サステナビリティという言葉の浸透を受け、SDGsを意識し始めた企業もあるのではないでしょうか。そこで注目したいのが、企業のサステナビリティに関する取り組みを宣伝できるSDGsロゴです。
SDGsロゴを使用する際は、いくつかのルールや注意点があります。本記事では、SDGsロゴにはどのような種類があるのか、使用方法や注意点なども解説します。
サステナビリティに取り組む企業が増えています。取り組みを社外に宣伝することで、企業イメージの向上や、ステークホルダーからの支持獲得といったメリットが期待できます。
企業のサステナビリティに関する取り組みを効果的に宣伝できるのが、SDGsロゴです。ロゴは「持続可能な開発目標」という文言と、国連が定めたSDGsカラーホイールで構成されたデザインです。Webサイトに掲載する、名刺に印字するなど、さまざまなシーンで取り入れられます。
ロゴを使用する際は、国連広報センターが公表しているガイドラインを遵守しなければなりません。ここからは、国連広報センターの「持続可能な開発目標 カラーホイールを含むSDGsロゴと17のアイコンの使用ガイドライン」に沿って解説します。
※参考:持続可能な開発目標 カラーホイールを含むSDGsロゴと17のアイコンの使用ガイドライン|国連広報センター
SDGsロゴには「国連主体用」のバージョンと、「非国連主体用」のバージョンの2種類があります。
国連主体用のバージョンは、国連の部局や基金および計画、国連に関連するその他の補助機関・組織など、国連が主体となるケースで使用するロゴです。国連のエンブレムがほどこされた、「SDGsロゴ・バージョン1」が使用できます。
非国連主体用のバージョンは、国連以外の非営利団体や一般企業、各国政府・政府機関が使用できるもので、「SDGsロゴ・バージョン2」が使用可能です。
ほとんどの企業や団体は、非国連主体用のバージョンを選択することになるため、本記事では非国連主体用のバージョンを中心に解説します。
SDGsロゴには、縦型と横型の2種類があります。色はカラー版、白色版(黒い背景に白い文字)、黒色版(白い背景に黒い文字)の3種類です。シンプルな白色版や黒色版も選べるため、企業のイメージや使用するケースに応じて選べます。さらに、言語は国連公用語の英語・アラビア語・中国語・スペイン語・ロシア語・フランス語の6種類が用意されています。
SDGsが掲げる17の目標には、それぞれ異なる色が設定されています。そのすべての色で構成されているのがSDGsカラーホイールです。17色が円形にデザインされており、カラフルで華やかです。シンプルなデザインなので、コンパクトな名刺やピンバッジ、ポスターなどにも使用できます。
17の目標をピクトグラムで表現したデザインです。通常のカラー版の他、背景が白い反転カラー版、黒い背景にピクトグラムが白で描かれた白黒版の3種類が用意されています。
複数掲げられている目標のうち、どの目標に取り組んでいるのかが一目でわかるため、自社が取り組んでいるアイコンを選択して宣伝できます。1種類ずつダウンロードでき、全体としても個別のアイコンとしても使用可能です。
SDGsロゴを使用する目的として、「情報目的」「資金調達目的」「商業用途」の3つが挙げられます。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
情報目的とは、より多くの人にSDGsを広めたいという目的で、情報発信の際に使うことです。企業の利益につながる活動や資金調達以外の目的で使用する場合を指します。例えば、社内で実施する研修での使用や、メディアでSDGsに関する情報を紹介するといった場合です。
h3:資金調達目的
資金調達目的とは、SDGsの活動をするために必要な資金を調達することを指します。例えば、ESG投資の対象として選んでもらうためにPRするケースも含まれます。
ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を組み合わせた言葉です。これらの要素を意識して経営している企業に投資すれば、持続可能な社会が実現できるうえに、投資リターンを継続的に追求できるという考えから、サステナビリティを意識した企業に投資をすることを指します。
資金調達の目的で企業ロゴとSDGsロゴを並べて使用したい場合は、非国連主体ロゴの方が目立つようなデザインにすることがルールです。
商業用途は、企業の利益につながる活動や、商業としての販促グッズにおける使用を指します。例えば、名刺に使用したり、商品ラベルに印刷したりするケースが該当します。商品を販売するだけでなく、参加費が発生するイベントを宣伝するために使用する場合も含まれます。企業がSDGsロゴを使用する場合は、ほとんどのケースが商業目的と考えてよいでしょう。
SDGsロゴを使用する場合、ロゴやカラーホイールを加工してはいけないルールになっています。ここでは、注意点を解説します。
ロゴの加工は基本的に禁止されています。色や配置はもちろん、書体も変えてはいけません。例えば、文字を企業のイメージカラーに変える、目立つように立体的なデザインに変える、スペースに合わせてロゴを拡大・縮小するなどが挙げられます。指定されたロゴをそのまま使用しましょう。
なお、背景の色も決められています。背景色の指定は、以下のとおりです。
・カラー版:白・指定のライトグレー
・白色版:
・黒色版:白
SDGsカラーホイールも加工が禁止されています。例えば、色を変える、色の位置を変える、拡大・縮小する、斜めにする、カラーホイールの上にアイコンを置くなどです。カラーホイールの内側に何らかのデザインを加えたり、アイコンを入れたりすることも認められません。
ただし、なかには国連本部の許可を得たうえで加工しているものもあります。加工には手続きが必要になるため、独自の判断で加工することは控えましょう。
SDGsロゴを使用するケースはいくつかありますが、無断で使用してはいけないケースもあります。許可が必要か不要かは、使用する目的によって異なります。
先述したロゴを使用する3つの目的のなかで、許可を得たうえで使用しなければならないのは、資金調達目的と商業用途です。いずれの場合も、事前に国連から許可を取り、ライセンス契約を締結しなければなりません。企業が使用する場合、利益につながる活動や商品に使用するなど、ほとんどが商業用途に該当するため、基本的に許可が必要になります。
情報目的で使用するのであれば、許可を取る必要がありません。社内のみで使用したり、SDGsを広めるためにWebサイトに掲載したりするケースです。資金調達目的や商業用途でなければ許可は不要ですが、加工はしないなどのルールは遵守しましょう。
SDGsロゴを使用するのに許可が必要な場合は、申請をしてライセンス契約を締結したうえでダウンロードに進みます。
申請は、メールで行います。宛先は、国連本部のメールアドレス「SDGpermissions@un.org」です。件名はすべて大文字で「SDG LOGO/ICON REQUEST」、本文もすべて英語で記載します。いずれの目的でも、下記の説明が必要です。
【資金調達目的・商業用途で記載する内容】
・使用用途がSDGsの精神と目的、ガイドラインの要件にどのように合致するのか
・持続可能なビジネスの実践と持続可能な素材の利用について
適切な目的でロゴを使用することを証明するとともに、持続可能なビジネスや素材であることを説明します。
商業用途の場合は、さらに下記の具体的な説明が必要です。
【商業用途で記載する内容】
・自社の商品または製品がSDGsとどのように整合するのか
本文に加えて、実際にロゴやアイコンを使用する際のサンプル画像も添付します。
SDGsロゴは、国連広報センターのWebサイトからダウンロードできます。日本語にも対応しており、ガイドラインやよくある質問なども掲載されているため、ダウンロードをする前に確認しましょう。なお、ロゴを使用できる期限は2030年の12月31日までとされていますが、SDGsに関する刊行物との関連であれば、2030年の12月31日以降も使用できます。
※参考:SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン|国連広報センター
SDGsロゴ・SDGsアイコンと、企業ロゴを組み合わせて使用したい場合も、それぞれにルールがあります。
企業ロゴとSDGsアイコンを組み合わせて使用する場合は、2つの間に黒字・0.5ptの縦線を入れて、縦線とSDGsアイコンの間にはスペースを設ける必要があります。
資金調達目的と商業用途ではルールが異なり、資金調達目的の場合は企業ロゴの方が目立つようにしなければなりません。並べたときにSDGsアイコンよりも、企業ロゴの最大の高さの方が高くなるようにしましょう。
企業ロゴとSDGsロゴを組み合わせる場合は、「(主体名/私たち)は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。」の文言を必ず入れます。文言がなければ企業ロゴと並べて使うことが認められません。カラーホイールを使用する場合も同様です。
最後に、シーン別にSDGsロゴを使用する際の注意点も確認しておきましょう。
Webサイトに掲載したい場合は、まず使用許可が必要か判断します。営利目的以外で使用する場合は必要ありませんが、企業が使用する場合は、基本的に国連による事前許可とライセンス契約が必要です。Webサイトに掲載する際は、ガイドラインを確認しながらサイズや背景色、フォントに注意して使用しましょう。
ノベルティを制作する場合も、使用許可が必要か判断します。SDGsを広めることを目的としたノベルティであれば、許可は必要ありません。一方、販売するためのグッズや、自社商品をPRするために制作するグッズに使用する場合は、事前に国連から許可を得たうえでライセンス契約が必要になります。
名刺に印字する場合は、ガイドラインを確認してサイズや背景色、フォントに注意が必要です。名刺がモノクロの場合は、白色版や黒色版を使うこともできます。名刺の場合も企業ロゴと並べて印字する際は、先述した指定の文言を必ず入れましょう。縦線を入れることも忘れてはいけません。
社内のみで使用する資料に使う場合は、情報目的に該当すると考えられます。例えば、社内報やプレゼンテーション、会議で使用する資料、SDGsに関する活動を掲載した資料などです。この場合は、国連による事前許可やライセンス契約は必要ありません。ただし、ルールは守らなければならないため、背景色には注意が必要です。
SDGsロゴを利用すると、企業がサステナビリティに関する取り組みをPRできます。企業イメージの向上などのメリットが期待できるため、SDGsを意識して活動している企業は取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、使用目的によっては国連による事前許可やライセンス契約の締結が必要です。目的に応じて許可を取り、ガイドラインに沿った使い方をしましょう。
ゼロ炭素ポートでは、脱炭素や脱炭素経営に関する情報を発信しています。自社のみならず他社ソリューションとも協力し、お客さまのニーズにお応えするWebサイトです。コラムやCO2排出量計算ツールを掲載している他、メール相談も受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA