- コラム
- カーボンニュートラル、やらないとどうなる?リスクや取り組むメリットなど解説
カーボンニュートラル、やらないとどうなる?リスクや取り組むメリットなど解説
目次
カーボンニュートラルは、環境問題への対応などを目的にさまざまな企業が取り組んでいる課題です。一方で、企業がカーボンニュートラルに取り組まない場合、いくつかの深刻な影響が考えられます。
この記事では、カーボンニュートラルをやらないとどうなるのかについて解説します。企業がカーボンニュートラルに取り組む方法にも触れるので、今後の参考にしてください。
カーボンニュートラルへの取り組みをやらないとどうなる?
企業がカーボンニュートラルに取り組まない場合、経営に関わる重大な影響を引き起こすことがあります。その代表的なものが、二酸化炭素排出規制における罰則です。
カーボンニュートラルに対応しなければ、温室効果ガス排出削減を求める法律や規制に対応できません。一方、政府や地方自治体はカーボンニュートラル目標を掲げ、企業に対して排出量削減を求めており、規制強化は進む傾向にあります。これらの規制に対応できない場合、罰金やペナルティへの対応にかかる費用が増加する可能性があるでしょう。
その他のリスクについては、後述します。
カーボンニュートラルは意味がない?本当に必要?
カーボンニュートラルには意味がないのではないか、という議論は、温暖化を問題視しない立場にいる人たちの間や、一部の業界には存在しています。しかし、科学的な見地からは、地球温暖化によって異常気象の頻発や海面上昇、農作物の生産量低下など地球全体に影響が引き起こされており、カーボンニュートラルの必要性は極めて高いと考えられるのです。
こうした状況を受け、国際社会でも企業の社会的責任として、カーボンニュートラルを取り入れた経営が求められています。この流れに参加しない企業は、世界的な評価を失う危険性もあるでしょう。
企業がカーボンニュートラルへの取り組みをやらないデメリット
カーボンニュートラルの取り組みをやらないと、企業にとっては深刻なデメリットがあります。ここでは、どのようなデメリットがあるかを解説します。
環境規制への適応が遅れる
短期的なカーボンニュートラル目標に取り組まない企業は、将来の環境規制に適応できないリスクがあります。
環境への配慮を強化する動きは世界的なものです。政府としてもこれに対応するため規制を強化しています。企業が継続的に二酸化炭素の排出削減に取り組んでいない場合、将来的には対応の遅れが原因で新たな規制や炭素税の影響を大きく受け、損失をこうむる可能性があるでしょう。
企業のブランド価値が低下する恐れがある
カーボンニュートラルに取り組まないことは、消費者や投資家からの信頼を失うことにつながります。持続可能な企業活動や環境問題への意識が高まる中、近年では、環境への取り組みが企業のブランド価値に直結するようになってきています。
企業がカーボンニュートラルに無関心な場合、エコ意識の高い消費者から選ばれなくなり、ブランドイメージが低下するリスクがあるでしょう。
投資家からの資金調達が困難になる
ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が急速に広がる中、企業がカーボンニュートラルに取り組んでいないと、投資家からの資金調達が難しくなる可能性があります。
前項で解説したとおり、カーボンニュートラルの取り組みを進めていない企業はブランド価値が低下するリスクを抱えている状態です。したがってESG基準を重視する投資家は、企業が環境への負荷を減らすための具体的な取り組みを行っていない場合、その企業への投資を控える傾向があります。
企業がカーボンニュートラルへの取り組みをやるメリット
企業がカーボンニュートラルに取り組むと、大きなメリットを得られます。ここでは、カーボンニュートラルに取り組むことによって、企業が得られるメリットを解説します。
1. 企業イメージと信頼性の向上
カーボンニュートラルを目指す取り組みは、企業としての環境問題への真摯な姿勢を社会に示すことにつながるため、企業イメージや信頼性の向上に役立ちます。
消費者の多くは、環境保護に積極的な企業を支持する傾向にありますが、企業もまた同様です。環境への配慮を重視した企業ほど、取引先として選ばれやすく、特に若い世代の購買層ではその傾向が顕著にみられます。また、環境に配慮した経営を行うことで、グローバル市場での競争力も高まるのがメリットです。
2. コスト削減
カーボンニュートラルへの取り組みは、長期的なコスト削減にも寄与することがわかっています。例えば、従来型の古い設備から省エネルギー型設備や再生可能エネルギーへの切り替えを進めることで、電力や燃料コストの削減が可能です。設備を長期運用するほど、かかるコストが抑えられるでしょう。
また、効率的な生産プロセスを導入すればエネルギー消費量を抑えられるため、経済的なメリットを得られます。
3. 投資機会の拡大
カーボンニュートラルに積極的に取り組む姿勢を見せている企業は、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の対象として注目される傾向にあります。環境配慮事業への投資は、投資家にとっても社会貢献のできる機会となりうるためです。
また長期的な利益が見こめるという理由もあって、投資家や金融機関は持続可能な事業に資金を提供する傾向が強まっています。環境配慮型の経営を行うことで資金調達が容易になるといえるでしょう。
4. リスク管理の強化
カーボンニュートラルに取り組むことは、気候変動に伴うリスクを軽減することにもつながります。
先述のとおり、温室効果ガスに対する規制は年々強化される傾向にあり、対応が間に合わなければ罰則の対象になることも考えられるでしょう。罰則への対応に大量の資金を投入しなければならない可能性もあります。罰則の適用や高額な税負担を回避するには、早期にカーボンニュートラルへの対応を始めることが大切です。
5. 新たなビジネスチャンスの創出
環境問題への取り組みは、新しい市場や顧客層の開拓にもつながっています。例えば、環境配慮型の商品やサービスの開発を行えば、環境保全に関心をもつ企業や個人を新たな顧客層として取りこめる可能性があるでしょう。
また多くの企業が環境問題への対応を課題として抱えているため、エネルギーの供給販売、コンサルティングなどの需要も高まっています。したがってグリーン技術の提供、再生可能エネルギー関連ビジネスを展開するといったことも可能です。
企業がカーボンニュートラルに取り組む方法
企業がカーボンニュートラルに取り組むには、いくつかの方法があります。具体的な方法を解説するので、できるところから実行してみるとよいでしょう。
1. 再生可能エネルギーの導入
企業がカーボンニュートラルを目指す際は、まずエネルギー源を再生可能エネルギーに切り替えることが基本です。再生可能エネルギーには、太陽光、風力、水力などがあります。自社に可能な形でこれらのエネルギーを使用することで、化石燃料によるCO2排出を大幅に削減できるでしょう。
再生可能エネルギーを利用するには、自社で太陽光パネルを取り付けたり、再生可能エネルギーの業者と契約をして電力供給を依頼したりする方法があります。
2. エネルギー効率の向上と省エネルギー
使用するエネルギー量が減れば、その分だけCO2排出量を減らせます。エネルギー効率を高め、省エネに取り組むことが重要です。
エネルギー効率を高めるための取り組みとして、設備の更新や省エネルギー技術の導入が挙げられます。例えば、LED照明の導入や、エアコン・ヒーターの効率的な利用、窓や塗装を工夫して断熱性能を高めるといったことが効果的です。機械類は省エネ運転を行い、使わないものの電源をこまめに切りましょう。
3. カーボンオフセットの活用
使用するエネルギー量が減れば、その分だけCO2排出量を減らせます。エネルギー効率を高め、省エネに取り組むことが重要です。
エネルギー効率を高めるための取り組みとして、設備の更新や省エネルギー技術の導入が挙げられます。例えば、LED照明の導入や、エアコン・ヒーターの効率的な利用、窓や塗装を工夫して断熱性能を高めるといったことが効果的です。機械類は省エネ運転を行い、使わないものの電源をこまめに切りましょう。
カーボンニュートラルにおける日本の目標
日本は、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目標に掲げています。これはつまり、温室効果ガスの排出を2050年までに実質的にゼロにするという目標で、産業界や政府が一丸となって取り組んでいるものです。
日本政府は、温室効果ガスの排出削減を進めるために再生可能エネルギーの導入拡大、脱炭素技術の研究開発、電気自動車の普及促進などの施策を推進しています。また各市町村でもゼロカーボンシティ宣言を行い、取り組みを進めているのが現状です。
日本のCO2排出量
日本では、前述のように温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みを強化しているものの、依然としてCO2排出量は高いレベルにあります。日本のCO2排出量は、2020年に新型コロナウイルスの影響で一時的に減少しましたが、その後は過去の水準に戻りつつあり、いっそうの努力が必要です。
特に、エネルギー消費が多い産業部門や運輸部門がCO2の大きな排出源とされています。しかし目標達成のためには、業界や業種を問わず全ての企業、個人がCO2削減の取り組みを行う必要があるでしょう。
カーボンニュートラルに取り組む企業の事例
企業がカーボンニュートラルに取り組む際は、他の企業の取り組みが参考になります。ここでは、カーボンニュートラルに取り組んでいる企業と、その取り組み内容を紹介します。自社の取り組み方を考える参考にしてください。
1. セブン&アイ・ホールディングス
セブン&アイ・ホールディングスでは『GREEN CHALLENGE 2050』と名付けた目標を掲げています。店舗運営に伴うCO2排出量に関しては、2030年までに2013年度比で50%以上削減、2050年には実質ゼロにすることが目標です。このほか、プラスチック対策、食品ロス対策などを合わせ、環境負荷の低減と持続可能な社会の実現へと動いています。
2. 東芝
東芝では「環境未来ビジョン2050」を掲げています。これはグループ全体の温室効果ガス排出量を2030年度までに70%削減(2019年度比)、2050年度までに実質ゼロにすることを目指すものです。また東芝では、循環経済型ビジネスの推進や、生態系に配慮する形での自然保護活動にも力を入れています。
3. 三井不動産
三井不動産では、グループ全体の温室効果ガス排出量を2030年度までに40%削減(2019年度比)、2050年度までにネットゼロにすることを目標として掲げています。
三井不動産は、建設会社、テナントといった取引先のCO2排出量に配慮しなければならない立場にあり、サプライチェーン全体を通して、不動産業界における環境負荷低減と持続可能な都市開発を推進しています。
まとめ
カーボンニュートラルへの取り組みを怠れば、気候変動による自然災害の増加や生態系の崩壊、経済的損失の拡大といったリスクに直面します。また、環境配慮が求められる時代において、取り組みを行わない企業は信頼を失い、競争力を低下させる可能性があります。
一方で、カーボンニュートラルを推進することで、企業イメージの向上やコスト削減、新たな市場の開拓など、持続可能な成長への道が開かれるでしょう。
ゼロ炭素ポートでは、自社のみならず他社ソリューションとも協力してお客さまのニーズにお応えするサイトです。脱炭素に向けたソリューションや脱炭素に役立つ情報などを提供しているため、カーボンニュートラルの実現をお考えならお気軽にお問い合わせください。
執筆者プロフィール
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA