ゼロ炭素ポート

LED照明は省エネにどのくらい効果的?メリット・選び方を解説

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2024年12月06日

省エネへの意識が高まっているなかで、LED照明への変更を考えている人も多いでしょう。LED照明は少ない電力で明るく照らせるため、消費電力の削減につながり、省エネ対策として効果的です。本記事では、LEDとは何なのか、LEⅮのメリットや選び方を解説します。補助金制度についても解説するため、参考にしてください。 

省エネで注目されるLED

LEDとは「Light Emitting Diode」を略した言葉です。日本語では、発光ダイオードとも呼ばれています。LEDはもともと、信号機や標識、ディスプレイなどに用いられていました。しかし、消費電力が少なく明るいことなどから、近年では照明として注目されています。 

※参考:いまさら聞けない!LEDって何?|環境省 

世界・日本のLED導入状況 

LEDは世界中で積極的に導入されています。例えば、シンガポールやスウェーデンの首都・ストックホルムの信号機は、すべてLEDです。省エネへの関心の高まりからLEDは高い注目を集めており、日本でも省エネを目的としてLEDの普及が進んでいます。 

また、照明の2027年問題もあります。2027年問題とは、一般照明用の蛍光ランプの製造および輸出入が、2027年までに段階的に廃止されるというものです。すでに使用している蛍光ランプの使用などが禁止されるわけではありませんが、製造・輸出入が廃止されてしまうため、LED照明へと計画的に切り替えていくことが求められます。 

※参考:照明について|環境省 
※参考:一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入は 2027 年までに廃止されます|環境省 

照明による消費電力

経済産業省の2023年の「夏季の省エネ節電メニュー」によると、オフィスぼビル多くの業種において消費電力の割合は、空調が48.6%と最も高くなっています。次いで照明が23.1%となっていますが、業種によっては照明のほうが空調よりも消費電力が大きいケースもあります。そのため、照明の省エネに取り組むことで節電効果を期待できるでしょう。 

※参考:夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)|経済産業省 

照明は省エネ対策しやすい 

照明は省エネ対策しやすい部分でもあります。空調は消費電力で大きな割合を占めますが、新しく省エネ性能の高い空調設備を導入すると、大きなコストがかかります。一方、照明の交換なら改修費用が少なくて済むため、コストを抑えた省エネが可能です。このように、LEDへの交換はハードルが低く、省エネ対策として取り組みやすいでしょう。 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

LEDのメリット

LEDには多くのメリットがあります。ここでは、6つのメリットを解説します。 

発光効率がよい

LEDの大きなメリットは、発光効率がよいことです。発光効率が高ければ高いほど省エネにつながります。LEDは発光効率が高く少ない電力で明るくなります。また、蛍光灯よりも早く明るくなることも特徴です。LEDの省エネ性能は改良が進められており、今後も省エネ性能が上がっていくと考えられます。 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

寿命が長い 

LED照明は蛍光灯よりも寿命が長いというメリットもあります。蛍光灯とLEDの寿命は以下のとおりです。 

・蛍光灯:一般的に6,000~10,000時間程度 
・LED:一般的に40,000時間程度(JIS規格) 

このようにLEDは長持ちするため、換頻度が低く、交換作業にかかるコストも抑えられます。 

※参考:LED照明(2)|公益社団法人日本電気技術者協会 

廃棄しやすい 

従来の蛍光灯などは廃棄に手間がかかりましたが、LEDは廃棄しやすい照明です。LEDは地域によって異なりますが、一般的には不燃ごみとして家庭ごみで廃棄可能です。また、蛍光灯や水銀灯などとは異なり、LEDには水銀が含まれていません。鉛やCd(カドミウム)なども使われていないため、環境にも優しいといわれています。 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

衝撃に強く壊れにくい 

LEDは蛍光灯と比較して、衝撃に強いこともメリットです。蛍光灯や電球は外部がガラスのため、割れやすいというデメリットがありました。一方、LEDは外部がシリコン樹脂などでコーティングされており、衝撃に強く地震などで落下した場合でも割れにくくなっています。 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

色の種類が豊富 

LEDは色の種類が豊富なことから、室内の雰囲気や用途、好みに合わせて色温度を選べるというメリットがあります。また、製品によっては色温度を調整できるものもあります。そのため、時間帯などに合わせて色温度を変えることも可能です。小型で軽量、低発熱でデザインの幅も広く、インテリアに合ったものを選べます。 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

紫外線の放出が少ない

LEDは紫外線の放出が少ないことも特徴です。そのため、虫が寄りつきにくくなっています。また、衣服や食品、家具、展示品などの変色や劣化も進みにくいです。 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

LEDのデメリット 

多くのメリットがあるLEDですが、デメリットもあります。ここでは、LEDのデメリットを3つ解説します。 

初期費用が高い

LEDに切り替える際、蛍光灯などと比較すると初期費用は高い傾向にあります。照明の数が多ければその分コストは大きくなるでしょう。ただし、照明のランニングコストは抑えられるというメリットもあります。 

高熱に弱い 

LEDは高熱にさらされることで、劣化したり故障したりする可能性があるため、設置する場所には注意しましょう。製品によって異なりますが、一般的には5~40度程度が使用推奨温度とされています。 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

光の放射が均一ではない 

LEDは光の放射が均一ではないことから、広い範囲を均一に照らすことには適していません。LEDの光は蛍光灯とは違って指向性があるため、場所によって明るさが異なってしまいます。 

LEDによる節約効果 

経済産業省が運営している省エネポータルサイトによると、LED切り替えによる節約効果があるとされています。ここでは、LEDによる省エネ効果が見込まれる一例を紹介します。 

--------------------------------------------- 

●電球形蛍光ランプから交換 

12Wの蛍光ランプから7.5Wの電球形LEDランプに交換(年間2,000時間使用) 
年間で電気9.00kWhの省エネ、原油換算2.01L、CO2削減量3.9kg 
約279円の節約 

--------------------------------------------- 

照明の数が多ければ多いほど、省エネ効果は高まるでしょう。詳しい内容については、経済産業省の省エネポータルサイトをチェックしてください。 

※引用:無理のない省エネ節約​|経済産業省 

LEDの選び方 

LEDと一口にいってもさまざまな種類があります。ここでは、LEDの選び方について詳しく解説します。 

口金のサイズ 

照明を選ぶ際にはまず、口金のサイズを確認しましょう。口金のサイズが間違っていると、電気がつきません。また、電球が壊れたり電流がショートしたりするなど故障の原因にもなりかねません。例えば、住宅用の口金は一般的にE26・E17という規格が使われています。 

※参考:電球形LEDランプ(LED電球)の正しい選び方|一般社団法人 日本照明工業会 

光量(明るさ) 

照明の明るさもチェックしましょう。照明の明るさは、ルーメン(lm)で表示されます。LEDに交換する際に、以前使っていた蛍光灯などよりも暗い照明を選んでしまうと、室内が暗く感じてしまい、業務がしにくくなる可能性もあるため、注意しましょう。 

LEDの光量について表にまとめたため、参考にしてください。 

口金サイズ  交換前  交換後 
一般電球W形  電球形蛍光ランプ  LED照明 
E17  60形  15形  760 lm以上 
40形  10形  440 lm以上 
25形  -  230 lm以上 
E26  100形  25形  1520 lm以上 
60形  15形  810 lm以上 
40形  10形  485 lm以上 

また、明るさを調節できる調光機能があるLEDもあるため、天候や時間帯などによって光量を変えたい場合には便利です。 

※参考:電球形LEDランプ(LED電球)の正しい選び方|一般社団法人 日本照明工業会 

配光(光の広がり方)

LEDは光の広がり方が製品によって異なります。配光は主に全方向と下方向の2種類に分けられているため、用途や設置する場所に応じて選択しましょう。 

全方向型は、ダウンライトやペンダントライト、フロアスタンドなどに適しています。一方、下方向はダウンライトやスポットライトなどに適しています。 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

光の色

LEDは色の種類が豊富です。光の色に幅があるため、部屋の用途に応じて適したものを選びましょう。色の例としては以下が挙げられます。 

・電球色:電球に似た色で温かみがある 
・温白色:ナチュラルな色で、明るさと温かみがある 
・昼白色:自然な光の色に近い雰囲気がある 
・昼光色:青みがかったさわやかな色合いで、クールな雰囲気がある 

※参考:LED 照明に関する正しい情報Q&A|一般社団法人 照明学会 

LED導入に活用できる補助金制度

LED導入の際には補助金を活用できることもあります。LED導入に活用できる補助金制度としては、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」が挙げられるでしょう。 

・補助対象の指定設備:制御機能付きLED照明器具 
・補助率:費用の1/3以内 
・限度額:上限1億円、下限30万円 

2024年10月現在は公募が終了しているため、利用したい場合は次の公募を待つ必要があります。 

※参考:省エネルギー投資促進支援事業費補助金|一般社団法人 環境共創イニシアチブ 

省エネを最大化する方法1.明るさセンサーの導入 

明るさセンサーとは、周囲の明るさを検知して自動で調光するセンサーのことです。明るさセンサーを導入することで、不必要に室内を明るく照らすことがなくなるため、消費電力を抑える効果が期待できます。自動で明るさを調整できる製品を選ぶことで、より省エネ効果を高められます。 

※参考:無理のない省エネ節約​|経済産業省 

省エネを最大化する方法2.人感センサーの導入

人感センサーとは、人の動きや熱などを検知する機能です。必要時のみ照明をつけられるようになるため、節電につながるでしょう。また、人がいない場合は自動で照明が消えることから、電源の切り忘れ防止にもつながります。LEDと組み合わせることで、大きな省エネ効果が期待できるでしょう。 

※参考:無理のない省エネ節約​|経済産業省 

省エネを最大化する方法3.スケジュール・シーン制御 

スケジュール・シーン制御とは、時間設定やシーンに合わせて照明を調整できる機能です。例えば、昼休みや休憩時間などの業務をしていない時間や、人が少ない時間の明るさを抑えるといったことができます。状況に合わせて必要な分の照明を機能させることができるため、消費電力の削減につながります。 

※参考:調光制御設備 が補助されます!|一般社団法人 日本照明工業会 

省エネを最大化する方法4.タスク・アンビエント照明 

タスク・アンビエント照明とは、照明の明るさや位置などを工夫する手法です。従来の照明は部屋全体を均一に照らすことが多くなっていますが、タスク・アンビエント照明は照らす場所を変えることで効率性を高めます。部屋のなかでも使用している箇所だけを照らすため、効率的に照らせるだけでなく省エネにもつながります。 

※参考:いま、注目の新スタイル タスク・アンビエント照明|環境省 

まとめ

LEDは従来の蛍光灯などよりも消費電力が少なく、寿命も長くなっています。そのため、省エネ対策として注目されています。LED照明は発光効率がよく、廃棄しやすいうえに、衝撃にも強く色の種類も豊富です。LED照明を選ぶ際には、使う場所やシーンに合った光量や配光、光の色などを意識して選びましょう。 

「ゼロ炭素ポート」は、自社だけでなく他社ソリューションとも協力し、お客さまのニーズにお応えするWebサイトです。省エネに関するソリューションからコラム、CO2排出量計算ツールなどを公開しています。省エネにつながる取り組みをお考えなら、ぜひお問い合わせください。 

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA