ゼロ炭素ポート

省エネとは?企業ができる活動や日本が取り組んでいることなど解説 

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2024年12月13日

省エネルギー(省エネ)を実現するには、企業でもさまざまな活動を実施する必要があります。省エネとは、石油や石炭・天然ガスなどの限りあるエネルギー資源を効率的に使用し、無駄を減らす取り組みで、持続可能な地球環境の維持には欠かせません。 

この記事では、省エネの概要や具体的な活動などを詳しく解説します。省エネ活動に取り組む際の参考にしてください。 

省エネとは

省エネとは、省エネルギーの略語です。石油や石炭・天然ガスなど、地球の限りあるエネルギー資源の使用量をできるだけ少なく抑え、無駄なく使うことを目指しています。日本は、エネルギー資源の多くを輸入に依存している国です。エネルギーの安定供給確保と地球温暖化防止、双方の観点から、エネルギーの効率的な利用は国の最重要課題の1つといえます。 

省エネが重要視されている理由 

ここでは、近年省エネが重要視されている理由について詳しく解説します。 

エネルギー資源の枯渇防止と安定供給の確保のため

日本の2021年度のエネルギー自給率は13.3%と低水準です。一方、限りあるエネルギー資源は枯渇の危機にさらされています。エネルギー資源の多くを海外からの輸入に依存する日本が安定的に供給を受けるためには、消費量を抑えることが大切です。省エネを推進することで将来的なエネルギーの安定供給を確保する狙いがあります。 

地球温暖化を防止するため

省エネは、地球温暖化の防止策の1つです。地球温暖化や気候変動の原因として、これまでの化石燃料の大量消費、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの増加が挙げられます。省エネによりエネルギー消費を削減することで、温室効果ガスの排出量を抑制し、地球温暖化の防止に貢献できるでしょう。 

経済的負担を軽減するため 

世界情勢のもと、エネルギーコストは上昇傾向にあります。省エネによってエネルギー消費量を減らすことで、家庭や企業の光熱費を削減できるのがメリットです。特に企業においては、省エネ対策を実施することでコスト削減につながるため、競争力の向上にも寄与するでしょう。 

日本のエネルギー消費の現状は? 

日本のエネルギー消費は、近年さまざまな課題に直面しています。とりわけ深刻なのが化石燃料への依存です。日本のエネルギー自給率は、2021年度で13.3%と、主要国の中でも特に低い水準に留まります。これは東日本大震災後に原子力発電所の稼働が停止し、化石燃料への依存度が高まったことが一因です。 

さらに2022年度の一次エネルギー供給構成では、化石燃料が83.5%を占めており、燃料の安定供給だけでなく地球環境のためにも早急な改善が求められます。 

企業が省エネに取り組むべき理由 

企業が省エネに取り組むべき理由には、次のものが挙げられます。 

コスト削減と競争力を向上できる 

企業経営において、電気代やガス代などのエネルギーコストは利益や効率を左右する大きな問題です。省エネの実践は、エネルギーコストの削減につながります。長期的にみて大きなコスト削減効果を挙げることができれば、企業の競争力を高め、省エネで余剰となった資金を他の成長戦略に投入することも可能になるでしょう。 

企業イメージの向上と顧客信頼を獲得できる

省エネや環境保護に取り組むことは、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を果たすだけでなく、企業イメージの向上にもつながります。近年、消費者や企業は、環境に配慮し社会的責任を果たす企業との取引を選ぶ傾向にあります。省エネは、ただ経費を削減するだけではなく、顧客や取引先を獲得する機会をもたらすものです。 

法規制への対応とリスク管理ができる 

日本の企業は、法的にエネルギーの効率的な利用や無駄な消費を減らすことが求められています。大企業については省エネ基準の達成とともに、温室効果ガス削減計画の策定も義務付けられており、省エネはこれらの規制に対応することにもつながるでしょう。 

なお前項で触れたとおり、地球温暖化の防止や持続可能な社会の実現を目的に省エネに取り組むことは企業の社会的責任の1つで、責任ある対応はリスク管理にもつながります。 

省エネのために企業が活動できること 

省エネのために企業で実施することのできる活動は、多種多様です。企業の状況により、必要な方法を見つけましょう。ここでは、省エネのために企業が活動できることについて解説します。 

エネルギー管理システムの導入 

エネルギー管理システム(EMS)を導入することで、電力やガス、水道などの使用状況をリアルタイムで監視・分析できます。エネルギー使用量を見える化すると、無駄なエネルギー消費を特定できるため、効率的な省エネの推進が可能となるためです。省エネの成果が見えることで従業員のモチベーションを保つこともできます。 

高効率機器への更新 

老朽化した設備や機器を高効率な最新モデルに更新することで、エネルギー消費を大幅に削減可能です。例えば、照明をLEDに変更すると、少ない電力量で従来どおりの光量を確保できます。また空調設備を省エネ型にするなどの対策も、空調の運転に利用されるエネルギー使用量が削減でき、効果的です。 

断熱性能の向上 

建物の断熱性能を高めることで、冷暖房効率が向上し、エネルギー消費を抑えられるようになります。具体的には、オフィスの窓に二重ガラスを採用する、壁の内側に断熱材を追加するといった方法が効果的です。建物を塗装するタイミングでは、断熱塗料を選ぶようにするとよいでしょう。断熱塗料は、建物全体を温度上昇から守り、冷房効率を高めることができます。 

従業員への省エネ教育 

省エネを行うには、従業員1人ひとりの意識改革も重要です。省エネについて必要性を理解していなかったり、具体的な省エネのやり方を把握していなかったりするケースは多々あります。省エネに関する研修や啓発活動を通じて、日常業務でのエネルギー節約行動を促進すると、細かい省エネをたくさんできるようになるため効果的です。 

再生可能エネルギーの活用 

企業でできる省エネ活動の1つに、自社施設での発電や、再生可能エネルギー由来の電力を購入する方法があります。 

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを導入することで、化石燃料への依存度を下げ、環境負荷を軽減することが可能です。社屋や工場の屋根などは太陽光発電パネルを設置しやすく、一度設置が完了すると電気代を大幅に減らせるなどメリットも大きいでしょう。 

省エネのために日本が取り組んでいる活動 

日本では省エネのために、国を挙げて次のような活動に取り組んでいます。 

エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(以下省エネ法という)の制定と改正 

省エネについて定めた法律には、オイルショックを契機として1979年に制定された「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)があります。省エネ法は、エネルギーの効率的な利用を促進するための法律で、改正を繰り返しながら現在もなお工場や事業場、輸送事業者、機械器具の製造・輸入事業者などを対象に、省エネへの取り組みを求めています。 

トップランナー制度の導入

「トップランナー制度」は、1998年の省エネ法改正で導入された制度です。エアコンやテレビ、自動車などのエネルギー消費機器について、目標年度時点でエネルギー効率が最も良い製品に合わせ、省エネ基準を設定し、事業者に達成を求めています。この制度により、製品同士での切磋琢磨が起こり、エネルギー効率の高い製品の開発と普及が促進されているのが現状です。 

ベンチマーク制度の実施 

2008年度から開始された「ベンチマーク制度」は、自社の省エネの取り組みが他社と比べて積極的であるかどうかを知ることのできる制度です。分野ごとにエネルギー消費原単位の目標(ベンチマーク指標)を設定し、事業者の省エネ取り組み状況を評価します。これにより、事業者間の省エネ努力が促進され、エネルギー効率の向上が図られるでしょう。 

まとめ 

省エネに対する活動は、小さなことから積み重ねていくことが大切です。省エネ活動のなかには、再生可能エネルギーの利用から日々の節電まで、さまざまな規模のものが含まれます。どれも疎かにすることなく、コツコツと省エネに取り組めば、大きな成果が得られるでしょう。 

企業で省エネを始めたい場合、ノウハウや注意点がわかると便利です。Webサイト「ゼロ炭素ポート」では、企業で実施している省エネの実例をたくさん紹介しています。また各社に合ったソリューションを提供し、脱炭素の促進をお手伝いいたします。また導入や実践方法について、お気軽にお問い合わせください。 

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA