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再生可能エネルギーで太陽光発電を導入するメリット・デメリットを解説

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2025年03月06日

地球温暖化の対策として、世界的に再生可能エネルギーの導入が注目されています。企業でも再生可能エネルギーの発電に向けた取り組みが普及しています。

本記事では、太陽光発電を導入する場合、どのようなメリット・デメリットがあるのかについて解説します。再生可能エネルギーの発電方法として、太陽光発電を導入する際の参考にしてください。

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、何度でも再利用できるエネルギーのことを指します。持続的にエネルギー源として利用できるため、枯渇しません。エネルギーの生産時に、CO2をはじめとする温室効果ガスを排出しないことも特徴です。

従来エネルギー源として主流だった石油や石炭などの化石燃料は、一度燃焼して利用すると二度と利用できません。枯渇するおそれもあるうえに、燃焼してエネルギーを生成するため、温室効果ガスが発生します。

「エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(以下高度化法という)」では、下記のように再生可能エネルギーを定義づけています。

3この法律において「再生可能エネルギー源」とは、太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるものをいう。

再生可能エネルギーは温室効果ガスを排出せず、国内でも生産できるため、主力電源化へ向けてさまざまな取り組みが実施されています。

※参考:再生可能エネルギーの特徴|経済産業省
※引用:エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律|e-Gov法令検索

再生可能エネルギーの種類

再生可能エネルギーには、いくつか種類があります。以下では、再生可能エネルギーの主な種類と特徴について解説します。

種類 特徴
太陽光 ・専用のパネルを利用して、太陽の光を直接電力にする ・産業用から住宅用まで規模はさまざま
風力 ・風車を利用して、風の動力を活用して発電 ・電力への変換率が比較的高い
水力 ・水の流れによって生じるエネルギーを活用する ・ダムから水が落ちる力を利用することが多い
地熱 ・地球内部にあるマグマ熱を利用して発電 ・天候に左右されにくい反面、設置場所が限定されている
バイオマス ・木材や廃棄物、排せつ物などの生物資源を燃焼して発電 ・樹木はCO2を吸収し光合成をして成長するため、エネルギーの生産時に生じるCO2は均衡しているとみなされる

※参考:再生可能エネルギーの特徴|経済産業省
※参考:太陽光発電|経済産業省
※参考:風力発電|経済産業省
※参考:水力発電|経済産業省
※参考:地熱発電|経済産業省
※参考:バイオマス発電|経済産業省

自然エネルギーとの違い

自然エネルギーは、再生可能エネルギーうちの1つです。太陽光や風力、水力など、自然現象を資源としてエネルギーを発電します。自然エネルギーは次世代エネルギーとして、世界的に注目されているといえます。

※参考:「自然エネルギーと再生可能エネルギー」の違いを徹底解説|能代市

再生可能エネルギーが注目されている理由

ここでは、再生可能エネルギーが世界や日本で注目されている理由を解説します。

温室効果ガスの削減

再生可能エネルギーは、温室効果ガスの排出を抑えられます。再生可能エネルギーが注目されるきっかけとなったのが、2015年のパリ協定です。地球上の気温を産業革命以前と比較して2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑えるよう努力することが目標として掲げられました。

地球温暖化の要因とされている温室効果ガスの排出量を削減するために、世界中で再生可能エネルギーに注目し、さまざまな取り組みを実施しています。

※参考:気候変動対策、どこまで進んでる?初の評価を実施した「COP28」の結果は|経済産業省

カーボンニュートラル

カーボンニュートラルとは、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする取り組みのことです。日本においても、2020年にカーボンニュートラルが宣言されました。カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの活用は欠かせない要素です。

※参考:第3節 2050年カーボンニュートラルに向けた我が国の課題と取組|経済産業省

RE100

RE100の「RE」は、Renewable Energyの頭文字を取った言葉で、再生可能エネルギーを意味します。RE100は企業の事業用電力を100%再生可能エネルギーで賄うという、世界的な目標です。2018年6月に、環境省はアンバサダーとしてRE100に参画しています。

※参考:RE100とは?|環境省
※参考:環境省RE100の取組|環境省

再生可能エネルギーには太陽光発電がおすすめ

再生可能エネルギーの導入を検討している場合は、太陽光発電がおすすめです。以下では、太陽光発電の特徴や発電の仕組みを解説します。

太陽光発電とは

太陽光発電とは、太陽電池を使用して太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方法です。国内のエネルギー供給を海外に頼らず行えるうえに、エネルギー源を購入しなくてもよいため、長期的なコスト削減にもつながります。発電時に温室効果ガスを排出せず、環境への負荷も低い点も特徴です。

産業用電力として大規模な導入が行われている太陽光発電ですが、家庭用の太陽光発電システムも普及しています。一般社団法人 太陽光発電協会の「太陽光発電の状況(2020年)」によると、2019年度の住宅用(10kW未満)太陽光発電導入件数は、約9%を占めます。

※参考:太陽光発電|経済産業省
※参考:太陽光発電の状況|一般社団法人 太陽光発電協会

太陽光発電の仕組み

太陽光発電は、太陽の光エネルギーを電気に変換する仕組みです。「n型半導体」と「p型半導体」という2つの板を貼り合わせて、太陽光パネルは構成されています。電子(ー)が「n型半導体」へ、正孔(+)が「p型半導体」に集まり、導線を接続した際に電力が生成されます。

家庭や企業で使用されるのは交流電力であり、生成された電力は直流電力です。交流電力にして使用するためには、専用のインバーターを介して変換する必要があります。

再生可能エネルギーに太陽光発電を導入するメリット

太陽光発電を再生可能エネルギーとして導入すると、多くのメリットを得られます。以下で、詳しく解説します。

温室効果ガスの削減につながる

再生可能エネルギーは燃料を燃焼してエネルギーを生む必要がないため、温室効果ガスは発生しません。温室効果ガスの排出量を削減できる上に、地球環境保護や脱炭素につながります。再生可能エネルギーは、環境に優しいエネルギー源だといえるでしょう。

エネルギー自給率が向上する

日本におけるエネルギー自給率の向上にもつながります。石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料は海外から原料を輸入しなければならないため、依存度が高いのが現状です。価格上昇や原料の枯渇などの理由で燃料の輸入できない状況になれば、日本国内の電力が不足します。

一方再生可能エネルギーは、太陽光や風、水をエネルギー源としており、持続的に利用可能です。太陽がなくなったり風が吹かなくなったりしない限り、枯渇する心配がありません。

電力会社に売却できる

再生可能エネルギーであれば、余った電力を電力会社へ売却できるという点もメリットです。自社で発電した電力を使用しきれない場合、電力会社へ電力を売却できます。売却すれば電力会社から収益を得られることに加え、電力を無駄にしなくて済むでしょう。

自社で発電した電力を売電できる制度は、さまざまな国で導入されており、注目されています。地域のエネルギー供給のサポートにもつながります。

電気代のコスト低減につながる

自社で電力を作成・使用できるため、電気代の節約にもつながります。自社での発電したエネルギーで必要な電力を賄えるため、電力会社から購入する電力量を削減可能です。電気代の節約が可能になるでしょう。

発電方法も太陽光のため、燃料を購入する必要がなく、燃料費がかかりません。導入にコストはかかりますが、長期的に見ると電気代の節約につながる発電方法だといえます。

災害時の非常用電力になる

災害時に電力供給が止まった場合でも、電気を使用できます。太陽光発電は太陽の光があれば電力を生成できるため、災害時に必要な電力を補えることもメリットといえるでしょう。

ほとんどの太陽光発電設備には、停電時に自家発電モードに切り替える機能がついています。BCP対策(事業継続計画)の一環として活用できるため、さまざまな企業や医療機関で災害時も業務の継続可能性を向上させます。

※参考:1.1 BCP(事業継続計画)とは|中小企業庁

企業評価が向上する

地球温暖化や環境保護は社会的な課題であり、企業には解決に向けたさまざまな取り組みが求められています。企業が太陽光発電を導入すれば、社会的責任の活動としてアピールできます。持続可能なビジネスへコミットしていることを示せるため、消費者や投資家からの評価が上がり、企業イメージの向上につながるでしょう。

場所を選ばずに設置しやすい

太陽光発電の場合は、他の再生可能エネルギーと比べて、場所を選ばなくても設置しやすいというメリットがあります。大規模な太陽光発電設備もある一方、ビルの屋上や屋根、空き地などに設置することも可能です。太陽光が当たる場所であれば柔軟に設置場所を決められるため、比較的導入しやすいといえます。

地域の活性化につながる

太陽光発電の導入には、モジュールやアレイを設置する工事が不可欠です。設備の設置や電力の生成には人手が欠かせないため、雇用機会が拡大したり、新しいビジネスが誕生したりする可能性が高まります。実際に再生可能エネルギーを導入しているドイツでは、雇用者が年々増加しているといわれています。

※参考:ドイツ 2022年の再生可能エネルギー部門の雇用者数は前年比で大幅増加|一般財団法人環境イノベーション情報機構

再生可能エネルギーに太陽光発電を導入するデメリット

太陽光発電には多くのメリットがある一方で、課題点もあります。ここでは、設置前に知っておきたい、再生可能エネルギーとして導入するデメリットを解説します。

初期費用がかかる

太陽光発電を導入するデメリットとして、設置するためのコストがかかるという点が挙げられます。太陽光パネルをはじめとした必要な設備の購入費用、設置費用、専門家の手数料などを初期費用として負担しなければいけません。

しかし、長期的に見るとコスト削減につながっており、環境保護にも貢献できるため、初期費用を回収できる可能性が高くなります。補助金を利用して、コスト削減も可能です。

天気に左右される

太陽光発電は、天気によって発電量にムラが生じてしまうというデメリットがあります。雨や曇りなどで日照量が少なければ、発電量が少なくなります。需要よりも発電した電力が足りなければ、電力会社から電気を購入しなければいけません。多くの電気を発電するには、太陽光パネルを設置する方角や角度なども重要です。

発電効率が低い

太陽光発電は、火力発電や原子力発電よりも発電効率が低い傾向にあります。発電効率が高い水力発電は普及率も高い発電方法ですが、さらなる拡大は難しいといわれています。太陽光発電は普及が拡大し、市場規模が大きくなれば、太陽光パネルの品質向上につながり、発電効率の向上も期待できるでしょう。

メンテナンス費用がかかる

太陽光パネルやその他設備は経年劣化するため、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスは専門知識を有する外部スタッフに依頼すると安心ですが、依頼費用が発生します。ランニングコストも踏まえた費用対効果を計算しておくことが大切です。

トラブルが発生するおそれがある

鏡面の建物や水面、雪などの反射光などにより、過熱や損傷などのトラブルが起きるリスクを考慮しなければいけません。パネルの設置場所や角度、周辺環境に気をつけて設置する必要があります。

再生可能エネルギーに太陽光発電を導入する際のポイント

ここでは、太陽光発電を再生可能エネルギーとして導入する際に、意識したいポイントを紹介します。

固定価格買取制度(FIT制度)を利用する

「固定価格買取制度(以下「FIT制度」という。)」は、企業が発電した電力を、電力会社が一定価格・期間で買い取ることを国が保証する制度です。再生可能エネルギーの普及と自給率の向上を目的としています。発電量によって買い取りの保証期間は異なりますが、FIT制度を利用すれば初期費用を回収できる可能性が高まります。

※参考:再生可能エネルギー - FIT・FIP制度 ガイドブック|経済産業省

太陽光発電への投資を検討する

太陽光発電への投資を検討してもよいでしょう。太陽光発電は、不動産投資と比べても需給や景気変動リスクが小さく、長期的な収益獲得が期待できる投資先です。SDGsにも貢献しながら収益を見込める投資だといえます。

補助金制度を利用する

導入費用が高額な場合は、補助金制度の利用を検討しましょう。導入するタイミングにもよりますが、国が再生可能エネルギーの普及に向けて補助金を出している場合があります。地域や国における補助金や、優遇措置の違いを理解したうえで申し込むことが重要です。

リースや電力購入契約(PPA)の活用

リースや電力購入契約(PPA)の活用も、初期費用削減にもつながります。高額な初期費用が懸念点となっている場合は、導入を検討してみてください。将来的に契約条件・期間・価格などが変動する可能性もあるため、あらかじめ確認しておく必要があります。

※参考:PPA/TPOについて|一般社団法人 太陽光発電協会

蓄電池の導入

雨や曇りが続いて発電効率が低い時期や、夜間でも電力供給できる蓄電池の導入を検討してもよいでしょう。BCP対策としても有効で、災害発生時や停電時にも電力を使用でき、事業を継続できます。

※参考:1.1 BCP(事業継続計画)とは|中小企業庁

まとめ

再生可能エネルギーを検討している場合、太陽光発電も選択肢の1つです。太陽光発電は太陽の光を浴びる場所であれば、建物の屋上や屋根の上など、場所を選ばずに設置できるため、他の再生可能エネルギーと比べて導入しやすくなっています。また、BCP対策としても有効な発電方法だといえます。

太陽光発電の導入でお困りの方は、ゼロ炭素ポートを活用してみてください。自社に限らず他社とも協力してさまざまなソリューションを提供しています。スムーズな太陽光発電の導入をサポートしているため、ぜひお役立てください。

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA