
JoyWatcherSuite導入の決め手
●電力計測システムから中央監視システムへの発展と顧客ニーズへの柔軟な対応
トーエネックでは、2004年よりメーカーと共同開発した電力計測システムを販売していた。しかし、制御機能を備えていなかったため、中央監視システムとして活用できない点が課題となっていた。また、画面構成や帳票書式が固定されており、顧客ごとの要望に柔軟に対応しにくい点も改善が求められていた。
こうした課題を解決するためにSCADAの導入を検討し、複数の製品比較・検討した結果、社内での開発やカスタマイズがしやすい点を評価し、JoyWatcherSuiteを採用した。2013年にはSIパートナー契約を締結し、2014年からは JoyWatcherSuiteを活用した監視制御システム「ToEMS(トエムス)」として販売を開始している。
ここでは、トーエネック社内施設におけるJoyWatcherSuiteの活用事例を2件紹介する。
JoyWatcherSuite ①洲崎ビルへの導入ポイント
(空調スケジュール制御、サイネージ表示、他システムとの連携等)
● 導入のポイント
・空調スケジュール制御による快適性と省エネルギーの両立
・サイネージ表示による情報提供の充実
・他システムとの柔軟な連携
●導入検討時における課題・ニーズ:
洲崎ビルは、トーエネックの自社ビルとして2024年に竣工したオフィスビルである。新築にあたり、建物全体の省エネルギー化を目的としてJoyWatcherSuiteを用いたToEMSを導入した。空調や照明、入退室管理などの個別システムはそれぞれ導入予定であったため、これらをまとめて監視・制御できる統合システムが求められた。また、スケジュール制御やデマンド制御への対応、BACnetによる他システム連携、社内ネットワーク上どこからでも確認できる環境づくりといった追加要望にも応える必要があった。
●導入時における問題点と解決方法:
こうした要望に対応するため、BAToolやBACnet通信ドライバ、Webkitなどのオプションを活用した。
サイネージに表示するグラフについては、標準機能で は表現が難しい部分もあったため、Excel連携機能を用いた独自ロジックおよびプログラムを開発し、Excelで作成したグラフをJoyWatcher画面に表示することで分かりやすい可視化を実現した。
●導入後の運用改善:
運用開始後は、実際に建物を利用する社員の声を反映しながら、帳票機能を活用して日々のエネルギー管理を行い、スケジュールや制御内容を継続的に見直している。快適な執務環境づくりと省エネルギーの両立を図りながら、日々の運用改善を積み重ねている点が特長である。
JoyWatcherSuite ②安全創造館への導入ポイント
(研究開発部門による研究設備の監視制御)
●導入施設の設備:
安全創造館は、トーエネック社内外を対象に、危険に関する感受性と安全意識の向上を目的とした教育施設として2017年に竣工した。併設されている技術研究開発部では、再生可能エネルギーの有効活用に関する研究開発が行われており、その一環として太陽光発電、蓄電池、ガスエンジンコージェネレーション(コジェネ)などを組み合わせた交流(AC)系、およびEV、水素製造設備、燃料電池などを組み合わせた直流(DC)系マイクログリッドシステムが構築されている。
●導入検討時における問題・課題点:
照明・空調設備に加え、コジェネ、給湯設備、太陽光発電、蓄電池、各種計測機器など、対象設備やメーカーが多岐にわたっていたため、これらをまとめて監視・制御できる仕組みが必要であった。また、制御手法は独自に研究開発したもので、運転データをもとに随時改良する計画であったため、運用開始後も社内で柔軟に機能変更できることが求められていた。
●導入時における問題点と解決方法:
運用途中で家庭用蓄電池を追加した際には、ECHONET Liteに対応したドライバが存在しないという課題が発生した。そこで外部で通信プログラムを作成し、JoyWatcherSuiteに用意されたAPIを活用することで、システム間の連携を実現した。
●問題・課題点の解決におけるメリット:
JoyWatcherSuiteは多種の通信プロトコルに対応しているため、今回対象となったシステムとの接続はスムーズに行えた。使用した通信ドライバは、ModbusTCP・BACnet・LONWORKS・PLC・SNMPである。また、制御ロジックを分散構成とすることで、中央側を機能変更で一時的に停止しても、各サブシステムは個別に稼働できる、柔軟性の高いシステムを構築している。

JoyWatcherSuiteの強みと今後の展望
今回紹介した2つの事例から、グループ長の佐々木氏は、
JoyWatcherSuiteが持つ強みを改めて確信したと語ります。 「社内での開発や機能変更がしやすいことに加え、多様な通信プロトコルへ対応でき、さらに将来的な拡張や運用にも柔軟に応えられる点が大きな魅力です。」
洲崎ビルでは快適な環境づくりと日々のエネルギー管理を、安全創造館では多様な設備の監視制御と柔軟なシステム構築・拡張を実現。トーエネックでは今後も、これまで培ったノウハウとJoyWatcherSuiteの柔軟性を最大限に活かし、設備課題の解決や省エネルギー化を通じてお客さまに貢献していくとしています。





