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地球温暖化対策はいつから?日本・世界の取り組みとパリ協定をわかりやすく解説

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2025年03月21日

近年、地球温暖化対策への取り組みや必要性が叫ばれていますが、いつから行われているか疑問に感じる方もいるでしょう。この記事では、地球温暖化がいつから問題視され、どのように対策が行われてきたのかを解説します。また、地球温暖化対策のカギともいわれるパリ協定についても、詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

地球温暖化対策が必要になったのはいつから?

そもそも、地球温暖化対策はいつから必要になったのでしょうか。ここでは、地球温暖化が問題視されるようになった背景や影響を解説します。

地球温暖化が問題視されるようになった背景

地球温暖化とは、人間の活動が原因で起こる環境問題を指します。地球温暖化は、二酸化炭素(以下「CO2」という)などの温室効果ガスが増えることが主な原因です。18世紀の産業革命によって環境問題が議論されるようになり、1970年代に科学者によって地球温暖化が問題視され始めました。

1962年にアメリカの海洋生物学者「レイチェルカーソン」が、著書で環境問題への警鐘を鳴らしたことで世界的に環境問題が認識され、1972年には環境問題に関する初の国際会議が行われました。

地球温暖化による影響

1880年から2012年にかけて、世界の平均気温が0.85℃上昇しました。大気中のCO2濃度も産業革命前に比べると約1.5倍に増えています。さらに、地球温暖化は、以下のような問題を深刻化させます。

・氷河の融解や海面上昇による陸地の減少
・動植物の減少
・気候変動
・異常気象
・感染症・伝染病の拡大
・気温上昇などによる熱中症の増加

世界的な地球温暖化対策はいつから?

地球温暖化に伴い、世界では以下のような取り組みが長い歴史にわたって行われてきました。

国連人間環境会議

1972年に国際連合が開催した国際会議です。環境問題初の会議ともいわれ、世界110カ国以上の国々が参加し、スローガン「かけがえのない地球」が掲げられました。10年ごとに大きな環境会議を開く、人間環境宣言、環境国際行動計画などの成果をもたらしました。

国連環境開発会議(地球サミット)

1992年6月に、ブラジルで開催された環境と開発がテーマの会議です。ほぼ全ての国連加盟国の政府代表が参加し、以下のような成果をもたらしました。

・環境と開発に関するリオ宣言の採択
・気候変動枠組条約の採択
・生物多様性条約の署名
・森林原則声明の採択
・アジェンダ21の採択

京都議定書

国際的な地球温暖化対策を目的として、1997年に開催した「国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)」で採択された国際条約です。先進国の温室効果ガス排出量の数値目標を各国ごとに設定し、削減行動を義務付けました。

CDPの設立

CDPとは、2000年にイギリス人4人で設立した国際NGOです。世界主要企業に環境課題に対する取り組みの質問状を送り、企業の株主である機関投資家に開示しました。「CDPレポート」は、現在もESG投資の判断材料として用いられています。

ミレニアム開発目標(MDGs)の採択

ミレニアム開発目標(MDGs)とは、2000年9月の国連ミレニアム・サミットで採択された国連が定めた国際社会共通の目標です。MDGsの柱となる以下の8つの目標と、21のターゲット、60の指標が設定されました。

1.極度の貧困と飢餓の撲滅
2.普遍的初等教育の達成
3.ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
4.乳幼児死亡率の削減
5. 妊産婦の健康の改善
6. HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
7.環境の持続可能性の確保
8.開発のためのグローバル・パートナーシップの構築

持続可能な開発目標(SDGs)

持続可能な開発目標(SDGs)は、2015年9月に国連で開催された「持続可能な開発サミット」で採択されました。2016年から2030年で達成すべき17種類の目標と169のターゲットが提示されています。

パリ協定

パリ協定は、2015年にフランスのパリで開催された「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で採択されました。パリで開催された際に採択されたことから「パリ協定」と呼ばれており、京都議定書を引き継ぐものとして多くの国が参加しています。パリ協定の詳細は、後述します。

世界が地球温暖化対策に本格的に取り組み始めたパリ協定とは

以下では、フランス・パリで2015年に採択された「パリ協定」について詳しく解説します。

パリ協定が採択された背景

京都議定書では、地球温暖化対策目標が2020年までとなっていました。パリ協定は、京都議定書を引き継ぐものとして2015年に採択、2016年に発行されています。

京都議定書とパリ協定の違い

京都議定書とパリ協定では、以下のような違いがあります。

京都議定書 パリ協定
採択 1997年 2015年
期間 2008~2020年 2020年以降
対象 先進国のみ 全締結国
義務 削減目標の達成 削減目標の策定・提出
目標の拘束力 あり なし

パリ協定の長期目標

パリ協定では、世界共通の2つの長期目標があります。温室効果ガスの削減には技術革新なども重要です。地球温暖化対策と経済成長の両立を目指すため、主要排出国は国際社会をリードする必要があります。

・世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
・できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる

引用:今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~|経済産業省 資源エネルギー庁

パリ協定が地球温暖化対策として有効な理由

先進国のみだった京都議定書とは異なり、パリ協定は全ての参加国が対象になっているため、不公平感がありません。また、長期目標という明確なビジョンがあり、各国は目標を設定しやすくなっています。さらに、5年ごとに削減目標を提出・更新する義務があるため、注目を集めやすく、中弛みしづらいことも有効な理由です。

パリ協定の公平性と実効性

パリ協定は、過去の地球温暖化対策に比べて、公平性と実効性が保たれています。

透明性の確保

パリ協定では、削減・抑制目標の達成義務はありませんが、努力目標となっています。各国の目標に対する進捗状況の提出を定期的に行うことや、専門家によるレビューも必要です。

途上国の支援

多くの途上国では、経済開発と環境問題の取り組みを同時に行わなくてはなりません。京都議定書とパリ協定のどちらも、途上国への資金支援は義務となっています。ただし、パリ協定では自主的な資金提供を途上国にも奨励しているため、京都議定書よりも公平性が保たれています。

パリ協定の目標達成に向けた取り組み

パリ協定の目標達成に向けて、世界はもちろん、日本でもさまざまな取り組みが行われています。

日本での取り組み

日本では、2030年度の温室効果ガスの排出を46%削減(2013年度比)することを、中期目標としています。2021年には「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」が閣議決定され、再生可能エネルギー最優先原則や電源の脱炭素化などの取り組みを行っています。

参考:国内外の最近の動向について(報告)|環境省

海外での取り組み

海外では、各国が2030年の温室効果ガスの排出削減目標(1990年度比)を、以下のように定めています。

・EU(フランス・イタリア): 55%削減
・イギリス:68%削減
・ドイツ:65%削減

また、2030年までの温室効果ガスの排出削減目標を、アメリカは50~52%削減(2005年比)、カナダは40~45%削減(2005年比)と定めました。中国はGDPあたりのCO2排出を65%削減(2005年比)としています。

参考:国内外の最近の動向について(報告)|環境省

パリ協定の目標を達成するには?

パリ協定の目標達成には、さまざまな課題や影響があり、困難なものになっています。世界各国が協力し、課題を乗り越えなければなりません。

今後の課題

パリ協定の「世界の平均気温上昇を1.5度以内に抑える努力をする」という目標は、高い壁とされています。なぜなら、排出量が最も多いケースを仮定した場合、上昇幅が4度を超えると予測されているからです。

パリ協定で定められた目標作成・更新の際には、実効性のある目標にすることが求められています。また、平均気温上昇を抑えられるように、革新的なイノベーションの開発にも取り組むことが必要です。

ビジネスとの両立

地球温暖化対策を推進するには、経済と両立していくことが大切です。省エネ製品の開発や革新的なイノベーションは、経済発展なしでは生まれません。温室効果ガスの削減には、再生可能エネルギーの導入量増加やエネルギーミックスの推進が必要です。

自社の使用量を抑えるだけではなく、再生可能エネルギーやエネルギーミックスをビジネスチャンスと捉え、国内外へ普及していくことも重要といえるでしょう。

まとめ

地球温暖化対策がいつから必要になったのか、世界ではどのような地球温暖化対策が取られてきたのかを解説しました。現在は、パリ協定の目標を達成するために、まずは2030年の温室効果ガスの排出削減目標に向かって世界各国がさまざまな取り組みを行っています。

企業としても温室効果ガスの使用量を抑えると同時に、イノベーションの開発に取り組んでいく必要があります。

ゼロ炭素ポートは、脱炭素の情報発信をはじめ、脱炭素ソリューション「省エネ診断サービス」や「工場向け太陽光発電」の資料がダウンロードできます。企業で脱酸素に取り組む際は、ぜひ参考にしてください。

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA