 

ここでは、世界各国のCO2削減目標について解説します。 

アメリカ 

アメリカは、2050年に2005年比でCO2の80%削減が目標です。目標達成に向けて、再生可能エネルギーの導入を加速し、火力発電からの転換を図っています。 

イギリス 

イギリスは、2050年に1990年比でCO2の80%削減が目標です。2040年までにガソリン車やディーゼル車の新車販売を終了し、ゼロエミッション車への移行を目指すなど、交通部門の脱炭素化に取り組んでいます。 

ドイツ

ドイツは、2050年に1990年比でCO2の80%~95%削減が目標です。目標の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入を進めるとともに、化石燃料を用いた発電の段階的廃止も行っています。 

カナダ 

カナダは、2050年に2005年比でCO2の80%削減が目標です。交通部門では電気自動車の普及を促進し、クリーンなエネルギーへの移行を進めています。 

フランス 

フランスは、2050年に1990年比でCO2の70%削減が目標です。建物を省エネ基準に適合するようリノベーションする具体的な取り組みを行っています。 

日本のCO2削減目標 

日本は、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指しています。2030年の中間目標としては、2013年度比で46%の削減を達成する計画です。そのうえで、この数値を50%削減まで引き上げることを目指しています。 

現状の内訳 

日本においてCO2は、排出している温室効果ガスの約9割を占めているのが現状です。CO2排出量の内訳は、電力部門によるものが約4割、非電力部門によるものが約6割です。 

CO2削減を実現するための取り組み 

EP100 

EP100(100% Energy Productivity)は、事業活動におけるエネルギー効率の向上を目指す企業が参加する取り組みです。省エネを推進し、CO2を含む温室効果ガスの排出を抑えることを目的としています。 

RE100 

RE100(100% Renewable Electricity)は、企業が事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す取り組みです。環境省が2018年6月からアンバサダーを務め、日本国内でも再生可能エネルギーの利用拡大が進められています。 

EV100 

EV100(100% Electric Vehicles)は、国際非営利組織The Climate Groupが主導する取り組みで、2030年までに企業が利用する車を電気自動車(EV)に移行することを目標としています。企業には、EV化の推進や具体的な目標の期限設定が求められ、輸送部門でも脱炭素化が進められています。 

TCFD 

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)は、企業が気候変動に関するリスクと対応策を財務情報として開示することを推奨する国際的な組織です。TCFDは、投資家や金融機関が企業の気候変動対策を評価する基準となっています。 

SBT 

SBT(Science Based Targets)は、科学的根拠に基づいて温室効果ガス削減目標を設定する枠組みです。この取り組みは、2015年のパリ協定で定められた「地球の気温上昇を2℃以内に抑える」という目標の達成を目指しています。企業に対して、5年から15年のスパンで削減計画を立て、CO2を含む温室効果ガス排出量削減を求めています。 

CDP 

CDP(旧名称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は、環境問題に関する3つの質問に対する企業の回答情報を公開しています。以下、3つの項目について、戦略や実績、取り組みの手順などに関する質問が設けられています。 

・気候変動 
・水 
・フォレスト 

企業がCO2削減に取り組むべき理由 

ここでは、企業がCO2削減に取り組むべき理由について解説します。 

政府が取り組みを進めているため 

企業がCO2削減に取り組むべき理由は、政府の動きが追い風となっているためです。政府は、2050年までにカーボンニュートラルを達成し、脱炭素社会の実現を目指しています。この目標に向けて、補助金や法整備など再生可能エネルギーの導入促進に向けて動いており、企業が具体的なアクションを起こしやすい環境が整っています。 

リスク回避のため 

企業がCO2削減に取り組むべき理由は、リスク回避をするためです。 

気候変動による異常気象は、企業活動に大きなリスクをもたらします。たとえば、台風や洪水による水害、干ばつによる農産物の収穫量減少、山火事による拠点の被害などが挙げられます。これらの要因により、原材料の調達が難しくなったり、コストが増加したりする恐れが出てくるでしょう。 

環境対策に取り組むことで、このような事業リスクを軽減できます。 

企業がCO2削減に取り組むメリット 

ここでは、企業がCO2削減に取り組むメリットについて解説します。 

イメージがアップする 

企業がCO2削減に取り組むメリットは、イメージアップです。CO2削減に取り組み、高い環境意識を持っている姿勢を示すことで市場や投資家、消費者からの評価が上がります。また、従業員が誇りを持って働ける場が整うため、モチベーション向上にもつながるでしょう。また、環境意識の高い優秀な人材の採用にも有利に働きます。 

コストを抑えられる 

コストダウンも、CO2削減に取り組むメリットです。日本はエネルギーの多くを輸入に依存しており、電力料金が国際的な情勢や化石燃料価格の変動に左右されます。しかし、再生可能エネルギーや省エネ技術を活用すれば、長期的には光熱費や燃料費の削減が期待でき、高騰リスクを軽減可能です。 

CO2削減に取り組む方法 

ここでは、CO2削減に取り組む方法について解説します。 

省エネを実現できる設備にする 

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オフィスや工場の環境を整えることで、エネルギー削減効果が期待できます。たとえば、蛍光灯をLEDに変更することで、消費電力を抑えることが可能です。また、業務のペーパーレス化を進めることで、紙資源の削減につながります。 

再生可能エネルギーを活用する 

CO2削減に取り組む方法としては、再生可能エネルギーの活用が挙げられます。太陽光や風力などを利用して発電する再生可能エネルギーは、CO2を排出しないクリーンなエネルギーとして注目されています。たとえば、自社施設に太陽光発電システムを設置し、発電することで、電力コストを削減可能です。 

カーボンオフセット

カーボンオフセットとは、自社の活動で排出したCO2を他の手段で相殺する取り組みです。直接CO2を削減するのではなく、対応できない部分についてカーボンオフセットを活用します。たとえば、森林保護や植林活動によって、CO2排出量を埋め合わせられます。 

CO2削減に取り組んでいる企業の例 

ここでは、CO2削減に取り組んでいる企業の例を紹介します。 

日清食品ホールディングス株式会社 

日清食品ホールディングスは、CO2削減のためにインターナル・カーボンプライシング制度(以下「ICP制度」という。)を導入しています。ICP制度とは、CO2の価格を独自に決め、可視化することで、設備導入可否の判断基準にする取り組みです。また、カーボンニュートラルへ取り組むことを2022年11月に表明しています。 

ヤマダイ株式会社 

ヤマダイは、CO2排出量が少ない液化天然ガスを活用しています。重油よりもCO2を排出しないため、環境に対して直接的な貢献ができるようになりました。また、「すす」が出なくなったため作業環境も改善しています。 

オムロン株式会社 

オムロンは、脱炭素化とエネルギーの最適化を目指し、CO2排出量を減らす取り組みを行っています。代表的な取り組みは、現場データ活用サービス「i-BELT」の提供です。導入した企業は、エネルギー効率のアップに成功しています。 

まとめ 

CO2削減は、政府においても企業においても重要な取り組みです。定めた目標をクリアするためには、日本全体で環境に対する意識を高めていく必要があるでしょう。まずは、できるところから少しずつ取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。 

もしCO2削減に向けた取り組みを自社でも行いたいなら、ぜひ「ゼロ炭素ポート」をご活用ください。ゼロ炭素ポートでは、CO2排出量を計算できるツールを提供しています。自社のCO2排出量を把握したうえで、施策を考えられる点がメリットです。詳細が気になる人は、ぜひお問い合わせください。 

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA