ユナイテッド・アーバン投資法人が、「脱炭素ロードマップ策定業務委託」を採用した理由と効果について、丸紅リートアドバイザーズ株式会社サステナビリティ戦略室長森田様に、お話を伺いました。
ユナイテッド・アーバン投資法人は、東京証券取引所に上場する不動産投資信託(J-REIT)です。「本源的価値を有する不動産」を見極め投資することを基本方針とし、用途や地域を問わず、中長期的に安定した成長が見込める優良な物件を対象に、資産価値の向上を通じて持続的な成長を目指す総合型REITです。
現在、144物件・7,320億円(取得価格ベース・2025年12月16日時点)からなるポートフォリオを形成しています。ポートフォリオは特定のアセットに偏らない構成となっており、商業施設、オフィス、ホテル、レジデンス(賃貸住宅)、物流施設など複数の用途に分散投資しています。このように景気動向や需要構造の異なるアセットを組み合わせることで市況変化の影響を緩和しています。
2023年度に初めて東京ガスへ「脱炭素ロードマップ策定業務委託」をしましたが、当時の2023年以前の脱炭素に係る中長期削減目標は、基準となるエネルギーデータがオフィス用途のみしか集計できていなかったため、すべてのポートフォリオを対象とした脱炭素ロードマップの策定を検討し、サステナビリティに係る専門部署の新設を機に東京ガスへ相談したところ、「合理的に算出した推計値であれば基準年の排出量は算定可能」との回答をいただき、ポートフォリオ全用途を対象とした脱炭素ロードマップの策定に着手した経緯がございます。
当時は現在と比べてGHG排出量削減や環境データに対する社内全体の問題意識・重要性の認識が十分に高まっていたとは言い難かったと理解しています。そのため、目標値そのものの設定以前に「ユナイテッド・アーバン投資法人としてどの程度踏み込んだ削減水準を掲げるべきか」、「多用途にわたるデータ収集・管理にどこまでリソースを割くべきか」といった観点について、社内関係者の理解や合意形成に苦心していたと聞いています。
東京ガス様を選定した一番のポイントは「脱炭素ロードマップ策定」にとどまらず、その先の実践フェーズにおいても継続的にご支援いただけると期待できた点です。単なるコンサルティングではなく、実行段階まで見据えたパートナーとしてご一緒できることに、大きな魅力を感じました。
また、エネルギー会社として長年培われてきた知見と豊富な実績は、他社様と比較しても一日の長があると感じております。技術面・運用面の具体的な提案力に加え、現場感覚に根差したアドバイスをいただける点も東京ガス様ならではの強みだと受けて止めています。
その上で、最後は担当者の皆さまの熱意と真摯な対応が決め手となりました。当社の状況や課題を丁寧に理解しようとする姿勢に長期的なパートナーとしての信頼を感じ、最終的に東京ガスにお願いすることを決定しました。
こうした基盤整備を踏まえ、SBTの新しい要件にも実質的に整合し得る水準で削減目標およびロードマップを再構築する必要性が生じたことから、今回のタイミングで脱炭素ロードマップの見直しを行うことに着手し、前回同様に東京ガスにお願いすることを決定しました。
また、脱炭素ロードマップ策定に関する業務メソッドが確立されているため、当社としても判断すべきポイントを把握しやすかったと感じています。
さらに、SBTやCRREMといったイニシアティブやツールに関する最新の動向をフォローいただき、その内容についても丁寧にご説明いただけたことで、中期目標の策定についても迷いなく判断することができたと思います。
当社のESG対応に対する東京ガス様の貢献度は非常に高く、100点に限りなく近い水準と考えておりますが、今後のイニシアティブ変化への継続対応も含めた期待も込めて、95点とさせていただきたいと思います。
理路整然と冷静にロジックを組み立てながらも、要所では熱い思いをストレートに投げ掛けてくださる—東京ガスサステナブルスターチームの皆さまは、まさに「冷静と情熱のあいだ」ならぬ、ガス会社ならではの「冷水と蒸気のあいだ」にいらっしゃる存在だと感じています。
皆さまの冷静沈着な分析力と、脱炭素への熱い情熱が掛け合わさることで、ユナイテッド・アーバン投資法人のポートフォリオ全体に確かな脱炭素の推進力を生み出してくださっているのではないかと思っています。