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サステナビリティマークの普及はSDGsに貢献!種類やメリットも

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2025年03月19日

近年、サステナビリティに対する関心が高まっています。サステナビリティは、SDGs(持続可能な開発目標)とも深く関係しており、ビジネスシーンにおいてますます重要な概念となっています。

そのなかで、サステナビリティマークは企業の取り組みを可視化し、消費者や投資家からの信頼を得るための重要なツールです。本記事では、サステナビリティマークの基礎知識や種類を解説します。

サステナビリティマークとは

サステナビリティマークとは、企業の公式サイトや従業員の名刺、商品などに掲載されるマークのことです。認証やラベルとも呼ばれており、企業や商品が環境や社会的な配慮をしていることを証明するものとして、注目されています。

日本だけでなく、世界中にさまざまな種類が存在し、厳しい基準に基づいた審査をクリアした場合に使用が許可される仕組みです。近年では、消費者や投資家にとって、企業の社会的責任に対する姿勢を判断する重要な指標となっています。

サステナビリティの柱

サステナビリティマークの取得を考える前に、サステナビリティの柱を理解しておきましょう。具体的には、経済発展・社会開発・環境保護の3つです。

経済発展は、環境や社会問題の解決につながる商品やサービスを提供し、持続可能な成長を目指すことを指します。社会開発は、教育や福祉の充実など社会サービスを改善し、人々の生活の質を向上させ、より公平な社会の実現を目指すことです。環境保護は、地球環境を守り、次世代に自然を残すための活動を指します。

これら3つの柱は相互に深く関連しているため、バランスの取れた取り組みが重要です。企業はもちろん個人も3つの柱を基盤に行動することで、持続可能な社会の実現が可能となります。

サステナビリティマークのメリット(役割)

サステナビリティマークは、消費者や企業をはじめ、社会全体にメリットをもたらします。以下で具体的に解説します。

ユーザーが環境や社会に配慮した商品やサービスであることが分かる

サステナビリティマークがあれば、誰が見ても社会や環境に配慮していることが分かります。たとえば、国際基準をクリアしたマークであれば、グローバル基準でサステナビリティな商品であることを認識できるでしょう。自社の品質やブランドイメージの向上につながり、消費者だけでなく、取引先や投資家からも高い評価を得られる期待があります。

また、数多くの製品やサービスが市場に出回るなかで、自社の製品やサービスを差別化するためにも効果的です。ただし、多くのサステナビリティマークが存在するため、自社の製品やサービスに最適なマークを選ぶ必要があります。

中立性や公平性が担保されやすい

サステナビリティマークは、製品が本当に環境や社会に配慮して作られているかを示す重要な指標です。サステナビリティマークを取得するためには、国際的な基準を満たし、第三者機関による厳格な審査を受ける必要があります。

サステナビリティマークがあることで、企業は自社のサステナビリティへの取り組みをアピールし、消費者との信頼関係を築くことができます。

生産者が環境や社会課題を理解しやすい

サステナビリティマークは、生産者や企業が環境や社会課題を理解し、積極的に取り組むきっかけにもなります。消費者がサステナブルな製品を求めるようになると、生産者や企業はニーズに応えるために、より環境に配慮した製品開発を進めなければなりません。

前述したように、サステナビリティマークを取得するためには、認証機関が定める条件や基準を満たすことが必須です。基準を満たすためには、自社の生産プロセスや原材料の調達方法などを改善し、よりサステナブルなビジネスモデルを構築していく必要があります。

企業の取り組みを評価するサステナビリティマーク・認証

企業の環境や社会への貢献度を評価するために、さまざまな認証制度が用意されています。ここでは、代表的な認証制度を解説します。

Bコープ

Bコープは、利益追求だけでなく、社会や環境への貢献も重視する企業に与えられる国際的な認証制度です。アメリカの非営利団体B Labが運営しており、環境、社会、ガバナンスといった多岐に渡る項目について、厳格な審査基準をクリアした企業にのみ認証されます。

Bコープ認証の取得により、収益だけでなく社会への貢献も重視していると示せるため、消費者や投資家からの信頼を得やすくなる点がメリットです。また、従業員のモチベーション向上や、優秀な人材の確保につながることも期待できます。

※参考:B Lab Global Site|B Lab

クライメイト・ニュートラル認証

クライメイト・ニュートラル認証は、企業の温室効果ガス排出量を評価し、実質ゼロを目指すための認証制度です。温室効果ガスの排出削減に取り組む環境団体、クライメイト・ニュートラルが認証を行っています。

製品やサービスのライフサイクル全体における二酸化炭素排出量を測定し、削減目標を設定・達成することが主な目的です。認証の取得により、自社の製品やサービスが環境に与える影響が限定的であることを証明できます。

※参考:Change Climate Project | Get Climate Neutral Certified

エコアクション21

エコアクション21は、企業や団体が環境への取り組みを自主的に行うために、環境省が策定した制度です。計画、実行、評価、改善というPDCAサイクルに基づき、組織全体で環境マネジメントシステム(EMS)を構築することを目指します。

具体的には、自社の事業活動が環境に与える影響を把握し、改善目標を設定します。その後、目標達成のために具体的な行動計画を立て、実行に移す流れです。成果は定期的に評価し、改善点を洗い出すことで、継続的に環境負荷を低減していく仕組みを構築します。

※参考:エコアクション21 中央事務局 一般財団法人 持続性推進機構(IPSuS)|一般財団法人 持続性推進機構

環境に配慮した商品のサステナビリティマーク・認証

環境に配慮した商品に、さまざまなサステナビリティマークや認証が付与されるようになりました。ここでは、代表的なサステナビリティマーク・認証について解説します。

エコマーク

環境保全に貢献すると認められた商品や製品につけられるマークです。公益財団法人 日本環境協会が運営しており、製品の製造過程から廃棄までのライフサイクル全体で環境負荷が少なく、リサイクル性が高いことなどが評価されます。

評価対象となるのは日用品、家電、OA機器、サービスなど幅広く、業種ごとに評価されるポイントが異なる点が特徴です。エコマークの取得により、消費者に環境への取り組みをアピールできるとともに、ブランドイメージの向上につながります。

※参考:エコマーク事務局|公益財団法人日本環境協会

C2C認証

C2C認証は、製品が廃棄物として終わらず、新たな資源として生まれ変わることを目指す、循環型経済の概念に基づいた認証制度です。対象は建築資材、家具、家電製品、衣料品、包装材など多岐に渡ります。認証機関は複数ありますが、代表的なのはドイツの環境保護促進機関(EPEA)です。

名称の「C2C」は「Cradle to Cradle」の略語であり、日本語では「ゆりかごからゆりかごまで」を意味します。製品が生まれたところから、再び別の製品の原料として生まれ変わるという、無限の循環をイメージした言葉です。そのため、認証を取得するには、リサイクルや再利用を考慮した製品設計が重要です。なお、正式名称は認証機関ごとに異なります。

※参考:Cradle to Cradle|EPEA GmbH

国際エネルギースタープログラム

国際エネルギースタープログラムは、家電製品やOA機器などのエネルギー効率を評価する世界的な認証制度です。日本では経済産業省・資源エネルギー庁が管轄し、アメリカと日本の両政府が合意して実施しています。

認証を得るためには、アメリカの環境保護庁(EPA)のエネルギースター基準を満たす必要があり、省エネルギーで作動する製品であることが条件です。認証の取得により、自社の製品が省エネ性能に優れていることを消費者にアピールでき、製品の競争力向上につながります。

※参考:国際エネルギースタープログラム|株式会社ピーツーカンパニー

省エネルギーラベリング制度

省エネルギーラベリング制度は、省エネ基準の達成率などを数値で表示するマーク(ラベル)で、経済産業省・資源エネルギー庁が管轄しています。現在は「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)」に基づいた小売事業者表示制度と名称が変わり、星の数で省エネ性能を表示するようになりました。

ラベルは、省エネラベル、統一省エネラベル、簡易版統一省エネラベルの3種類あります。対象は主に家電製品で、エアコンや冷蔵庫などが該当し、星の数が多いほど省エネ性能が高いことを示します。

※参考:省エネ法に基づくラベリング制度の理解と活用|経済産業省・資源エネルギー庁

環境に配慮した建物や観光業のサステナビリティマーク・認証

環境問題への関心の高まりとともに、建物や観光業においても、サステナビリティを重視する動きが加速しています。そこで、環境に配慮した建物や観光業における、代表的なサステナビリティマーク・認証について解説します。

LEED認証

LEED認証は、国際的な基準に基づき、人や環境に配慮した建物を評価する認証制度です。米国グリーンビルディング協議会(USGBC)という非営利団体が運営しており、学校やホテル、戸建住宅、共用住宅、小売店などの建物が対象となります。

LEED認証では、建物の環境性能を多角的に評価します。具体的には、エネルギー効率の高さ、水資源の有効活用、室内環境の質、建設材料の選定、廃棄物の削減などの項目が評価対象です。特に、再生可能エネルギーの導入や、環境負荷の少ない建材の使用を積極的に推進することで、より高い評価を得られます。

※参考:LEED とは|Green Building Japan

BIO HOTEL認証制度

BIO HOTEL認証制度は、サステナビリティに優れたホテルや旅館を認証する制度です。具体的には、再生可能エネルギーの利用、リサイクルの推進、地域社会との連携など、多岐に渡る取り組みが評価されます。

認証を取得した宿泊施設は、環境保護に対する積極的な取り組みのアピールにより、集客効果を期待できるでしょう。また、環境保護と観光業の活性化を両立させる「持続可能な観光(サステナブルツーリズム)」の推進にも貢献します。

※参考:What’s BIO HOTEL|BIO HOTELS JAPAN

グリーンキー

グリーンキーは、環境に配慮した宿泊施設を認証する国際的な制度です。ホテルや旅館などの宿泊施設が対象となり、環境負荷の低減に向けた取り組みが評価されます。2022年から一般社団法人JARTAが認証を行い、取得した施設にはサステナビリティマークが与えられる仕組みです。

グリーンキーの認証には、ごみの削減やリサイクル、省エネ、節水など環境保全活動の実施が求められます。たとえば、再生可能エネルギーの導入、オーガニック食材の使用、地域との連携など、さまざまな取り組みが評価の対象となります。

※参考:グリーンキーエコラベル|一社団法人JARTA

サステナビリティマークとSDGsの関係性

サステナビリティマークは、製品やサービスが環境や社会に配慮して作られていることを示すマークです。2030年までに達成を目指すSDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任、つかう責任」に深く関連しています。

SDGsの目標12は、私たちが日頃から行う消費活動を見直し、環境や社会に配慮した持続可能な消費の促進を目指す内容です。サステナビリティマークは、消費者が製品を選びやすくすることでSDGsの達成に貢献します。

また、サステナビリティマークは、エシカル消費とも深い関係があります。エシカル消費とは、環境や人、社会に配慮した消費活動のことです。サステナビリティマークがついた商品を選ぶことは、エシカル消費の実践に直結します。つまり、サステナビリティマークは、SDGsの目標達成とエシカル消費の両方に貢献しているといえます。

※参考:12.つくる責任、つかう責任|日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)

まとめ

サステナビリティマークは、企業の製品やサービスが、環境や社会に配慮して作られていることを示す認証マークです。第三者機関による公平な審査を経て取得するため、企業のブランドイメージ向上や競合との差別化にもつながります。

ゼロ炭素ポートは、企業の脱炭素化をサポートする総合的なプラットフォームです。脱炭素に関する情報発信だけでなく、エネルギー排出量を概算できるツールも提供しています。省エネの事例も豊富に掲載しているので、脱炭素化の取り組みを進める際は、お気軽にお問い合わせください。

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA