ゼロ炭素ポート

脱炭素社会の実現に向けた取り組みとは?メリットや国内の事例も紹介 

作成者: 大塚勝臣(おおつかかつおみ)|2024年11月15日

地球の環境を守るため、世界中で脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進んでいます。 

この記事では、脱炭素社会の概要や、行われている取り組みについて解説します。脱炭素社会の実現に向けた取り組みについて詳しく知りたい人は、参考にしてください。 

脱炭素社会とは 

脱炭素社会とは、地球環境を保護するために、二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを目指す社会です。地球温暖化による異常気象が増加しており、その原因である二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの削減が急務となっています。 

脱炭素社会は、世界全体で目指していくべき目標であり、日本も2050年のカーボンニュートラルを目指してさまざまな取り組みを行っています。

脱炭素経営とは

脱炭素経営は、気候変動対策を企業戦略に取り入れた経営方針です。環境貢献が企業の評価につながる現代において、単なるCSR活動ではなく、企業が持続的に成長していくために重要視されています。具体的には、企業活動の際に排出する二酸化炭素を減らす取り組みが行われています。 

日本の方針 

日本では、2021年6月に「地域脱炭素ロードマップ」を策定し、地域ごとの脱炭素化を推進するための方針を示しました。具体的な目標として、2030年までに100か所以上の「脱炭素先行地域」を創出し、自家消費型の太陽光発電システムや省エネ住宅の普及を進めることが挙げられています。 

脱炭素社会が求められている背景

ここでは、脱炭素社会が求められている背景について解説します。 

地球温暖化が進んでいる 

地球温暖化は進行し続けており、世界中で平均気温が年々上昇しています。この影響によって、異常気象の頻発や海面上昇などの問題が深刻化しており、多くの被害が出ています。このような状況から、温暖化対策は国際社会の共通課題といえるでしょう。 

京都議定書やパリ協定で数値目標が定められている 

地球温暖化対策の一環として、京都議定書とパリ協定が策定されました。京都議定書は、1997年に採択され、法的拘束力のある温室効果ガス削減目標を先進国に課しました。その後、2015年のパリ協定では、先進国だけでなく途上国も含めて、環境に対する目標が設定されています。 

パリ協定で掲げられた目標は、以下のとおりです。 

・産業革命以前と比較し、気温上昇をプラス2℃より抑える 

・気温上昇をプラス1.5℃に抑える努力を継続する 

・今世紀後半までに人為的な温室効果ガス排出量を実質ゼロにする 

参考:令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書|環境省 

脱炭素社会を実現するための取り組み

ここでは、脱炭素社会を実現するための取り組みについて解説します。 

EP100 

EP100は、事業のエネルギー効率アップを目指す企業が行っている国際イニシアチブです。エネルギー効率を向上させる技術や省エネ対策の導入を通して、温室効果ガスの排出量削減を推進しています。例えば、ZEB(Net Zero Energy Building)という消費エネルギーが少ない建物の導入が挙げられます。 

RE100

RE100は、企業が使用する電力を再生可能エネルギーでまかなうことを目標とする国際イニシアチブです。国際的非営利組織であるThe Climate Groupが運営しています。2018年6月には、日本の環境省が世界初の公式アンバサダーとなりました。 

EV100 

EV100は、2030年までに企業が使用するすべての車両を電気自動車(EV)に置き換えることを目指すイニシアチブであり、国際的非営利組織であるThe Climate Groupが運営しています。この取り組みに参加する企業は、自社車両のEV化や、EV化を実現する目標の期限設定などが求められます。 

TCFD 

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とは、企業に対して気候変動によるリスクと対応についての財務情報開示を促している組織です。気候関連の財務情報開示を促す目的としては、投資家に対して企業の価値を図る判断材料を提供する目的も挙げられます。 

SBT

SBTは、科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標の設定を企業に促す取り組みです。2015年にパリ協定で定められた、「2℃目標」の達成が大きな目的です。この取り組みでは、科学的根拠に基づいたうえで、5年~15年を目安に温室効果ガスを削減することが求められています。 

CDP

CDPは、環境問題に関する企業の情報開示を促進する国際的非営利組織です。特に、気候変動・水・フォレストの3分野に関する質問書への回答情報を公開しています。 

質問内容は、以下のとおりです。 

・気候変動:気候変動に関する事業戦略や目標、実績などを問う質問 
・水:水資源の活用について、現在の状況や手順などを問う質問
・フォレスト:森林減少への取り組みについて、現在の状況や手順などを問う質問 

脱炭素経営に取り組むメリット

ここでは、脱炭素経営に取り組むメリットを解説します。 

対外的な評価が上がる

脱炭素経営を行う企業は、求職者や投資家からの評価が上がりやすくなります。気候変動問題への取り組みが、企業のイメージアップにつながるためです。環境に対して興味を持っている人材を獲得する際にも有利になるでしょう。 

融資が受けやすくなる

金融機関は、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを重要視しているため、脱炭素経営に積極的な企業に対し、好条件での融資を行うことがあります。 

また、金融機関によっては、脱炭素経営を行う企業向けの金融商品も取り扱っています。 

エネルギーコストを抑えられる 

省エネや再生可能エネルギーの導入などの取り組みを進めることで、エネルギー効率が向上します。結果的に、企業活動で発生する光熱費や燃料費の削減が実現できるでしょう。脱炭素化は、運営コストの抑制にも直結します。 

国内の取り組み事例 

ここでは、脱炭素社会の実現に対する国内の取り組み事例について解説します。

オムロン株式会社 

オムロンは、商品の製造時にエネルギー生産性を高める取り組みを行っています。現場データを活用できるサービス「i-BELT」を企業に対して提供しており、製造過程でどれだけのエネルギーが使われているのかを明らかにし、そのうえでエネルギー削減の対策を講じるための取り組みを支援しています。

イオンモール株式会社

イオンモールは、EV電力買取サービス「V2AEONMALL」を提供しています。顧客が家庭で発電した電力を、EVを介して買い取るサービスです。サービスを活用することで、顧客は買い物などで使用できるポイントを獲得できます。同社は、顧客参加型のサービス提供による脱炭素社会の実現を目標としています。 

株式会社村田製作所

村田製作所は、岡山県瀬戸内市の製造拠点に、大規模なカーポート型ソーラーパネルを設置しました。駐車場上にソーラーパネルを設置することで、工場の電力供給を支えると同時に、温室効果ガスの削減を図っています。裏面でも、光をエネルギーに変えられる両面発電パネルを採用しており、より発電効率がアップしています。 

脱炭素経営に取り組む際の注意点 

脱炭素経営に取り組む際の注意点は、以下のとおりです。 

・コストがかかる:脱炭素経営を進めるには、太陽光発電システムの設置といった初期投資や設備の維持・運用に必要な費用がかかる 
・人材確保が難しい:脱炭素経営には、環境やエネルギーに関する専門的な知識を持つ人材が求められるが、人材の確保や育成が難しい 
など 

まとめ 

脱炭素社会を実現するために、世界では多くの取り組みが行われています。小さな一歩であったとしても、まずは二酸化炭素の排出量削減に向けて動き始めることが大切です。 

自社で脱炭素社会の実現に向けて取り組みを進めたいなら、「ゼロ炭素ポート」をご活用ください。二酸化炭素排出量を計算できるツールを提供しており、企業活動で排出している二酸化炭素の量を具体的に把握可能です。自社の現状を把握することで、削減戦略が立てやすくなるでしょう。 

脱炭素経営に取り組む企業のサポートをさまざまな角度から行っているため、ぜひお問い合わせください。 

執筆者プロフィール

会社名:東京瓦斯株式会社
部署名:ソリューション事業創造部
執筆者名:大塚勝臣(おおつかかつおみ)
執筆者の略歴(職務経歴、保有資格、受賞歴など):
1992 年入社以来、様々な形で省エネ・脱炭素ソリューションの導入に関わる。
一級建築士
一級管工事施工管理技士
MBA