サステナビリティの重要性が認知されてきているなか、従業員の深い理解を得るためには、分かりやすい言葉に言い換えて伝えることが求められます。この記事では、サステナビリティの意味や言い換えた表現を紹介するとともに、類義語との違いを解説します。サステナビリティの概念が社内に浸透していないと感じる場合は、言い換えの例をぜひ参考にしてください。
サステナビリティを別の言葉で言い換えると、どのような言葉になるのでしょうか。ここでは、サステナビリティの意味を解説します。
サステナビリティを日本語に言い換えると「持続可能性」です。そもそも、sustainability(サステナビリティ)のsustainは「持続」や「持続する」という意味の単語です。さらに、abilityは「可能性」や「可能である度合い」という意味を持っています。この2つを合わせた造語がサステナビリティとなるため、「持続可能性」という言葉に言い換えられます。
日本では「サステナビリティ」のほかに「サステナブル」という言葉が使われることもあるため、何が違うのか分からない人も多いでしょう。sustainability(サステナビリティ)とsustainable(サステナブル)の意味は、基本的に同じです。
両者に共通するsustainは、先述の通り「持続」や「持続する」という意味の単語です。また、abilityが「可能性」であるのに対し、ableは「可能な」という意味を持っています。つまり、サステナビリティは「持続可能性」(名詞)であり、サステナブルは「持続可能な」(形容詞)というだけの違いで、意味は変わりません。
サステナビリティやサステナブルと同じように使われるのが、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)という言葉です。SDGsのSは、Sustainable (サステナブル)のことを示すため、同様に扱われるケースが多くなっています。
また、SDGsは「持続可能な開発目標」を意味している言葉で、SDGsの推進にはサステナビリティやサステナブルといった概念が不可欠です。SDGsは、サステナブルであることを前提とした開発の世界的指標であるといえます。
サステナビリティが注目されている背景にあるのは、世界規模で行われている地球温暖化や気候変動に対する取り組みです。サステナビリティの概念は、1987年のWCED(環境と開発に関する世界委員会)で提唱されました。ここで「サステナブル・ディベロップメント(持続可能な開発)」として取り上げられたのが始まりです。
その後、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミット(国連環境開発会議)において、地球環境が大きなテーマとして取り上げられ、サステナビリティが認知されるようになりました。また、2015年に国連サミットでSDGsが採択されたことによって、サステナビリティの重要性が高まり、現在に至っています。
※参考:持続可能な開発|国連広報センター
GRIスタンダードとは、GRI(Global Reporting Initiative)によって策定される、環境・社会・経済の3つの側面から、企業の持続可能な活動を評価する国際基準です。以下では、GRIスタンダードについて詳しく解説します。
GRI(Global Reporting Initiative)とは、企業などの組織が環境へ及ぼす影響に対して、責任を持てるように支援する非営利団体です。独立した国際組織で、国連環境計画(UNEP)などの協力のもと、1997年に設立しました。世界的に通用する持続可能性報告基準を定め、サステナブルな社会の実現に向けて、企業の取り組みを積極的に後押ししています。
※参考:GRI|GRI Standards Japanese Translations
GRIスタンダードを活用すれば、世界的な基準で企業運営の透明性を高められ、投資家やステークホルダーの信頼を得やすくなります。以下では、GRIスタンダードの構成要素を解説します。
セクタースタンダードとは、各業界の課題に対応した、いわば業界別の開示基準です。業種特有のリスクや課題を反映し、より的確な報告を実現します。たとえば、製造業の環境負荷や、金融業の投資先リスクなど、業界固有の情報を明確化することが可能です。これらの情報は、ステークホルダーが企業のリスク評価を行う際に役立ちます。
ユニバーサルスタンダードは、GRIスタンダードにおいて、すべての組織が必ず満たさなければならない基礎的な開示要件です。ガバナンス構造・倫理的行動・ステークホルダーの関与などについて、開示することによって透明性と信頼性を確保できます。さらに、該当する項目を企業が遵守することで、持続可能な発展に向けた取り組みを示せるのもメリットです。
トピックスタンダードは、それぞれの企業が直面する、特定の経済・環境・社会的責任などに関する開示基準です。たとえば、エネルギー使用や温室効果ガス排出量、労働条件の改善など、特定の分野ごとに固有の内容を開示する場合、この項目を利用します。200を超える項目を含むため、適切に評価したうえで必要な情報だけを的確に提供することも重要です。
サステナビリティにはいくつか類義語があります。ここでは、それぞれの意味と違いについて解説します。
SDGsは、持続可能な社会を実現するための目標です。これに対してサステナビリティは、美しい地球や人間の生活を持続させるための取り組みを指す概念です。SDGsとサステナビリティの違いは、目標設定の有無にあります。SDGsは、サステナビリティという概念を達成の目標であると考えるとよいでしょう。
ethical(エシカル)という言葉には「道徳上」や「倫理的」などの意味があります。近年はこの言葉を広義に捉え、地球環境や社会に配慮する行動や思考といった意味でも使うようになりました。エシカルは良識や倫理を重視するものであり、サステナビリティは持続可能性そのものである点が大きな違いです。
CSRは、Corporate(組織)・Social(社会的な)・Responsibility(責任)の頭文字をとった言葉で、日本では「企業が担う社会的責任」を意味しています。サステナビリティは、前述したように持続可能な社会を達成するための考え方、概念であり、CSRのように責任を負うものではありません。
サステナビリティに関連する用語には、以下のようなものがあります。
サステナビリティデザインとは、次の世代のために地球環境を維持し、また向上させるデザインのことで、主には建築物のデザインに用いられています。デザインを通して、環境負荷ができるだけ少なく、また継続して使えるような建物の実現を目指す点が特徴です。
たとえば、古い建物を取り壊さずリノベーションしたり、古材を再利用したりすることもサステナビリティデザインの一環といえます。
サステナビリティシティは、エコシティや持続可能な都市とも呼ばれます。環境への負荷を考慮し、できるだけ負荷をかけずに設計された都市のことです。都市内部では環境に配慮した経済活動、未来にも同様の生活環境が残せるよう工夫がなされています。サステナビリティシティは、スウェーデンなどですでに実現されています。
サステナビリティ素材とは、環境や社会に配慮し、持続可能な形で生産された素材のことです。自然由来の素材やリサイクル素材など、環境負荷の少ない原料が使用されており、生産過程においても人権や労働環境に配慮されています。
サステナビリティは、私たち1人ひとりの生活や企業活動、そして地球全体の未来に関わる重要な概念です。「持続可能性」という言葉に置き換えることで、より身近に感じられるかもしれません。SDGsやGRIスタンダードなど、サステナビリティを実現するための取り組みが世界中で進められています。
企業でサステナビリティという概念を浸透させる際、参考になるのがゼロ炭素ポートです。ゼロ炭素ポートでは、企業が脱炭素に取り組むためのさまざまな方法を解説しています。また、効果的な脱炭素のやり方や必要なソリューションについて、企業の取り組みに合う方法を提案できます。詳しくは以下より資料をご覧ください。
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA