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省エネルギーの取り組みとは?重要性・企業事例を解説!
目次
世界的な問題として、燃料問題や地球温暖化を背景とした省エネルギーの重要性が高まっています。日本に住む私たちも、人ごとではありません。では、具体的にどのような取り組みをすれば、省エネルギーにつながるのでしょうか。この記事では省エネルギーの取り組みを詳しく知りたい人に向け、具体的な方法や事例を解説します。
省エネルギーとは
まずは省エネルギーの基本から押さえていきましょう。
省エネルギーの意味
省エネルギーは、エネルギーを効率的に利用して消費量を減らすことです。省エネとも略され、SDGs(持続可能な開発目標)でも目標7として、エネルギー利用のあり方が問われています。現代的な生活では、エネルギーの利用なしには成り立ちません。
省エネルギー・再生可能エネルギーの違い
近年では、再生可能エネルギーが注目されるようになりました。省エネルギーと再生可能エネルギーは一見似たワードですが、意味合いは異なります。先述したように省エネルギーは、エネルギーの消費量を減らすことです。それに対して再生可能エネルギーは太陽光や風力、地熱のように再生産可能、かつCO2排出量を抑えられる自然エネルギーを指します。
省エネルギーの取り組みが重要な理由
省エネルギーに取り組むことが重要だとされる理由には、主に以下の2つがあります。
エネルギーを安定供給するため
これまで多く利用されてきた石油や石炭などのエネルギー資源は、埋蔵量に限りがあります。特に日本はエネルギー自給率が低く、輸入に頼っているため、エネルギーを安定供給するには省エネルギーの取り組みが欠かせません。エネルギーを無駄にしないことが重要であり、効率的な活用のために省エネルギーが重視されています。
※参考:省エネ法の概要|経済産業省
地球温暖化を防止するため
エネルギーの元となる化石燃料は、燃やす過程でCO2が排出されます。CO2には温室効果があり、地球温暖化を引き起こす要因の1つです。近年、世界的に平均気温が上昇するなど、地球温暖化が深刻になっています。また、光合成でCO2を吸収する森林の伐採も地球温暖化の一因です。
世界のエネルギーに関する現状
具体的なエネルギー事情はどうなっているのでしょうか。まずは世界のエネルギーに関する現状から見ていきましょう。
エネルギー需要は拡大傾向
産業革命をきっかけにエネルギーが大量に消費されるようになりましたが、経済成長が進むにつれ、さらにエネルギー消費量は増え続けています。特に近年では、大きな経済発展を遂げた新興国での増加が大きいのが特徴です。新興国の経済成長は加速し、世界的なエネルギー需要もますます高まることが予想されています。
エネルギー資源には限りがある
世界的にエネルギー需要が高まっている一方、石油や石炭などのエネルギー資源は有限です。現在のようなペースでエネルギーを使い続けると、やがて資源が尽きてしまう可能性があります。限りある資源を巡り、獲得競争が激化するかもしれません。資源を枯渇させないためにも、省エネルギーの取り組みは重要です。
日本のエネルギーに関する現状
2019年時点での1人当たりの電力消費量を見てみると、日本と韓国を除くアジアでは2,361kWhであるのに対し、日本は7,347kWhです。日本は世界的に見ても電力消費量が多く、同時にCO2排出量も高い水準となっています。家庭でのエネルギー消費量は、横ばい、または増加傾向です。
世界の省エネルギーの取り組み
世界的な取り組みとして、アメリカと中国のケースを紹介します。
アメリカの取り組み
アメリカは世界で2番目のCO2排出国です。省エネルギーへの取り組みでは、Energy Efficiency Resource Standard(EERS)が打ち出されています。EERSはエネルギーの供給事業者に対して省エネ義務量を設定する州の政策です。目標達成値は1年ごとに定められていたり、複数年の累積削減率が評価されたりなど、州によって異なります。
※参考:米国・欧州における省エネルギー政策 について|経済産業省
中国の取り組み
中国はアメリカを上回る世界最多のCO2排出国です。中国の国務院はエネルギー関連政策の方針として、2022年1月24日に「第14次5カ年(2021~2025年)規画における省エネ・炭素排出削減に関する総合的取り組み方案の通知」を発表しました。内容はエネルギーの安全保障や低炭素化を目指すものとなっています。
※参考:(キッズ外務省)二酸化炭素(CO2)排出量の多い国|外務省
日本の省エネルギーの取り組み
日本の省エネルギーの具体的な取り組みとして、以下に挙げる5つがあります。
省エネ法制定・改正
エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(以下省エネ法という)は1979年、オイルショックをきっかけに制定されました。企業に対して省エネルギーへの取り組みを促す法律であり、一定以上のエネルギーを消費する企業が対象です。従来は石油などの化石エネルギーが対象でした。しかし、制定後も社会情勢に応じて改正されてきており、2023年4月以降は非化石エネルギーも対象に加わっています。
※参考:省エネ法の概要|経済産業省
省エネ補助金の支給
日本では省エネルギーへの取り組みを支援するために、利用できる各種補助金が用意されています。たとえば、省エネ設備への更新を促すために設けられているのが、省エネルギー投資促進に向けた支援補助金です。また、省エネ投資に対して資金調達が障壁になっている際に利用できる補助金として、省エネルギー設備投資利子補給金助成事業費があります。
※参考:トップページ|SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ
ZEHの推進
ZEH(ゼッチ)とは「net Zero Energy House」の略語で、エネルギー収支がゼロ以下の家を意味します。つまり、太陽光発電を設置して電力を創出したり、省エネルギー設備や高断熱を備えたりすることで、生み出すエネルギーが生活で消費するエネルギーを上回る住宅です。
※参考:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について - 省エネ住宅|経済産業省
コージェネレーションの実施
コージェネレーションは複数の企業が連携し、電気・ガス・水などのエネルギーを相互利用する取り組みです。企業が単独で省エネルギーに取り組むだけではなく、相互に協力し合うことで、より無駄なくエネルギーを活用できます。燃料消費やCO2排出量の低減のため、複数企業の輸送を一元化する取り組みも実施されるようになりました。
※参考:コジェネについて|経済産業省
水資源の活用
生活に必要な水に川などの自然水を使う場合、汲み上げや浄水、ポンプ供給の工程で多くのエネルギーを消費します。そのため、近年では雨水や廃水を活用し、効率よく水資源を確保しようとする企業が登場してきました。廃水を浄化して利用するため、地球環境にも優しい取り組みです
日本の省エネルギー技術
省エネルギー技術には、パッシブ技術とアクティブ技術の2つがあり、さらに創エネ技術も合わせて考えられています。
パッシブ技術
パッシブ技術は、必要となるエネルギー量を減らす技術です。屋根や壁、床などの外皮に熱が伝わりにくい素材を使うなど、建物の構造に焦点を当て、空調にかかるエネルギー量を抑える技術が該当します。具体的な例としては複層ガラスによる断熱や、気密テープなどで住宅の隙間を小さくする気密技術、室内外の圧力差を利用する自然換気などです。
アクティブ技術
アクティブ技術は、エネルギーを効率的に利用する技術です。建物自体の構造や設計に焦点を当てたパッシブ技術とは違い、アクティブ技術は建物内のシステムや機器などに関する技術が該当します。少ないエネルギーでも明るい発光を実現できるLEDも、アクティブ技術のひとつです。ほかにも潜熱・顕熱分離方式空調システムやサマーグリッドなどがあります。
創エネ技術
エネルギー量を減らしたり、効率的に利用したりすることを目的とした省エネルギーの技術とは違い、創エネ技術はエネルギーそのものを作り出す技術です。主に太陽光や風力など、再生可能エネルギーを使ったエネルギー創造技術を指します。太陽光発電の結晶シリコン系太陽電池もそのひとつであり、特に日本では太陽光発電に関する技術の開発が盛んです。
企業ができる省エネルギーの取り組み
企業はどのような省エネルギーの取り組みができるでしょうか。具体的な取り組みとして、以下の2つが挙げられます。
機器・設備の使い方を見直す
省エネルギーを実現するためにも、まずは自社のエネルギー消費について、改善点を探してください。機器や設備の使い方を見直しながら、無駄にエネルギーを使っているところがないかどうか調査しましょう。無駄な箇所が見つかったら、改善に向けて適切に対処する必要があります。
新しく省エネ機器・設備を導入する
機器や設備が古すぎると、エネルギー使用の効率が悪い場合があります。エネルギー効率の悪い機器や設備を使い続けていると、ランニングコストがかさむことにもなるため、新しいものを導入するのも選択肢の1つです。たとえば、蛍光灯をLEDへ交換するのも省エネルギーにつながります。
企業による省エネルギー取り組み事例
実際に省エネルギーの取り組みを行ったことで、効果が出ているところがあります。具体的な事例を2つ紹介します。
建物全体で太陽光発電を実施
屋上だけではなく壁面にも太陽光パネルを設置し、建物全体で太陽光発電ができるようにした事例があります。結果的に企業の消費電力が減らせたのはもちろん、電気料金やCO2の削減に役立ちました。従業員が省エネルギー意識を高めることにもつながったうえ、積極的に環境問題に取り組む企業として、対外的にもイメージが向上しています。
工業団地でコージェネレーションを実現
企業の垣根を超え、工業団地全体で省エネルギーに取り組んだ事例もあります。コージェネレーションシステムの導入により、工業団地内の複数企業で電力や熱を使用可能になりました。企業が単独で省エネを進めるよりも、複数企業で連携して取り組むことで、大規模な省エネルギーにつなげられます。
まとめ
世界的にエネルギー需要は拡大する傾向ですが、エネルギー資源には限りがあるうえ、地球温暖化などの環境問題が深刻になっています。日本では省エネに関連するさまざまな取り組みが行われ、効果を上げる事例も増えました。
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執筆者プロフィール
会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA