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再生可能エネルギー発電促進賦課金とは?目的や仕組み、減免制度を解説!
目次
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、再生可能エネルギーの普及のために利用されるものです。再生可能エネルギー発電促進賦課金は電力を使用する際に課されますが、仕組みについて詳しく知りたいという人も多いでしょう。本記事では、再生可能エネルギー発電促進賦課金とは何なのか、減免措置について解説します。ぜひ参考にしてください。
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ促進賦課金)とは何なのでしょうか。ここでは、再生可能エネルギー発電促進賦課金について詳しく解説します。
そもそも再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは、温室効果ガスを排出せず永続的な利用が可能なエネルギーのことです。太陽光や風力、地熱、中小水力、バイオマスといった、自然界に存在するエネルギーによって発電できます。国内で生産できる低炭素の国産エネルギー源であるため、エネルギー自給率の改善も期待できます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の概要
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、再生可能エネルギーを普及させるために集められている賦課金のことです。再エネ賦課金と略して呼ばれることもあります。再生可能エネルギー発電促進賦課金は電気の使用者から集められるもので、固定価格買取制度(FIT制度)によって買い取られる、再生可能エネルギー電気の買い取りに要した費用が賄われています
再生可能エネルギーにより発電された電気は、日常的に利用している電気の一部として供給されているため、毎月の電気料金に上乗せされて集められる仕組みです。
固定価格買取制度(FIT制度)の詳細については、後述します。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の意味
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(以下「FIT制度」という。)は、再生可能エネルギーの買取価格を法律によって定めるという制度です。一般的にはFIT制度と呼ばれており、FITとは「Feed–in Tariff」を略した言葉です。FIT制度では、再生可能エネルギーで発電した電気を一定期間、国が定める価格によって電力会社に売電できます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の最新状況
2023年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は、2022年度よりも下がっています。2022年度は1kWhあたり3.45円だったのに対して、2023年度は1kWhあたり1.40円と2.05円も下がっています。FIT制度は2013年度から開始していますが、開始してから初めての低下となりました。
低下の理由としては、再生可能エネルギー電気の販売収入の増加や、ウクライナ危機による急激な市場価格の高騰などが挙げられます。また、2023年度は低下した再生可能エネルギー発電促進賦課金ですが、2024年度は1kWhあたり3.49円と再度上昇しています。
※参考:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2022年度以降の買取価格・賦課金単価等を決定します|経済産業省
※参考:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2023年度以降の買取価格等と2023年度の賦課金単価を設定します|経済産業省
※参考:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2024年度以降の買取価格等と2024年度の賦課金単価を設定します|経済産業省
再生可能エネルギー発電促進賦課金の仕組み
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、どのような仕組みになっているのでしょうか。ここでは、再生可能エネルギー発電促進賦課金の目的や決定方法などを解説します。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の目的
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの普及促進を主な目的としています。再生可能エネルギーによって国内エネルギーの自給率向上につながるため、輸入に対する依存度を下げることが可能です。また、発電による温室効果ガスの排出を抑制できることから、地球温暖化の防止にもつながります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の決定方法
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、年間でどのくらい再生可能エネルギーが導入されるのかを推測して、単価が決められます。電気の買取価格が考慮されていますが、推測値と実際の値には差が生まれます。推測値と実際との差は、翌々年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金によって調整されます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の推移
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、2012年より開始された制度です。2012年から2024年度までの単価推移は、以下のとおりです。
・2012年度:0.22円/kWh
・2013年度:0.40円/kWh
・2014年度:0.75円/kWh
・2015年度:1.58円/kWh
・2016年度:2.25円/kWh
・2017年度:2.64円/kWh
・2018年度:2.90円/kWh
・2019年度:2.95円/kWh
・2020年度:2.98円/kWh
・2021年度:3.36円/kWh
・2022年度:3.45円/kWh
・2023年度:1.40円/kWh
・2024年度:3.49円/kWh
このように、2023年度を除けば年々増加しており、家計への負担が大きくなっています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の特徴
再生可能エネルギー発電促進賦課金にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、計算方法や負担を減らす工夫などを解説します。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の計算方法
再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は、全国一律になるように調整されています。そのため、地域によって変動することはありません。再生可能エネルギー発電促進賦課金の計算方法は、以下のとおりです。
・使用した電気の量(kWh)×賦課金単価(円)=再生可能エネルギー発電促進賦課金
前述のとおり単価は年度によって異なるため、毎年同じ量の電力を使用していても単価によって負担額は変動します。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の負担を減らす工夫
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの導入を促進するために活用されるものです。再生可能エネルギーの普及が進むことで、燃料価格の変動による電気代高騰の影響を受けにくくなる可能性があります。節電や新電力の利用、再生可能エネルギー導入などを検討し、負担軽減を図るとよいでしょう。
再生可能エネルギーの普及が進められる理由
日本では、火力発電が主流となっているのが現状です。火力発電には石炭や石油、天然ガスといった燃料が使われており、これらは輸入に頼っています。また、化石燃料は限りある資源であるため、安定供給が難しくなる可能性もあるでしょう。
一方、再生可能エネルギーは国産のエネルギーで、永続的に使用できます。再生可能エネルギーを普及させることで、エネルギーの自給率を高めることが大きな目的です。
再生可能エネルギーの種類
再生可能エネルギーは、主に5つの種類があります。ここでは、各エネルギーについて詳しく解説します。
太陽光発電
太陽光発電とは、太陽光の光エネルギーを太陽光パネルで集めて電力に変換する発電方式です。太陽光発電はさまざまなシーンで導入されている再生可能エネルギーで、小規模な家庭用発電から、工場や広大な土地などを利用した大規模発電まで多くのパターンがあります。また、地域を問わずに利用できるメリットもあります。
※参考:太陽光発電|経済産業省
※参考: PPAモデルの太陽光発電で企業の脱炭素への1歩を後押し|株式会社ヒナタオエナジーインタビュー | ゼロ炭素ポート
水力発電
水力発電とは、水を高い位置から低い位置へと落とす際に発生するエネルギーを利用する発電方式です。例えば、河川に水車を設置して水車を回すことで発電する方法などが挙げられます。水力発電は、長期的かつ安定的に発電できることが大きなメリットです。農業用水路などでも発電できる中小規模水車にも期待が寄せられています。
※参考:水力発電|経済産業省
風力発電
風力発電とは、風車を風の力で回して電力を作るタイプです。陸上だけでなく、洋上に設置できるものもあります。風力発電は、大規模な設備を設置できればコストを大幅に抑えながら発電できます。また、風さえ吹けば発電できることも特徴で、昼夜を問わずに電力を作ることが可能です。
※参考:風力発電|経済産業省
地熱発電
地熱発電とは、地熱を蒸気や熱水として取り出してタービンを回す発電方式です。地熱発電では、火山付近のマグマだまりを利用します。日本は火山国で資源が豊富にあるため、活用しやすいでしょう。
しかし、地熱発電は開発に時間がかかるというデメリットがあります。大規模な発電所になると長期間かかるケースもあるようです。また、温泉などと開発地域が被るため、自治体や地元企業との調整も欠かせません。
※参考:地熱発電|経済産業省
バイオマス発電
バイオマスとは生物資源のことです。例えば、食品廃棄物や木質バイオマス、家畜の糞尿などの資源をエネルギーとして変換します。
バイオマス資源を燃料として発電する際、CO2を排出しますが、そもそもバイオマス資源はCO2を吸収して成長するため、実質的にはCO2を排出しないものとして扱われるようです。また、食品廃棄物などを活用するため廃棄物削減に貢献できます。ただし、原料確保や管理にコストがかかることが課題です。
※参考:バイオマス発電|経済産業省
再生可能エネルギー発電促進賦課金の減免制度とは
再生可能エネルギー発電促進賦課金には、減免制度があります。ここでは、減免制度の概要や減免制度を受ける手順を解説します。
減免制度の概要
一定の基準を満たした事業所は、経済産業大臣の認定を受けることで、再生可能エネルギー発電促進賦課金の減免措置を受けられます。減免制度の概要は、以下のとおりです。
・期間:減免制度の適用を受ける年度の5月の定例検針分から翌年4月の定例検針分まで
・対象:小売電気事業者などから供給を受けた電気
・減免率:2割~8割
詳細は、経済産業省のWebサイトを確認してください。
減免制度を受ける手順
減免制度を受ける際の手順は、以下のとおりです。
1. 減免の要件を経済産業省のWebサイトで確認する
2. GビズIDを取得する
3. 減免認定申請システムに申請内容を入力して申請する
4. 経済産業局による審査を通過できれば、減免認定通知書が交付される
5. 小売電気事業者などに申し出る
減免が認められた場合でも、小売電気事業者などに申し出を行わない限り減免制度が適用されません。認定を受けた年度の2月1日までに申し出る必要があるため、注意しましょう。
詳細は、経済産業省のWebサイトを確認してください。
再生可能エネルギー発電促進賦課金のよくある疑問
ここでは、再生可能エネルギー発電促進賦課金に関するよくある疑問と、その回答をまとめました。ぜひ参考にしてください。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の実施はいつまで?
再生可能エネルギー発電促進賦課金がいつまで実施されるのかについては、公式には発表されていません。再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は年々上昇傾向にあるため、企業や家庭の負担が大きくなっています。負担を減らすためにも、企業や家庭で対策を検討する必要があります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金を払わない方法はある?
再生可能エネルギー以外の電力を利用することで、再生可能エネルギー発電促進賦課金が発生します。経済産業省では、「電気を使うすべての方にご負担いただくもの」としているため、再生可能エネルギー以外を使用している場合必ず発生します。つまり、再生可能エネルギーの利用によって負担を減らすことが可能です。
まとめ
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、再生可能エネルギーの普及に使われる賦課金です。再生可能エネルギー発電促進賦課金は年々増加しており、企業や家庭の負担が増えています。再生可能エネルギー以外の電気を利用する際には必ず発生するため、再生可能エネルギーの利用を検討するなどして、負担を軽減するとよいでしょう。
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執筆者プロフィール
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA