ゼロ炭素ポート

再生可能エネルギーの導入は企業に不可欠!導入方法も詳しく紹介

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2025年03月07日

脱炭素社会や地球の温暖化防止は、企業の役目だと考えられています。そのため、近年は再生可能エネルギーを導入する企業が増加しています。これから新しく再生可能エネルギーを導入しようとしている企業も多い状況です。それでは、再生可能エネルギーを導入するには、どうすればよいのでしょうか。

本記事では、企業が再生可能エネルギーを導入する背景、具体的な導入方法について解説します。再生可能エネルギーのメリット・デメリットもまとめているため、ぜひ参考にしてください。

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、自然界に存在し、繰り返し利用できるエネルギーのことです。具体的な定義を示すと「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できることが認められるものとして政令で定めるもの」が再生可能エネルギーとされています。

また、「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用および化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(以下高度化法という)」では、以下の7つが再生可能エネルギーとされています。

・太陽光
・風力
・水力
・地熱
・太陽熱
・大気中の熱その他の自然界に存在する熱
・バイオマス

いずれも自然に由来しており、化石燃料のように枯渇する心配はありません。

※参考:エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用および化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律|e-Gov 法令検索
※参考: PPAモデルの太陽光発電で企業の脱炭素への1歩を後押し|株式会社ヒナタオエナジーインタビュー | ゼロ炭素ポート

企業が再生可能エネルギーを導入する背景

企業はなぜ再生可能エネルギーを導入するのでしょうか。ここでは、その背景について解説します。

脱炭素社会を目指すため

地球温暖化の問題が深刻化しており、温室効果ガスの排出削減の手段として、再生可能エネルギーが注目を集めています。社会全体で脱炭素を目指す動きが加速しており、取引先が脱炭素に取り組んでいれば、サプライチェーンの企業も同様の動きが求められるようになっています。

この状況を踏まえると、脱炭素に取り組んでいない企業は競争に負ける可能性が高いです。よって、多くの企業が積極的に再生可能エネルギーの導入を進めています。

ESG経営の重要性が増しているため

現在、投資先を選ぶ基準としてESGが特に重視されています。ESGとは「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字をとったものです。利益だけでなく、ビジネスを取り巻く物事にも配慮した経営が評価されるようになっています。ESGに重きを置く投資方法は、ESG投資とも呼ばれています。

企業が投資家から資金を集めるには、ESGを重視した経営が不可欠です。ESG経営に力を入れるとステークホルダーから信頼を得やすく、企業価値の向上にもつながります。ESG経営の一環として、再生可能エネルギーを導入する企業が増えています。

再生可能エネルギーのマーケットが拡大しているため

企業が再生可能エネルギーを導入する背景には、マーケットの拡大もあります。地球温暖化対策やESG経営が重視されているため、再生可能エネルギーの市場規模は大きくなっています。再生可能エネルギーは新しいビジネスチャンスとしても捉えられており、再生可能エネルギー関連事業の新規参入も増加しました。

今後ますます注目度が上がる分野だと考えられており、再生可能エネルギーに関するビジネスを始める企業は、さらに増えていく可能性が高いです。

再生可能エネルギー導入のメリット

再生可能エネルギーを導入すれば、3つの社会貢献が可能です。それにより、企業イメージも向上します。ここでは、再生可能エネルギーを導入する具体的なメリットを解説します。

エネルギーの安定供給に貢献できる

再生可能エネルギーの積極的な導入は、エネルギーの安定供給につながります。従来から利用されている化石燃料は枯渇性資源であり、使用できる量には限りがあります。それに対して再生可能エネルギーは繰り返し利用でき、永続的に利用可能です。

枯渇する心配がないため、将来にわたってエネルギーを供給し続けられます。今後も自社のサービスを継続してスムーズに提供するうえでも、エネルギーの安定供給は重要です。

地球温暖化対策に貢献できる

再生可能エネルギーは、地球温暖化対策としても有効です。化石燃料を燃やせば二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが発生し、地球温暖化の原因になります。しかし、再生可能エネルギーを利用しても温室効果ガスは発生しません。

化石燃料ではなく再生可能エネルギーを活用すれば、地球温暖化の悪化を防げます。再生可能エネルギーの利用は地球温暖化対策の基本であるだけでなく、重要な手段として捉えられています。

エネルギー自給率の向上に貢献できる

再生可能エネルギーは、自然界に存在するエネルギーです。産油国から資源を輸入する従来の方法とは異なり、国内でエネルギーを調達できます。よって、再生可能エネルギーの導入が進めば、日本のエネルギー自給率を高められます。

多くの企業が再生可能エネルギーを積極的に活用すると、その分だけエネルギー自給率を高めることが可能です。他国に頼らずエネルギーを生み出せるようになります。

再生可能エネルギー導入のデメリット・課題

再生可能エネルギーの導入には、デメリットや課題も存在します。以下で、詳しく解説します。

発電量の安定が難しいエネルギーがある

再生可能エネルギーは、発電量のコントロールが困難です。再生可能エネルギーの多くは自然現象の影響を受けるため、状況によっては必要な量の電力を作り出せない可能性もあります。

そのため、再生可能エネルギーの活用を推進するうえでは、電力需給の調整が不可欠です。具体的には、発電量を調整したり、蓄電池を活用して電力を蓄えたりする必要があります。特定のエネルギーだけに頼らず、バランスよく活用することも大切です。

設置場所に制限がある

再生可能エネルギーを導入するには、基本的に大規模な設備を設置する必要があります。しかし、日本の国土は狭く、山間部も多いです。よって、国内における再生可能エネルギーの設備の設置場所には、制限があります。

このような状況で再生可能エネルギーをうまく活用するには、発電効率を向上させるための対策が重要です。限られた範囲でいかに発電量を増やすかがポイントとなります。

発電コストが割高である

再生可能エネルギーには、発電コストが割高だという問題もあります。再生可能エネルギーには買取制度がありますが、日本の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」における買取価格は21円/kWhです。

それに対してアラブ首長国連邦における買取制度の買取価格は、3円/kWh程度となっています。買取価格が安い背景には、日照時間の長さに加え、発電プラントの大規模化によるスケールメリットなど、発電コストの低下があります。

また、日本の場合、2020年の事業用太陽光発電の発電コストは12.9円/kWhでした。いずれは8.2~11.8円/kWh程度に下がると試算されているものの、現時点では発電コストが高い状況です。

※参考:電気をつくるには、どんなコストがかかる?|資源エネルギー庁

再生可能エネルギーの導入方法

ここでは、再生可能エネルギーの具体的な導入方法について解説します。

グリーン電力証書を利用する

企業が再生可能エネルギーを導入する方法としては、グリーン電力証書の利用も有効です。グリーン電力証書は、再生可能エネルギーで生み出した電力の価値を示す書類です。グリーン電力証書を購入すれば、通常の電力供給においても、購入分の電力量について再生可能エネルギーを利用したとみなされます。つまり、自社の再生可能エネルギーの割合を高められます。

グリーン電力証書を利用すれば、電力プランを切り替えたり、新しい発電設備を導入したりする必要はありません。より気軽に再生可能エネルギーを導入できます。

発電施設を設置する

自社で再生可能エネルギーを活用して電力を生み出すには、発電施設の設置が必要です。再生可能エネルギーの発電施設を自前で設置する方法としては、自家消費型太陽光発電やPPAモデルが一般的です。

自家消費型太陽光発電は、発電した電力を自社で消費する前提で発電施設を設置します。一方、PPAモデルは、自社が所有するスペースを発電事業者へ提供する方法です。発電した電力を利用するには料金を支払う必要があります。いずれの方法を選んでも、実際に再生可能エネルギーを利用できます。

電力を切り替える

再生可能エネルギーを利用するには、電力会社で契約しているプランを切り替える方法もあります。手続きを済ませれば、すぐに再生可能エネルギーの利用を開始できます。プランの活用により再生可能エネルギーを利用する方法は、主に3つです。それぞれの特徴について、以下で解説します。

再生可能エネルギー電気プランへの切り替え

電力会社は、再生可能エネルギーに由来する電力を供給するプランも用意しています。手続きを経てプランに切り替えれば、企業として再生可能エネルギーを導入したとみなされます。一度手続きすれば、それまで通り電気を使用するだけで再生可能エネルギーを利用することが可能です。

特に、再生可能エネルギーだけで発電し、得られた電力を100%供給するプランを選択すると、脱炭素化の達成を実現できます。

リバースオークションの活用

リバースオークションとは、再生可能エネルギー由来の電力の最低価格を企業が入札する方法です。入札条件にマッチする電気事業者を選定して契約します。一般的なオークションとは異なり、価格を競り下げて入札する仕組みです。

リバースオークションを利用すれば、より安価に再生可能エネルギーを利用できる可能性があります。ただし、リバースオークションに参加するには、過去1年分の電力使用量明細の提出が必要です。

再生可能エネルギーの共同購入

再生エネルギーの共同購入とは、自治体などが再生可能エネルギーの利用希望者を募集し、集まった企業や個人が共同で電力を購入する方法です。再生可能エネルギーの利用拡大を促す方法として実施されています。共同購入の場合、利用希望者が多いほど購買力が高まり、再生可能エネルギーを安価で利用できます。

ただし、再生可能エネルギーを提供する電気事業者を自由に選べるわけではありません。プランも決まっているため、自社の条件に合うかよく検討したうえで利用する必要があります。

まとめ

社会貢献や新たなビジネスチャンスの獲得などを目指し、多くの企業が再生可能エネルギーの導入に着手しています。再生可能エネルギーの導入方法は複数あるため、自社にとって最適な方法を選択することが大切です。なお、再生可能エネルギーのデメリットや課題にも注意したうえで、慎重に判断しましょう。

ゼロ炭素ポートでは、脱炭素に向けて企業ができる取り組みを紹介しているWebサイトです。自社だけでなく他社のソリューションも積極的に取り入れ、多様なニーズに対応できる情報を提供しています。脱炭素に取り組む企業にとって役立つ情報を多数扱っているため、ぜひご利用ください。

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA