中小企業における脱炭素経営とは?メリットや具体的な取り組みなど解説 

目次

近年では、脱炭素への関心が高まっています。自社の脱炭素経営に向けた取り組みを検討している人も多いのではないでしょうか。 

本記事では、中小企業における脱炭素経営について解説します。脱炭素を目指すべき理由や脱炭素に取り組むメリット、具体的な取り組みなどを解説するため、ぜひ参考にしてください。

脱炭素経営とは 

脱炭素経営とは、その名のとおり脱炭素を目指す経営です。脱炭素とは、地球温暖化の原因である温室効果ガスのなかでも、排出量が多い二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにすることを指します。 

脱炭素経営の実現には、CO2の排出量を最大限削減することだけでは不十分です。CO2の排出は事業を行ううえで避けられないため、CO2を抑制するだけでなく吸収もしくは回収・貯留する取り組みが必要です。 

脱炭素とは 

脱炭素とは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスのなかでも、CO2の排出量と吸収量を均衡させてCO2の排出量を実質ゼロにする取り組みです。脱炭素では、CO2の排出量を最大限抑制することも重要になりますが、吸収や回収も大切です。排出量と吸収量のつり合いを取ることによって、実質的な排出量をゼロにします。 

中小企業が脱炭素化を目指すべき理由

脱炭素は世界的に取り組まなければいけない課題です。日本でも脱炭素化の促進が進められており、中小企業においても脱炭素化を目指すべきとされています。ここでは、中小企業が脱炭素化を目指すべき3つの理由を解説します。 

投資家や求職者からの評価が上がる

近年では、投資家やステークホルダーからの評価を重視して、脱炭素に取り組む企業が増えています。特に、投資家は「ESG投資」に注目しています。ESG投資とは、環境・社会・ガバナンスを重視して、リスクを抑えながら長期的な資産運用を目指す投資です。大規模な資産を扱う投資家を中心にこの傾向が強まっており、重要な評価基準となっています。

資金調達における優位性獲得につながる

中小企業が脱炭素化を目指すべき理由の1つに、資金調達手段の獲得が挙げられます。前述したように、脱炭素化に取り組むことで投資家や求職者からの評価が向上します。投資家からの評価が上がったり企業イメージが上がったりすることで、投資や融資による資金調達がスムーズに進みやすくなる可能性が高いでしょう。 

省エネによるコスト削減につながる 

脱炭素化は、企業活動における省エネにもつながります。エネルギーの省力化や合理化によって、コスト削減と脱炭素化を両立させることが可能です。たとえば、事業所の照明器具を蛍光灯からエネルギー消費量の少ないLEDに変更して省エネ化するといった方法が挙げられます。これにより、温室効果ガスを減らしながら電気代の節約もできます。 

中小企業が脱炭素化に向けて取り組まないリスク 

中小企業が脱炭素化に向けて取り組まないことによって、さまざまなリスクが考えられます。ここでは、中小企業が脱炭素化に向けて取り組まないことで発生する3つのリスクを解説します。 

環境法規制や税制への対応リスクの増加 

中小企業が脱炭素化に取り組まないことで、法律に対応できなくなる可能性があります。たとえば、環境規制や税制への対応リスクが増加するケースもあるでしょう。脱炭素化への取り組みを行わないとCO2排出量が減らないため、CO2排出量に応じて課税される温室効果ガス税(温対税)の負担が大きくなります。また、省エネ法の規制対象になることもあるでしょう。 

取引先からの信頼損失やビジネスチャンスの逸失 

脱炭素経営に取り組まないことで、パートナーシップの機会や新規ビジネスチャンスを失う可能性があります。特に欧米では脱炭素の取り組みを重視しており、脱炭素の取り組みを行っていないと評価が低くなるケースもあるようです。アップル社では、自社の炭素排出削減だけでなく、供給パートナーにも再生可能エネルギーの使用を求めています。 

金融機関や投資家からの評価低下のリスク 

中小企業が脱炭素化に取り組まない場合、金融機関や投資家などからの評価が下がってしまうリスクがあります。前述したように、投資家の間ではESGを重視する傾向が強まっています。ESG投資が普及しているため、投資家からの評価を得るためには脱炭素化に取り組まなければいけません。 

脱炭素化に向けて取り組むメリット 

脱炭素化に向けて取り組むことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。脱炭素化に取り組むメリットは3つあります。 

優位性の確立 

企業が脱炭素経営に取り組むことで、優位性を確保できるというメリットがあります。特に、金融機関から融資を受ける際には脱炭素経営が役立つでしょう。金融機関は融資先の選定基準として温室効果ガス削減へ取り組んでいることを重視する傾向が強まっています。そのため、脱炭素経営を行うことで融資を受けやすくなるでしょう。 

エネルギーコストの削減 

脱炭素化への取り組みとしてもっとも一般的なのが、エネルギー消費の見直しです。現在のエネルギー消費を把握したうえで見直しを図り、効率的かつ最適なエネルギー消費のサイクルを構築することが求められます。省エネにつながる取り組みによって脱炭素化につながるだけでなく、コスト削減も可能です。

競争力の強化 

脱炭素化を進めることで競争力の強化も可能です。グローバル企業を中心として、自社だけでなく取引先にも脱炭素経営を求めるケースが増えています。脱炭素経営に取り組むことによって、競合他社よりも優位性を得られる可能性があり、新たな取引先と契約できるなど、ビジネスチャンスの拡大につながるでしょう。 

中小企業が脱炭素経営に取り組む方法 

中小企業が脱炭素経営に取り組むには、どのような方法があるのでしょうか。脱炭素経営の取り組みとしては、太陽光発電や省エネ化、カーボンオフセットなどが挙げられます。ここでは、脱炭素経営の取り組みを5つ紹介します。 

太陽光発電などの導入 

太陽光発電を導入することも、脱炭素経営への取り組みの1つです。たとえば、工場や事業所に太陽光パネルを設置して発電することも可能です。環境に配慮した再生可能エネルギーを導入することで脱炭素化につながるだけでなく、エネルギーコストの削減にもつながるでしょう。 

省エネの推進 

省エネの推進も脱炭素化の取り組みの1つです。資源エネルギー庁によると、オフィスでの消費電力は照明の割合がもっとも高く、次いで空調となっています。そのため、エネルギー消費の大きい設備から見直しを図るとよいでしょう。また、企業が行う省エネ施策に対しては多くの補助金制度が用意されているため、積極的に利用することもおすすめです。 

低炭素車の購入 

2020年度の日本国内におけるCO2排出の割合は、自動車や船舶の利用(運輸部門)が約18%と高い割合を占めています。自動車のCO2排出量は企業だけでなく個人利用も含まれていますが、自動車のEV化は世界的に進められています。そのため、企業としても低炭素車の購入などの対策が必要です。 

再エネ電力の購入 

2016年4月1日に電力自由化が行われ、自由に電力会社を選択可能です。電力会社には再エネに特化したプランを用意している会社もあります。再エネプランは、再エネ発電所で発電した電力と他から購入した再エネ電力で構成されています。脱炭素化に取り組むために、環境に配慮した再生可能エネルギーによる電気を使えるプランを選びましょう。

カーボンオフセットを導入する 

カーボンオフセットとは排出を防げないCO2の量を把握して、CO2の削減や吸収につながるプロジェクトに投資して、排出量と吸収量の均衡を取ることです。自社でのCO2削減が難しい場合には、削減できない分のすべてもしくは一部を埋め合わせするために、植林・環境保護活動への寄付、CO2の排出削減量の購入などを行うとよいでしょう。 

まとめ 

脱炭素経営とは、CO2の排出量を実質ゼロにする経営です。世界的に脱炭素が重視されており、企業経営においても脱炭素化を図ることが求められます。脱炭素経営によって、投資家や求職者からの評価向上による優位性の確立、省エネによるエネルギーコスト削減などのメリットが得られるため、積極的に脱炭素化に取り組みましょう。 

ゼロ炭素ポートは、自社のみならず他社ソリューションとも協力し、お客さまのニーズに応えるサイトです。脱炭素化に役立つソリューションから脱炭素に関する情報などを提供しています。脱炭素経営への取り組みをお考えなら、ぜひお問い合わせください。 

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA