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地球温暖化対策とは?世界の動向や取り組み、重要性を解説!
目次
地球温暖化は、自然環境や社会に深刻な影響を与える世界的な課題です。各国が地球温暖化対策に取り組んでいますが、具体的な内容を知りたい人も多いのではないでしょうか。
本記事では、地球温暖化対策について、世界における動向や具体的な各国の取り組みなどを解説します。ぜひ参考にしてください。
地球温暖化とは
ここでは、地球温暖化の主な原因である温室効果ガスと、地球温暖化による深刻な影響を解説します。
地球温暖化が起こる原因
地球温暖化の主な原因は、大気中を漂う過剰な温室効果ガスです。温室効果ガスには、最も影響力の強いCO2をはじめとして、メタン・一酸化窒素・フロン類などがあります。温室効果ガスには大気中の熱を閉じ込める性質があり、濃度上昇に伴って世界の平均気温の上昇が観測されています。
地球温暖化の影響
地球温暖化の影響として、以下の問題が挙げられます。
・気候変動による深刻な災害の増加
・植物や生物など生態系への悪影響
・生産性低下による経済危機
近年、世界各地で異常気象による洪水や干ばつ、山火事などの災害が頻発するようになりました。気温上昇は生態系に影響を与え、農作物の収穫量にも深刻な影響を及ぼしています。また、気温の上昇に伴う生産性の低下による経済危機も懸念されています。
地球温暖化対策とは
以下では、地球温暖化対策について、温室効果ガスの削減が必要な理由と、カーボンニュートラルに取り組む重要性を解説します。
温室効果ガスの削減が効果的
地球温暖化対策として、温室効果ガスの削減に取り組む必要があります。温室効果ガスの排出量と平均気温の上昇は、比例関係にあるといわれているためです。詳しくは後述しますが、近年は、世界的にCO2の排出削減に向けての取り組みが活発化しています。
カーボンニュートラルに取り組む重要性
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、「全体としてゼロにする」ことです。「全体としてゼロにする」とは、温室効果ガスの排出量から吸収量を差し引き、相殺させるという考え方です。
日本では政府が2050年までに、カーボンニュートラルの実現を目指すと宣言しています。カーボンニュートラルの達成に向け、省エネ技術の開発や、温室効果ガスを回収・貯蔵する技術開発、植林・森林管理など、さまざまな施策を組み合わせる必要があります。
※参考:カーボンニュートラルとは|環境省
世界的な地球温暖化対策「パリ協定」とは
ここでは、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定について、長期的な目標と前身である京都議定書との違いに触れつつ解説します。
パリ協定の意味
2015年にフランス・パリで開催された、「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」において、パリ協定が採択されました。パリ協定は、2020年以降の気候変動対策における国際的な枠組みです。気候変動枠組条約に加盟する196か国がパリ協定に参加しています。
パリ協定の特徴は、すべての参加国に対して、温室効果ガス削減のための長期的な目標設定と、行動計画の提出を義務付けている点です。各国がそれぞれの状況に応じた対策を掲げ、主体的に実行するよう定めたことで、世界全体で気候変動問題に取り組む基盤が整えられました。
パリ協定・京都議定書の違い
京都議定書は国際社会が初めて具体的な温室効果ガス削減目標を定めた、パリ協定の前進となる条約です。京都議定書は、気候変動対策の国際的な取り決めとして、1997年に京都府で開催された「気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3・京都会議)」で採択されました。
先進国のみに温室効果ガスの削減義務を課していたという点で、京都議定書は地球規模での温暖化対策としては不十分といえます。また、目標未達成の場合は罰則が課せられるという厳格さも、条約の特徴として挙げられます。
一方で、後継となるパリ協定の場合は、気候変動枠組条約に加盟する196か国すべてが参加し、目標は各国の実情に配慮して決めることが可能です。目標未達成時の罰則を設けない柔軟な枠組みにすることでも、パリ協定は多くの国々に主体的な参加を促しました。
※参考:第1章 地球温暖化に係る新たな国際的枠組み|環境省
※参考:パリ協定|全国地球温暖化防止活動推進センター
※参考:COP3|外務省
パリ協定の目標
パリ協定では、世界共通の長期目標として以下が掲げられました。
・世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて、2℃未満に保つ
・気温上昇を1.5℃に抑える努力をする
目標達成に向けた進捗を確認するため、2023年以降すべての参加国に対して、5年ごとに温室効果ガスの削減状況を報告することが義務付けられています。
世界の地球温暖化対策で重要な役割を担うIPCC
気候変動問題に関する科学的知見を評価・提供する国際機関として、「Intergovernmental Panel on Climate Change(以下「IPCC」という。)」が重要な役割を果たしています。IPCCを和訳すると、「気候変動に関する政府間パネル」となります。
IPCCは1988年に国連環境計画(UNEP)と、世界気象機関(WMO)によって設立されました。世界各国の研究者がIPCCに協力し、気候変動に関する最新のデータを収集・分析したり、定期的に評価報告書として取りまとめたりしています。報告書の内容は科学的根拠として、国際交渉や各国の具体的な温暖化対策の立案に役立てられています。
※参考:気候変動対策を科学的に!「IPCC」ってどんな組織?|経済産業省
※参考:IPCCとは?|全国地球温暖化防止活動推進センター
世界の地球温暖化対策
以下では、世界の地球温暖化対策として、アメリカ・中国・EUの取り組みを紹介します。
アメリカの取り組み
アメリカは2022年に、「2030年までに温室効果ガスを2005年比で50~52%削減する」という目標を国際公約として掲げました。目標達成に向けた施策として、同年に成立したのがインフレ削減法(以下「IRA」という。)です。IRAの狙いは、クリーンエネルギーへの投資促進と環境技術の革新を通じて、気候変動対策と経済成長を両立させることです。
具体的には、都市部での植林を推進し、米国農務省の都市・コミュニティー林業プログラムを拡大しました。また、運輸部門での脱炭素化を加速させるため、「2030年までに新車販売の50%以上を電気自動車と燃料電池車にする」という大統領令を発令し、次世代自動車の普及を促進しました。
※参考:インフレ削減法は、気候変動対策に軸足(米国)|独立行政法人日本貿易振興機構
※参考:バイデン米政権、2030年までに新車の半数以上をEV、FCVとする大統領令|独立行政法人日本貿易振興機構
中国の取り組み
世界最大のエネルギー消費国として知られる中国は、地球温暖化対策において重要な立場にあるといえるでしょう。
中国は、「2030年までに温室効果ガスの排出量をピークアウトさせ、さらに2060年までにカーボンニュートラルを達成する」という段階的な目標を発表しました。目標達成に向け、エネルギー消費の効率化やCO2排出量の削減、森林カバー率の向上などに関する、包括的な目標・方針を掲げています。
※参考:カーボンニュートラル達成に向けた中国政府、企業の対応状況|独立行政法人日本貿易振興機構
EUの取り組み
EUは長年にわたり、世界の地球温暖化対策を主導してきました。欧州委員会は2050年までの気候中立を目指す、「欧州グリーン・ディール」という成長戦略を定めています。成長戦略の実現に向け、2021年に施行されたのが欧州気候法です。
欧州気候法には、「2030年までに温室効果ガスの排出量を、1990年比で少なくとも55%削減する」という中間目標が設定されています。EUは、目標の実現に向けた具体的な政策となる「Fit for 55」を提案し、2023年には主要な法案の採択を完了させるなど、着実に取り組みを進めています。
※参考:EU、2030年までのGHG排出55%削減に向けたFit for 55関連法案がほぼ成立|独立行政法人日本貿易振興機構
日本の地球温暖化対策
日本の地球温暖化対策について、基本的な考え方と、2050年カーボンニュートラル実現に向けたGX戦略を解説します。
基本的な考え方
日本は2021年に地球温暖化対策計画を閣議決定し、「2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減する」という意欲的な中期目標を掲げています。
中期目標の達成に向けた重要な法的基盤として、地球温暖化対策の推進に関する法律(以下「地球温暖化対策推進法」という。)があります。地球温暖化対策推進法は、温室効果ガスを多量に排出する事業者(特定排出者)に対して、排出量の算定と国への報告を義務付けました。また、排出量は集計され、国によって公表される仕組みです。
日本は、二国間クレジット制度(以下「JCM」という。)も実施しています。JCMは、日本などのパートナー国の優れた脱炭素技術や製品を途上国に提供し、実現した温室効果ガス排出削減・吸収量の一部を、パートナー国の削減目標達成に活用する仕組みです。さらに、日本は温室効果ガスの「見える化」も推進しています。
※参考:地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)|環境省
2050年カーボンニュートラル実現へのGX戦略
日本は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、「グリーントランスフォーメーション(以下「GX」という。)」を推進しています。
GXは、化石燃料への依存から脱却し、クリーンエネルギーの活用を通じて社会全体の構造を変革する取り組みです。経済産業省が中心となって策定した、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を基に、環境保護と産業発展の両立を目指しています。
また、グリーン成長戦略の具体的な推進力として、「グリーンイノベーション基金」が設立されました。この基金は、水素やアンモニアのサプライチェーンの構築や、洋上風力発電の低コスト化など、革新的な技術開発を支援するものです。
※参考:第2節 GXの実現に向けた日本の対応|経済産業省
※参考:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略|経済産業省
企業が取り組むべき地球温暖化対策
地球温暖化は、政府だけでなく、企業も主体的に取り組むべき課題です。以下では、企業が取り組むべき地球温暖化対策を解説します。
省エネルギーに取り組む
企業が消費するエネルギーを減らす取り組みは、温室効果ガスの排出量と経営コストの両方の削減に貢献します。例えば、以下の取り組みを実行しましょう。
・不要な照明の消灯や空調温度の適正管理
・省エネ効果の高い設備への切り替え
・省エネ診断に基づく課題改善
再生可能エネルギーを導入する
化石燃料からの脱却を目指し、再生可能エネルギーの導入が加速しています。再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱など、国内で生産できる枯渇することのないエネルギー源のことです。再生可能エネルギーによる発電は、温室効果ガスをほとんど排出しません。
太陽光パネルの費用など、再生可能エネルギーによる発電設備の導入コストは年々低下しています。コスト面のハードルが下がった結果、再生可能エネルギー発電設備を導入する企業は増加傾向にあります。
サステナビリティ経営を推進する
サステナビリティ経営は、持続可能性を考慮した経営です。環境・社会・経済の状態をバランスよく保つことは、サステナビリティデザインのポイントです。サステナビリティ経営を推進する企業は、数々の取り組みを通じて社会貢献も果たせます。
まとめ
地球温暖化により、地球環境や動植物に深刻な影響がもたらされています。地球温暖化対策として、世界各国はそれぞれの実情に応じた温室効果ガスの削減目標を掲げ、カーボンニュートラルの実現を目指しています。
ゼロ炭素ポートは、自社のサービスだけではなく他社のソリューションも含めて、お客さまの脱炭素への取り組みを総合的にサポートするサイトです。地球温暖化対策につながる取り組みをお考えの人は、ぜひゼロ炭素ポートをご活用ください。
執筆者プロフィール
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA