省エネ対策として、蛍光灯などの既存の照明からLEDに切り替える企業は増加すると考えられています。しかし、企業規模によってはLEDへの切り替えに高額な費用がかかってしまい、ためらっているケースもあるでしょう。本記事では、LEDなどの省エネ設備への切り替えに使える補助金を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
日本ではどのような省エネに関する取り組みを行っているのでしょうか。日本のエネルギー2023年度版「エネルギーの今を知る10の質問」によると、日本ではエネルギー消費効率を高める取り組みを強化しています。具体的には、2013年度から2030年度にかけて省エネ量を6,200万kl程度削減するという目標を掲げています。
※参照:10.省エネ|資源エネルギー庁
省エネ設備を取り入れることで、どのような変化があるのでしょうか。ここでは、LEDなどの省エネ設備の影響を解説します。
省エネ設備を導入することで、省エネの進行を加速させます。温室効果ガスの排出による地球温暖化などは大きな問題であり、温室効果ガスを削減する脱炭素の取り組みは世界的な課題です。脱炭素の重要な手段として省エネの推進が求められます。LEDに交換することで省エネにつながるだけでなく、電気代の節約にも役立ちます。
脱炭素社会を実現するためには、省エネだけではなく化石燃料から再生エネルギーへの切り替えも欠かせません。再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、バイオマス、地熱、中小水力などの温室効果ガスを排出せずに作られたエネルギーのことです。再生可能エネルギーは国内で生産できるエネルギーであり、エネルギーの安全保障にもつながります。
脱炭素社会を目指すうえで、再生可能エネルギーの開発と普及は重要な要素です。
LEDなどの省エネ設備に切り替えたいと思っても、コストが気になるという人も多いでしょう。ここでは、省エネ設備に使える国の補助金や税制を紹介します。
この事業は、サービス付き高齢者向け住宅の供給促進を目的とした補助金です。すでにある設備を、構造や設備の省エネ性能向上のために改修をする場合が該当します。交付申請をする事業は、「サービス付き高齢者向け住宅として10年以上登録・運営実績があること」といった18の条件を、すべて満たさなければいけません。
・提供元:国土交通省
・募集期間:令和6年4月3日~令和7年2月28日まで
・補助率:3分の1
・上限:35万円/戸
※参照:令和6年度サービス付き高齢者向け住宅整備事業 交付申請要領|スマートウェルネス住宅等推進事業 サービス付き高齢者向け住宅整備事業
省エネ補助金とは、補助金の1つではなく、税制措置の一つです。経営力向上を図る企業の設備に対して適用されるもので、税額控除限度額は取得価額の7~10%相当額を定められています。
A類型・B、D類型・C類型に分けられており、LED照明の導入はA類型(生産性向上設備)の建物付属設備に該当し、取得価額が60万円以上のものに適用されます。また、指定期間が定められており、期間は以下のとおりです。
・指定期間:平成29年4月1日~令和7年3月31日まで
※参照:No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)|国税庁
エネルギー投資促進支援事業費とは、LED照明などのあらかじめ指定された製品を対象とした補助金です。省エネルギー投資促進支援事業のうち「設備単位型」はLEDを始めとして、Sllが指定した設備の導入時に補助金の利用が可能となります。
令和6年度の募集はすでに終了しているため、令和7年度の公募発表が待たれている状況です。
・提供元:経済産業省
・募集期間:令和7年度は未定
・補助率:3分の1
・上限:1億円
※参照:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要|経済産業省
都道府県でも、省エネ設備に使える補助金を用意している場合があります。ここでは、3つの補助金を紹介します。
この事業は、中小企業等や中小企業等と共同で事業を実施するリース事業者もしくはESCO事業者が対象です。温室効果ガスの排出量をゼロにすることを目指した建物であるゼロエミビル化設計支援とゼロエミビル化導入支援が、対象事業となっています。この事業の概要は、以下のとおりです。
・提供元:東京都
・募集期間:令和6年4月24日~令和7年3月31日まで
・補助率:3分の2
・上限:ゼロエミビル化設計支援 1,000万円 ゼロエミビル化設備導入支援 1億5,000万円
※参照:クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「中小規模事業所のゼロエミッションビル化支援事業」
この事業は中小企業等を対象としています。対象事業は、「神奈川県内に所有する工場もしくは、事務所その他の事業場を規定設備から指定設備へ交換(LED含む)」となっています。空調やLED照明などの更新に対して補助金が出されるもので、概要は以下のとおりです。
・提供元:神奈川県
・募集期間:令和6年6月3日~令和6年12月27日まで
・補助率:3分の1
・上限:500万円
※参照:中小企業省エネルギー設備導入費補助金 - 神奈川県ホームページ
この事業の対象者は、省エネ診断を受けており茨城エコ事業所に登録済で、なおかついばらきエコチャレンジ賛同事業所に登録済の県内の工場・事業場を有する事業者です。対象事業は、温室効果ガスの排出抑制等につながる設備の整備となっています。たとえば、LED照明や太陽光発電システム、高効率エアコンなどが対象の設備です。
・提供元:茨城県
・募集期間:令和6年5月14日~令和6年12月27日まで
・補助率:3分の1
・上限:100万円
市町村や特別区でも、補助金制度が設けられています。ここでは、3つの補助金制度を紹介します。
対象者は、省エネルギー診断を受診している千代田区内の住宅やマンション、事業所ビルを所有もしくは管理している事業者(所有者の許可を得た事業者も含む)です。住宅やマンション共用部、事業所ビル等の省エネルギー機器等への改修を行う際に、費用の一部を助成するという事業です。
・提供元:東京都千代田区
・募集期間:令和6年5月14日~令和6年12月27日
・補助率:LEDの場合は2分の1
・上限:建物によって異なり、事業所ビルなら250万円
※参照:千代田区ホームページ - 令和6年度千代田区省エネルギー改修等助成制度
この事業の対象者は、川越市内事業所の中小企業者等です。地球温暖化防止のために令和6年4月1日以降に工事へ着工し、既存の照明設備をLED照明器具へ更新する場合が対象となっています。LED照明からLED照明への更新は対象外となっているため、注意が必要です。また、先着順で補助金を交付するため、早めに申請するとよいでしょう。
・提供元:埼玉県川越市
・募集期間:令和6年5月8日~令和6年12月27日まで
・補助率:2分の1
・上限:30万円
※参照:令和6年度エネルギー価格高騰対策LED照明器具導入支援補助金 事業者向け/川越市
この事業の対象者は、中小企業の会社もしくは個人事業主です。会社以外の法人の場合には、常時使用する従業員数が100人以下の場合が対象となります。省エネ最適化判断に基づく設備の改修に対して補助金が交付されます。また、省エネ最適化診断の診断後、診断から3年以内かつ診断の有効期限内に補助金を申請しなければいけないため、注意しましょう。
・提供元:千葉県市原市
・募集期間:令和6年4月1日~令和7年3月14日まで
・補助率:3分の1
・上限:50万円
※参照:令和6年度 市原市事業者用「省エネ最適化診断」及び「設備等脱炭素化促進」補助金のご案内|市原市ウェブサイト
LEDへの切り替えで補助金を申請する場合には、注意したいポイントが3つあります。ここでは、各注意点について解説します。
補助金申請の際には、最新の情報を確認しましょう。補助金の情報は1つのサイトに集約されているわけではなく、国や自治体など別々に公表されています。そのため、国や自治体などの発表に常にアンテナを張って、最新かつ正確な情報を集めましょう。
また、時期によっては募集が終了しているケースもあります。補助金を利用するには、正確な情報をスピーディーに集めて対応する必要があるため、注意しましょう。
補助金申請には専門的な知識が必要になります。公募要項は複雑で、専門知識がないと理解しにくいケースも多いです。特にLED導入の場合には、省エネ効果の計算方法から建築物の種類、耐用年数などを正確に理解して対応する必要もあるため、専門知識を有する従業員がいない場合には専門家に依頼する必要があります。
補助金は交付まで時間がかかる場合もあります。多くの補助金は事前申請で、事業後に後払いという形が原則です。そのため、事業開始前に補助金を受け取ることは基本できません。LEDの場合、設置完了後に実績を報告して補助金が交付される流れが一般的のため、購入費用は一時的に立て替える必要があります。
補助金を使ってLEDをはじめとした省エネ設備を導入することで得られるメリットは、主に以下の2つです。
一般照明用の蛍光ランプは、製造と輸出入が2027年までに廃止されると決定されています。現在利用している蛍光灯や買い置きしてある蛍光灯の使用が禁止されるわけではありませんが、製造と輸出入が廃止されるため手に入れることが難しくなるでしょう。在庫がなくなって慌てて対応するより、前もってLED照明に切り替えたほうがよいです。
LEDなどの省エネ設備を導入することによって、エネルギーコストの削減につながります。電気代が上昇すると経費が増えてしまうため、経費削減のためにも省エネが必要です。LEDは従来の照明である蛍光ランプなどよりも電力消費が少ないため、LEDに交換することで電気代の節約に貢献するでしょう。
省エネ対策として、蛍光灯などの照明からLEDに切り替えることが効果的です。LEDに切り替える際にはコストがかかるため、補助金を活用するとよいでしょう。国や都道府県、市町村などで補助金制度を設けているため、最新かつ正確な情報を集めて活用することがおすすめです。
ゼロ炭素ポートは、自社のみならず他社ソリューションとも協力してお客さまのニーズにお応えするサイトです。脱炭素社会を実現するために役立つソリューションから、脱炭素に関する情報などを提供しています。脱炭素の取り組みをお考えなら、お気軽にお問い合わせください。
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA