ゼロ炭素ポート

省エネと節電の違いは?必要な理由や具体的な対策など詳しく解説 

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2024年12月13日

「省エネ」と「節電」とは似た言葉ですが、対象や目的に明確な違いがあります。2つの共通点や違いを理解しておくことで、目的に沿った行動をとることができるでしょう。 

この記事では、省エネと節電について詳しく解説します。それぞれの違いや必要性、また具体的な実施の方法についても解説するので、参考にしてください。 

省エネと節電の違いとは 

「省エネ」と「節電」は、どちらもエネルギーの効率的な利用を目指す取り組みですが、厳密には異なる概念となります。ここでは、それぞれの違いについて詳しく解説します。 

省エネとは 

省エネは、「省エネルギー」の略です。電力だけでなく、石油やガスなどのエネルギー全般の消費を削減することを指します。省エネの具体的な方法には、エネルギー効率の高い機器の導入や、無駄なエネルギー使用の見直しなどが挙げられます。種類を問わず、総合的なエネルギー使用量の削減を目指すのが省エネです。 

節電とは

節電は、主に電力の使用量を減らすことに焦点を当てている概念です。特に、電力需要が高まるピーク時の電力消費を抑えることで、電力供給の安定化や停電のリスク軽減を図ることが、節電の主な目的といえます。 

電力もエネルギーの1つであるため、節電もまた省エネの一部と考えられるでしょう。ただし、節電と省エネが全く同じものではないことを理解する必要があります。 

節電・省エネはなぜ必要?

節電や省エネが重視される理由には、エネルギー資源の持続可能な利用や地球温暖化防止、経済的メリットといった観点が挙げられます。 

日本はエネルギー資源の産出が少なく、多くを輸入に頼っている国です。近年ではエネルギー高騰の傾向もあり、省エネによってエネルギーの安定供給とコスト削減を実現できます。さらに省エネは環境問題への取り組みの1つとして、社会的責任を果たすことにもつながるため、企業価値の向上にも役立つでしょう。 

企業が取り組める節電・省エネ対策20選 

ここからは、企業が取り組むことのできる節電や省エネの方法を解説します。費用をかけずに取り組めるものもあるため、できるところから実施を検討してみましょう。 

1.LED照明への切り替え 

従来の蛍光灯や白熱灯からLED照明に変更することで、消費電力を大幅に削減できます。LEDは電力消費量が少ないだけではなく、長寿命で交換頻度も少なく済むため、ランニングコストの削減にも効果が期待できます。さらに明るさ調節がしやすく、無駄な電力を使わずに済む環境にやさしい光源といえるでしょう。 

2.照明の適切な管理 

照明のオンオフを適切に管理することは、無駄な電力消費を抑えることにつながります。人のいないエリアで照明を自動的にオフにできるよう、人感センサーやタイマーを導入するのがおすすめです。特に共用スペースやトイレ、会議室などに導入すると、消し忘れを防げて効果的に省エネ・節電ができます。 

3.空調設備の効率化 

空調のフィルターを定期的に清掃したり、メンテナンスを行ったりすることで、効率的な運転を継続できます。清掃とメンテナンスは故障を防ぐことにもつながりますが、高所など難しいものは業者へ依頼しましょう。古くなった空調機器を、省エネ型に交換するのも効果的です。空調負荷を大幅に軽減でき、省エネにつながります。 

4.適切な温度設定

省エネ・節電のためには、冷暖房の設定温度を、適切に管理することが重要です。冷暖房時の室温の目安は、夏場は28度、冬場は20度といわれています。したがって室内の見えやすい場所に温度計を設置し、目安よりも上下しすぎないように設定温度をこまめに管理することで、快適さを保ちつつエネルギー消費を抑えられるでしょう。 

5.断熱対策の強化

窓や壁の断熱性能を向上させることで、外気温の影響を減らし、冷暖房の効率を高めることができます。例えば、二重ガラスの窓や樹脂製サッシ、断熱フィルムなどを導入することで、室温が外気温に左右されにくくなるでしょう。壁に断熱材を入れたり、塗装の際に断熱塗料を選んだりするのもおすすめです。 

6.省エネ型オフィス機器の導入 

オフィスでは、エネルギー効率の高いパソコン、コピー機、プリンターなどを使用することで、日常的な電力消費を抑えることができます。古い機材は、電源を入れておくだけで多量の電力を消費するケースもあるため、状況によっては買い替えを検討するのがおすすめです。 

最新の省エネ機器は、自動的に省エネモードに切り替わる機能も備えており、大きな省エネ効果を期待できるでしょう。 

7.待機電力の削減 

われていないオフィス機器が消費する電力は、総合すればかなりの量になることがあります。オフィス機器を使わない時には、電源を必ずオフにするよう徹底し、待機電力の消費を抑えると効果的です。特に夜間や週末、長時間使わない機器の電源は、主電源から切るようにするとよいでしょう。

8.エネルギー管理システムの導入

エネルギー使用状況をリアルタイムで監視することのできる管理システムを導入すると、無駄を発見して改善することが可能にです。近年エネルギー管理システムは、特に大規模なオフィスビルや工場で導入が進んでいます。エネルギーの流れや省エネ度合いを見える化することで、従業員の関心をひき、効率的なエネルギー管理が実現します。 

9.自然光の活用

日中はカーテンやブラインドを開けて、外からの自然光を取り入れることで、照明の使用を最小限に抑えることができます。自然光は照明に比べて目にも優しく、快適です。特に窓が多いオフィスでは、自然光を活用することで快適さと省エネを両立できる可能性があるでしょう。 

10.従業員への省エネ教育 

従業員に省エネの重要性を伝え、日常的に節電を意識するよう教育することで、職場全体で省エネの習慣が根付きます。日常で省エネを実施するのは従業員1人ひとりです。各自が省エネの重要性に気付けば、自然と省エネになる行動を取りやすくなります。したがって、従業員が自主的に省エネを意識するようになることで、より大きな効果が期待できるのです。 

11.エレベーターの効率的運用 

エレベーターの利用を効率化すると、その分の消費エネルギーを削減できます。エレベーターの使用頻度を減らすには、低層階への移動に階段を使用するよう奨励するとよいでしょう。エレベーターを使わずに階段を利用すること

12.自動販売機の見直し 

オフィス内の自動販売機の設置台数や稼働時間を適切に管理しましょう。自動販売機は、必要な時間帯だけ稼働させるのが基本です。夜間や休日に稼働を止めるなどの工夫をすることで、電力消費を抑えられます。なお自動販売機の他に、ウォーターサーバーやコーヒーサーバーなどが設置されている場合も同様です。 

13.給湯設備の効率化 

給湯器はエネルギー消費の大きな設備の1つです。古い給湯器が設置されたままになっている場合、高効率な製品に交換して使用時間を限定することで、エネルギー消費を削減できるでしょう。また、勤務時間外など、必要な時以外はお湯を提供しないようにすると、電力やガスの無駄を防げます。電源を切れる機種の場合は、オフにするのもおすすめです。 

14.デマンドコントロールの実施 

電力使用量がピークになる時間帯に合わせて機器の使用を調整することで、契約電力を抑え、節電効果を高めることができます。これをデマンドコントロールと呼びます。電力は通常、ピークの時間帯に高額になる傾向があるため、特にエネルギー消費が大きい企業にとって、大きなメリットとなるでしょう。 

15.再生可能エネルギーの導入 

再生可能エネルギーを導入することで、従来のエネルギーコストを抑えながら省エネが可能になります。企業で導入しやすい再生可能エネルギーは太陽光発電システムです。自家発電によって外部からの電力依存度を減らすことができます。余剰電力を売電することも可能で、電力コストの削減にもつながるでしょう。 

なお再生可能エネルギーの提供業者と契約を結び、化石燃料由来のエネルギーを削減するという省エネ方法もあります。 

16.グリーンITの推進

グリーンITとは、IT技術を利用した省エネ、もしくは省エネにつながるIT機器の総称です。例えば、クラウドサービスやサーバーの仮想化を活用して自社のサーバー設備を減らす方法では、エネルギー効率を高めながらITインフラの電力消費を削減できます。省エネにつながる技術活用は難しいと感じる場合、専門家に相談するとさまざまな提案が受けられるでしょう。 

17.車両の燃費改善 

社用車のエコドライブを推奨すれば、燃料消費とCO2排出量の双方を削減できます。エコドライブを実現するには、燃費のよい車両への切り替えのほか、適切な車両メンテナンスの実施も効果的です。エンジンオイルの劣化やエアフィルターの目詰まりなどは燃費が落ちるばかりか、故障の原因にもなるため、定期的なメンテナンスをおすすめします。 

18.ペーパーレス化の推進 

職場のデジタル化を進め、ペーパーレスな業務を目指すことで、紙と印刷に関わるエネルギー消費と廃棄物を削減できます。デジタル文書管理を導入すれば、大幅に業務の効率化が図れるでしょう。文書がデジタル化していると、ファイリングの手間や文書の保管場所が必要なくなり、さらに検索機能で必要な文書をすぐ探せるメリットもあります。 

19.リサイクルの徹底 

廃棄物の分別を徹底し、リサイクルを促進することで、資源の無駄を削減できます。特に、紙やプラスチックの分別回収は、環境負荷の軽減に貢献する行動です。従業員にも分別方法を徹底し、全体で実施してください。なお企業のごみの分別方法は、契約している回収業者や自治体によって違うため、不明な場合は問い合わせてみましょう。 

20.省エネ診断の実施 

専門家によるエネルギー診断を受けることで、エネルギー消費の無駄を見つけ、具体的な改善策を導入できます。この診断は、通称「省エネ診断」と呼ばれています。省エネ診断のメリットは、診断結果に基づいて省エネ対策に取り組むことで、効率的な省エネ対策が実現することです。効果の上がりやすい省エネのポイントを見極めるため、ぜひ診断を利用しましょう。 

まとめ 

省エネと節電は、厳密には違うものですが、いずれも企業としての社会的責任やエネルギー使用による環境負荷を考えたときに必要な対応です。自社のエネルギー利用の現状に目を向け、省エネできるポイントを探してみるとよいでしょう。 

省エネのポイントがなかなか見つからないときは、参考情報を集めたWebサイト「ゼロ炭素ポート」をご覧になってみてください。省エネのヒントや実例がたくさん掲載されており、企業が省エネに取り組む際の参考にしていただけます。 

また、「ゼロ炭素ポート」では、他社とも協力して最適なソリューションをご提案しています。高効率の省エネで大きなメリットを得たいと考えるなら、個別のご相談もぜひご利用ください。 

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA