持続可能な社会の実現に向けて、2015年の国連サミットで「SDGs」が採択されました。日本でも、再生可能エネルギーの普及をはじめ、積極的な取り組みが求められています。本記事では、再生可能エネルギーの種類や注目されている理由、SDGsとの関係性について解説します。
それでは、SDGsとは一体どのようなものなのでしょうか。ここでは、SDGsの概要を解説します。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月に開催された国連サミットにおいて「誰1人取り残さない」という宣誓のもと採択されました。地球環境の保護や貧困の解消、ジェンダーの平等をはじめ、さまざまな目標が掲げられており、2030年までの達成を世界的に目指しています。
※参考:第1節 持続可能な開発を目指した国際的合意 -SDGsを中核とする2030アジェンダ-|環境省
SDGsは、17の目標と169のターゲットで構成されています。17の目標は2030年に目指すゴール、169のターゲットは具体的にあるべき姿が提示されています。ターゲットを補足するものとして設定されているのが、232の指標です。232の指標は「グローバル指標」とも呼ばれており、目標の達成度合いを測定する役割を果たします。
※参考:持続可能な開発目標(SDGs)|外務省 国際協力局 地球規模課題総括課
続いて、再生可能エネルギーの定義や非化石エネルギーとの違いについて解説します。
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱のように、自然界に存在する資源を利用したエネルギーの総称です。石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料は、大量の二酸化炭素を排出するため、地球環境への影響が問題視されています。現在は、化石燃料による発電が高い割合を占めていますが、クリーンなエネルギーとして再生可能エネルギーの普及が急がれています。
エネルギーは、「化石エネルギー」「非化石エネルギー」の2つに大別されます。化石エネルギーとは、石油や石炭、天然ガスなどを燃焼することで得られるエネルギーです。一方、非化石エネルギーには「再生可能エネルギー」「原子力エネルギー」の2種類あります。
再生可能エネルギーは太陽光や風力などを活用し、化石燃料には頼らないため、非化石エネルギーとなります。
再生可能エネルギーには、いくつかの種類があります。ここでは、主な再生可能エネルギーとして、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの5つを取り上げ、それぞれの特徴や課題を解説します。
太陽の光エネルギーをソーラーパネルで集め、電気に変換する方法です。屋根や壁などにも気軽に設置できるため、一般家庭での導入も進んでいます。デメリットとしては、夜間に発電できない点、天候によって発電量が変動してしまう点が挙げられます。蓄電システムを活用するなど、発電したエネルギーを無駄にしない工夫が必要です。
風車が風を受けて回転する力を利用し、電気を生み出す方法です。ただし、風が弱いときは風車が回転しないため、発電できません。これまでは、台風などで風が強すぎると、事故や故障をまねくリスクがあるため、風車を停止していました。しかし、最近では、風が強く大規模な発電施設を計画しやすい海上での発電や、台風のエネルギーを利用する次世代の風力発電機の研究も進んでいます。
水が高い位置から低い位置に落ちるときに発生するエネルギーを利用し、発電する方法です。水車を回転させて発電機を動かし、電気を生み出します。「ダム式」「水路式」「ダム水路式」の3種類があり、水資源が豊かな日本に向いている方法です。大規模発電所の設置はコストがかかるため、近年はマイクロ水力発電(小規模水力発電)に注目が集まっています。
地中から取り出した蒸気でタービンを回して発電する方法です。太陽光や風力とは異なり、天候に左右されず安定して電力を供給しやすいといった特徴があります。火山国である日本は地熱発電に適した環境ですが、国立公園などに地熱資源が集中していることから、開発が進んでいないのが現状です。
今後、開発に関する規制が見直され、徐々に地熱発電の割合が増加していくことが予想されています。
バイオマスとは、化石燃料を除いた生物資源のことです。具体的には、木材や食品廃棄物、家畜の排泄物などが挙げられます。バイオマス発電では、生物資源を直接燃やしたり、ガス化してから燃やしたりして、電気を生み出します。本来であれば廃棄するものを再利用することから、再生可能エネルギーのひとつとして位置づけられています。
では、なぜ世界中で再生可能エネルギーの導入が進んでいるのでしょうか。ここでは、再生可能エネルギーが注目されている理由を解説します。
再生可能エネルギーは、二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量が少なく、地球温暖化対策としても有効です。日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しており、達成に向けた取り組みとして再生可能エネルギーの導入を推進しています。
経済産業省の発表では、現在のペースで使い続けた場合、石油は53.5年で枯渇するといわれています(2020年末時点)。また、天然ガスや石炭も限りある資源です。一方、太陽光や風力などを利用する再生可能エネルギーは、有限の化石燃料とは違い、枯渇する心配がありません。
エネルギー資源が乏しい日本において、海外からの輸入に頼らずに電気を生み出せる点も大きなメリットです。
再生可能エネルギーと関連が深いSDGsとしては、「目標7」「目標13」があります。ここでは、それぞれの目標の内容とターゲットを解説します。
SDGs目標7のキャッチコピーは、「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」です。世界中の人々が平等にエネルギーへアクセスできるようにするとともに、再生可能エネルギーの重要性について言及しています。国連による調査では、再生可能エネルギーの割合は年々増加しているものの、2020年時点では全体の約20%に留まっていると発表されています。
※参考:7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに|公益財団法人 日本ユニセフ協会
目標7は、下記5つのターゲットで構成されています。
| 7.1 | 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する |
| 7.2 | 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる |
| 7.3 | 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる |
| 7.a | 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する |
| 7.b | 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国の全ての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う |
※引用:7: エネルギーをみんなに そしてクリーンに|外務省
SDGs目標13のキャッチコピーは、「気候変動に具体的な対策を」です。ターゲットやグローバル指標に「再生可能エネルギー(renewable energy)」の文言は含まれていませんが、再生可能エネルギーの普及が気候変動の具体的な対策となるため、関連深い項目として位置づけられます。
目標13は、下記5つのターゲットで構成されています。
| 13.1 | 全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する |
| 13.2 | 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む |
| 13.3 | 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する |
| 3.a | 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる |
| 13.b | 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する |
最後に、再生可能エネルギー普及に向けた世界・日本の取り組みを紹介します。
2050年までに二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル」に関する取り組みについて、多くの国が実施しています。欧米諸国を中心に再生可能エネルギーの発電比率は高まっており、40%を超えるケースも少なくありません。特に、水資源が豊かなカナダでは、水力発電が占める割合は60%を超えています。
日本も2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいるものの、再生可能エネルギーの発電比率は約20%となっており、欧米諸国と比べると若干の遅れが見られます。現在、国や自治体がさまざまな補助金を用意し、再生可能エネルギーの導入を促しています。今後は、安全面や防災面、景観などに配慮しながら推進されていく見込みです。
再生可能エネルギーの普及は、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するために欠かせない取り組みの1つです。国や自治体はもちろん、企業や個人にも地球環境を意識した行動が求められています。
「自社で再生可能エネルギーを導入したい」「エネルギーコストを最適化したい」という場合は、ゼロ炭素ポートをご活用ください。ゼロ炭素ポートでは、CO2排出量計算ツールやコラムをはじめ、役立つ情報を発信しております。補助金に関するご相談も個別に承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA