SDGs(持続可能な開発目標)と省エネ(省エネルギー)には、深い関係性があります。SDGsや省エネに取り組むにあたって、関係性や取り組めることについて具体的に知りたい人も多いのではないでしょうか。
本記事では、SDGsと省エネの概要から関係性、企業として取り組めることなどについて解説します。SDGsや省エネへの理解を深めたい場合は、ぜひ参考にしてください。
SDGsとは「持続可能な開発目標」のことで、省エネとは「省エネルギー」のことです。両者は密接に関連しており、SDGsを実現するには省エネをはじめとした取り組みが必要だとされています。
SDGsには17の目標がありますが、目標7は「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」というものです。すべての人々が信頼でき、かつ手頃な持続可能なエネルギーにアクセスできることを目標としており、この目標の達成にはエネルギー効率の向上、つまり省エネが必要不可欠です。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」を略した言葉で、日本語では持続可能な開発目標です。SDGsは2015年の国連サミットで採択された目標であり、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として設定されています。
SDGsは17の目標と169のターゲットによって構成されています。具体的には、「貧困の撲滅」「質の高い教育」「ジェンダー平等」「気候変動対策」などの目標があり、さまざまな課題に対しての取り組みが必要です。
省エネとは、省エネルギーの略です。エネルギーを効率的に使用して、無駄なエネルギー消費を減らすことを指します。省エネでは単純にエネルギー使用量を減らすために電力やガス、燃料などの使用量を削減するだけでなく、生活や生産活動の質の維持・向上を両立させることも重要です。
省エネ推進によって、エネルギー資源の枯渇防止や温室効果ガスの削減といった環境配慮だけでなく、経済的なコスト削減にもつながります。
SDGsの目標7は「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」です。この目標は、すべての人々が信頼できる持続可能なエネルギーを、安価に使用できるようにすることを指しています。具体的には、2030年までに現代的なエネルギーサービスにいつでもアクセスできるようにすること、再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大することなどが含まれています。
SDGsの目標7が設定された背景には、化石燃料の使用があります。化石燃料とは、石炭や石油、ガスなどのことです。化石燃料を使用することで温室効果ガスが発生し、環境問題や健康被害につながってしまいます。
特に、石炭や木材などの燃料を使用することで有害物質が発生して、年間400万人の早期死亡の要因になっているともいわれています。また、化石燃料の使用によって大量に排出される温室効果ガスは、地球温暖化を進める原因です。
化石燃料に依存したエネルギーは温室効果ガス、特にCO2の排出による地球温暖化の促進や大気汚染による健康被害など、さまざまなリスクが伴います。地球環境や人体への影響を考えて、化石燃料への依存を低下させる必要があるでしょう。
また、化石燃料は無限ではありません。限りある資源のため、将来的に枯渇するリスクがあります。価格変動によるコストアップ、輸入依存によるエネルギー安全保障問題なども深刻です。
SDGsの目標7を実現するために、どのような取り組みがあるのでしょうか。日本では、再生可能エネルギーの導入・省エネルギー技術の促進・国際協力の強化に取り組んでいます。ここでは、各取り組みについて詳しく解説します。
日本では、エネルギー供給の持続可能性を高めるために、太陽光や風力、地熱などといった再生可能エネルギーの導入拡大を目指しています。具体的な目標としては、2030年までに電力消費に占める再生可能エネルギーの割合を36~38%まで向上させ、2050年までにCO2の排出量と供給量を均衡させて実質ゼロにする脱炭素社会を目指すとしています。
エネルギーの効率的な利用を促進するために、日本ではさまざまな省エネ技術の導入を推進しています。家庭においては蛍光灯からLEDへの転換、省エネ家電の導入などが挙げられるでしょう。
また、企業、家庭におけるエネルギー使用量の削減のために、エネルギー使用状況の把握や制御ができるエネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入も効果的です。建物の断熱性能を向上させるZEBや使用するエネルギーと創エネルギーのバランスを取るZEHなどの普及も推進されています。
日本は、アジア諸国を中心として再生可能エネルギーや省エネ技術の国際的な連携強化に、積極的に取り組んでいます。発展途上国においては再生可能エネルギーの導入が思ったように進んでいません。そこで、技術の共有や支援をして、エネルギー関連のインフラ整備やクリーン技術の導入など支援し、アジア各国のエネルギー転換を進めています。
SDGsの目標7を実現するためには、国としての取り組みだけでは不十分です。企業として、SDGsの目標7に取り組むことが重要になります。ここでは、企業としてできる取り組みについて、詳しく解説します。
企業として求められる取り組みが、再生可能エネルギーの導入です。たとえば、企業の事業所や工場などに、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー設備を設置すれば、自社でクリーンなエネルギーを作れます。クリーンな電力によって自社のエネルギー使用を賄うことができるでしょう。
たとえば、トヨタ自動車では電気自動車だけでなくHEVやBEVなど、自動車のフルラインナップを提供しており、再生可能エネルギーの活用を促進しています。
エネルギー効率の向上も企業としてできる取り組みです。工場などの生産設備の効率化、LED照明への切り替えなどによるオフィス機器の高効率化、建物の断熱性能改善のためにZEBを取り入れるといった取り組みにより、エネルギー消費の削減につながります。
たとえば、ユニクロを運営するファーストリテイリングでは、店舗照明を電力消費の少ないLEDに転換し、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量の削減を行っています。
SDGsの目標7を実現するには、自社だけでなく取引先や物流業者などのサプライチェーン全体での協力が必要です。サプライチェーン全体で、エネルギー使用量の最適化や削減などを行うことが重要でしょう。
たとえば、アサヒ食品グループでは包装仕様の見直しを行っています。梱包を簡素化することで包装資材を削減し環境負荷を低減するだけでなく、トラックへの積載量を増やすことで輸送時の負担軽減も目的としています。
省エネに取り組む際には、従業員に対する省エネ教育が欠かせません。省エネの重要性や具体的な取り組み方法などを研修などで伝えることで、省エネへの意識が高まります。これにより、日常業務でのエネルギー削減やエネルギーの効率的な利用につながるでしょう。
たとえば、KDDIでは「ecoプラン」を提供しています。ecoプランとは再生可能エネルギー比率が実質100%の電気を提供するプランです。CO2排出量が実質ゼロになる電気を使用できるプランを提供することで、環境保全活動に対する意識向上につなげています。
省エネに取り組むには、エネルギー使用量などを把握することも重要です。そこで、エネルギー使用状況をリアルタイムで監視・分析できるエネルギー管理システムを、導入するとよいでしょう。これにより、無駄なエネルギー消費が把握しやすくなり、効率的なエネルギー使用量の削減が可能です。
東京電力では、電圧集中制御システムを開発しています。電圧制御システムにより不安定になりやすい太陽光を上手く活用できるようになるため、再生可能エネルギーの利用拡大につながっています。
SDGsを実現するには省エネに取り組むことが重要です。化石燃料の使用による環境問題や健康被害を解決するためにも、クリーンエネルギーの活用やエネルギー使用量の削減などが必要となります。企業としても、再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の向上、エネルギー管理システムの導入などに、積極的に取り組むとよいでしょう。
ゼロ炭素ポートは、自社だけでなく他社ソリューションとも協力しながらお客さまのニーズにお応えするサイトです。脱炭素を実現するための困りごとに対して、活用できる情報発信や相談できる場を目指しています。脱炭素や省エネへの取り組みをお考えなら、ぜひご相談ください。
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA