ゼロ炭素ポート

CO2削減の取り組み事例を紹介!メリットや方法についても解説 

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2025年02月14日

地球温暖化の進行により、CO2削減は今や世界中で取り組むべき課題です。各国の取り組みが進む中、日本でも企業活動の中でCO2削減を実現することが求められています。 

この記事では、CO2削減目標の取り組み事例や、具体的な方法などについて解説します。CO2の削減を検討している人は、参考にしてください。 

CO2の排出量削減は企業にも求められる取り組み 

CO2排出量の削減は、国だけではなく、企業にも求められている課題です。企業は事業活動によって多くのエネルギーを消費し、その結果、大量のCO2を排出しています。環境省は、脱炭素経営を「経営の重要課題」として位置づけ、企業が事業を継続するうえでの重要な取り組みであるとの方針を示しています。 

パリ協定とは 

パリ協定は、2015年に国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)で採択された、国際的な枠組みです。地球の平均気温上昇が産業革命以前の水準より2℃を超えないことを、目的としています。そのうえで、さらに1.5℃以内に抑える努力を各国に求めています。 

SDGsとは 

SDGs(持続可能な開発目標)は、国連が2015年に採択した17の目標と169の具体的なターゲットから構成される、世界共通の目標です。先進国だけでなく発展途上国も取り組むべき内容として策定されました。 

SDGsの目標のうち、目標13「気候変動に具体的な対策を」はCO2削減を含む温暖化対策に言及しており、世界を挙げて削減に向けた役割を果たすことが求められています。

CO2の排出量削減に関連する施策 

ここでは、CO2の排出量削減に関連する施策について解説します。 

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略は、政府が主導している2050年カーボンニュートラルの実現に向けた計画です。具体的には、成長が見込まれる14の分野を対象とした実行計画を指しており、産業政策とエネルギー政策の2つから成ります。 

対象となる14の分野は、以下のとおりです。 

【エネルギー関連産業】 

・洋上風力、太陽光、地熱 
・水素・燃料アンモニア 
・次世代熱エネルギー 
・原子力 

【輸送・製造関連産業】 

・自動車、蓄電池 
・半導体、情報通信 
・船舶 
・物流、人流、土木インフラ 
・食料・農林水産業 
・航空機 
・カーボンリサイクル・マテリアル 

【家庭・オフィス関連産業】 

・住宅、建築物、次世代電力マネジメント 
・資源循環関連 
・ライフスタイル関連 

グリーントランスフォーメーション(GX) 

グリーントランスフォーメーション(GX)は、クリーンなエネルギーを用いて持続可能な社会をつくるための取り組みを指す言葉です。化石燃料に依存しない社会を目指し、エネルギーに関する社会のあり方の変革を目標としています。「GX実行会議」により、2022年には、GXに関する方針が策定されています。 

企業がCO2削減に取り組むメリット 

ここでは、企業がCO2削減に取り組むメリットについて解説します。 

イメージがアップする 

環境問題が世界的な関心事となっている現代において、CO2削減は、社会全体で行うべき取り組みといえます。CO2削減に積極的に取り組んでいることをアピールすれば、企業としての社会的信頼を高められるでしょう。結果として、企業のイメージアップにもつながります。 

取引先からの要望に応えられる 

多くの企業が、環境問題への対応を重要視するようになっています。そのため、取引先からCO2削減の取り組みに関する具体的な計画や排出量の測定結果などを求められるケースも増えるでしょう。自社がすでにCO2削減に取り組んでいれば、こうした要望にもスムーズに対応可能です。 

資金調達がしやすくなる 

金融業界では、ESG投資が注目されています。ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの観点から、環境や社会に配慮した企業へ投資することです。CO2削減への取り組みを進めることで、ESG投資を推進する金融機関からの支援を受けやすくなります。 

企業がCO2削減に取り組む方法 

ここでは、企業がCO2削減に取り組む方法について解説します。 

再生可能エネルギーを活用する 

空いている土地や社屋の屋根に太陽光発電システムを設置することで、事業で利用する電力の一部を再生可能エネルギーでまかなえます。化石燃料を用いる電力の使用量が減るため、CO2排出の削減に貢献できます。さらに、太陽光発電システムは、災害時の非常用電源としても有用です。 

エネルギーを節約する 

エネルギーの節約も、CO2削減につながります。例えば、照明を蛍光灯からLEDに変えれば、消費電力の削減が可能です。こまめに電気を消す、空調の設定温度を見直すといったシンプルな取り組みも、手軽に実践可能でありながらオフィス全体で行えば一定の効果が期待できます。 

カーボンオフセットを活用する 

カーボンオフセットは、CO2削減に努めたうえで、削減しきれない分を別の方法で埋め合わせる取り組みです。具体的には、森林保護やクリーンエネルギー事業の支援を行うことにより、CO2排出を相殺します。 

カーボンオフセットへの取り組みに信頼性をもたせるために政府が設けた制度が、J-クレジット制度です。同制度で購入した「クレジット」は、CO2削減分として換算でき、カーボンオフセットの実現につながります。また、実際にCO2の削減に取り組んだ場合にもクレジットが得られ、クレジットの売却量に応じて資金を得られます。 

企業による取り組み事例 

ここでは、企業によるCO2削減の取り組み事例を紹介します。 

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車は、新車CO2ゼロチャレンジを行っています。新車CO2ゼロチャレンジとは、新車のCO2排出量を、2035年までに2019年比50%以上の削減を目指すものです。この目標の達成に向け、より効率を重視した電気自動車の開発や、水素を用いた車の開発などを進めています。 

JALグループ 

h3JALグループ 

JALグループは、JALグループ全体で意識すべき環境方針を定め、環境に関する取り組みを推進しています。特筆すべき点は、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指していることです。 

具体的な事柄としては、SAF(持続可能な航空燃料)を他社と共同調達して活用するといった取り組みを行っています。 

日清食品ホールディングス株式会社 

日清食品ホールディングスは、インターナル・カーボンプライシング(以下「ICP制度」という。)を導入しています。ICP制度とは、CO2の価格設定および排出量の可視化によって、設備を導入するかどうかの判断基準にする制度です。コストの可視化を通して、環境に配慮した設備の導入が促進されるようになりました。 

CO2削減が自治体にとっても重要である理由 

CO2削減は、政府や企業だけではなく、自治体にとっても積極的に取り組むべき重要な課題です。自治体がCO2削減に取り組むメリットは、以下のとおりです。 

・地域資源を活かせる 
・災害への対応力を高められる 
・国からの支援を受けられる 

など 

ゼロカーボンシティとは 

ゼロカーボンシティとは、CO2の排出量削減(ゼロカーボン)に向けた取り組みの推進を表明した自治体を指す言葉です。ゼロカーボンシティは、自治体全体でCO2の排出量と吸収量の実質ゼロを目指します。 

ゼロカーボンシティであることを表明する方法の例は、以下のとおりです。 

・定例記者会見やイベントなどで首長が表明する 
・議会で首長が表明する 
・各自治体のホームページを通して表明する 

自治体による取り組み事例 

ここでは、自治体によるCO2削減の取り組み事例を紹介します。

札幌市 

札幌市は、市街地の開発とカーボンニュートラルへの取り組みを連動させている自治体です。下記のような取り組みを通して、よりエネルギーを活用しやすいまちをつくり、低炭素化を図っています。 

・熱供給に関わるネットワークの整備 
・再エネ施設の整備 
・水素ステーションの整備 など 

宇都宮市 

宇都宮市は、以下の2点の取り組みを組み合わせている自治体です。 

・ネットワーク型コンパクトシティの形成 
・カーボンニュートラル 

特に、交通周りに関する脱炭素化が進められています。 

具体的には、次世代型路面電車システムであるLRTを導入することで、移動がスムーズかつ環境に優しい交通網の形成を目指しています。 

秋田県 

秋田県は、地元のプロバスケットボールチームと連携して、カーボンニュートラルへの取り組みを実施しています。具体的には、バスケットボールチーム「秋田ノーザンハピネッツ」の試合の1つを「ゼロカーボンゲーム」と位置づけて開催しました。このゲームでは、ゼロカーボンをアピールするブースを設け、県民の意識を高めるための啓蒙活動を行っています。 

まとめ 

企業も自治体も、CO2削減に向けた多様な取り組みを実施しています。取り組み事例を知ったうえで、自社に適した施策を検討してみてはいかがでしょうか。 

自社でCO2削減に向けて取り組みを進めたいなら、「ゼロ炭素ポート」をご活用ください。自社が排出しているCO2の量を計測でき、自社の現状把握に役立ちます。現状を把握することで、削減に向けたさまざまな施策を立てられます。 

CO2削減に向けてサポートを受けたい際には、ぜひお問い合わせください。 

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA